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問題81 DNAで誤っているのはどれか。
1.二重らせんを形成している。
2.塩基としてウラシルを含む。
3.ヌクレオチドから構成される。
4.タンパク質の合成に関与する。
答え.2
解説
DNA(デオキシリボ核酸)は、「ヌクレオチド」が連続した鎖状の構造をもつ。ヌクレオチドは、①リン酸、② デオキシリボース(五炭糖)、③塩基(グアニン、 アデニン、チミン、 シトシンの中のいずれか1つ)より構成される。その際に、アデニンはチミンと、グアニンはシトシンと結合し互いにねじれて二重らせん構造をとる。
1.3.〇 正しい。二重らせんを形成している/ヌクレオチドから構成される。
DNA(デオキシリボ核酸)は、「ヌクレオチド」が連続した鎖状の構造をもつ。ヌクレオチドは、①リン酸、② デオキシリボース(五炭糖)、③塩基(グアニン、 アデニン、チミン、 シトシンの中のいずれか1つ)より構成される。その際に、アデニンはチミンと、グアニンはシトシンと結合し互いにねじれて二重らせん構造をとる。
2.× 塩基としてウラシルを含むのは、「DNA」ではなくRNAである。
ウラシルは、「DNA」ではなくRNA (リボ核酸)ヌクレオチドを構成する。ちなみに、塩基のチミンがなく代わりにウラシルがある。塩基にはプリン塩基であるアデニンとグアニン、ピリミジン塩基であるシトシン、チミン、ウラシルがある。アデニン、グアニン、シトシンはDNA・RNAに共通であるが、チミンはDNAにのみ、ウラシルはRNAにのみ存在する。特殊な例を除き、DNAは2本鎖、RNAは1本鎖である。
4.〇 正しい。タンパク質の合成に関与する。
DNAは遺伝情報を保持しており、その情報は、DNAからRNAへの転写と、RNAからタンパク質への翻訳というプロセスを経てタンパク質の合成に関与する。
問題82 神経細胞の活動電位膜電位の急激な上昇に寄与するのはどれか。
1.K+の細胞内への流入
2.K+の細胞外への流出
3.Na+の細胞内への流入
4.Na+の細胞外への流出
答え.3
解説
【筋収縮の機序】
①筋小胞体から放出されたCa2+がトロポニンと結合する。
②ATPエネルギーを利用したミオシンの頭部首振り運動が起こる。
③アクチンフィラメントを引き寄せながらミオシンフィラメント上を滑走して筋収縮が起こる。
【運動による筋疲労によって起こる事象】
①代謝産物の蓄積(乳酸の増加やpHの低下)
②エネルギー供給率の低下(ATP低下、ADP増加、グリコーゲン低下)
③興奮収縮連関不全(筋小胞体へのCa2+取り込み低下)
1.× K+の細胞内への流入
K+の細胞内への流入は、膜電位の過分極(膜電位の下降)を引き起こす。
2.× K+の細胞外への流出
K+の細胞外への流出は、活動電位の終了段階で膜電位の再分極を引き起こします。
3.〇 正しい。Na+の細胞内への流入によって、神経細胞の活動電位膜電位の急激な上昇に寄与する。
活動電位の急激な上昇は、Na+チャネルが開くことにより、Na+イオンが細胞内に流入することで引き起こされる。この流入は、細胞膜の電位を正の方向に急速に変化させ、活動電位を生成する。
4.× Na+の細胞外への流出
Na+の細胞外への流出は、Na+/K+ポンプがNa+を細胞外に、K+を細胞内に移動させることで、膜電位の安定化に寄与する。
問題83 交感神経の作用はどれか。
1.縮瞳
2.心拍数の減少
3.糖新生の促進
4.腸管運動の亢進
答え.3
解説
1~2.4.× 縮瞳/心拍数の減少/腸管運動の亢進
副交感神経によって引き起こされる。一方、散瞳は、交感神経の作用である。腸管運動(蠕動運動)とは、管腔臓器において中枢側(口側)が収縮し末梢側(肛門側)が弛緩することで、末梢側(肛門側)に尿や消化管内容物を押し出していく運動のことである。
3.〇 正しい。糖新生の促進は、交感神経の作用である。
糖新生系の生合成(グルコースより合成したグリコーゲンを分解し、再度グルコースをつくること)を促進する。
・血管(交:収縮、副:弛緩)
・涙腺(交:涙出ない、副:涙する)
・瞳孔(交:拡大、副:縮小)
・唾液腺(交:濃い、副:薄い)
・肺、気管(交:拡張、副:縮小)
・心臓(交:増加、副:減少)
・肝臓(交:分解、副:合成)
・膵臓(交:分泌減少、副:分泌増加)
・胃(交:消化抑制、副:消化促進)
・大腸~直腸(交:蠕動抑制、副:蠕動促進)
・膀胱(交:蓄尿、副:放尿)
問題84 筋紡錘を受容器とするのはどれか。
1.屈曲反射
2.伸張反射
3.前庭反射
4.交叉性伸展反射
答え.2
解説
1.× 屈曲反射
屈曲反射とは、四肢の皮膚に強い刺激(痛み刺激)を加えると、その肢が屈曲する反射である。この反射は、主に、痛覚受容器によって引き起こされる。
2.〇 正しい。伸張反射は、筋紡錘を受容器とする。
伸張反射とは、外力により急に筋が引き伸ばされるとその筋が収縮する反射のことである。この反射は、筋肉の過伸長や損傷を防ぐために働く。伸張反射は、筋紡錘に存在する一次終末からのIa線維を介してα運動ニューロンにシナプスを形成するもので、単シナプス性の反射経路をとる。筋を伸張すると筋紡錘も引き伸ばされ、感覚神経の終末が変形する。この機械的刺激が感覚神経に求心性発射活動を引き起こす。
3.× 前庭反射(前庭動眼反射/前庭眼反射とも)
頭が動いたときにこれと反対方向に眼球を動かして網膜に映る外界の像のぶれを防ぎ、頭が動いているときにものが見えにくくならぬように働く一種の反射である。
4.× 交叉性伸展反射
交叉性伸展反射とは、検者が一側下肢を伸展させ、同側の足底を刺激すると反対側の下肢が屈曲し、その後に刺激を与えている検者の手を払いのけるように伸展・交差する。胎児期後期から、生後1、2 ヵ月までに消失する。
問題85 歩行の基本的なパターンを生み出す神経機構が存在するのはどれか。
1.脊髄
2.延髄
3.小脳
4.大脳
答え.1
解説
1.〇 正しい。脊髄は、歩行の基本的なパターンを生み出す神経機構が存在する。
脊髄には、歩行の基本的なパターンを生成する神経機構が存在する。これらの神経回路は、「中枢パターン発生器(CPG)」と呼ばれ、自律的にリズミカルな筋活動を生成して歩行動作を制御する。歩行だけでなく、リズミカルな運動(呼吸や咀嚼運動など)を自動的に発生させる。
2.× 延髄
呼吸や循環などの基本的な生命維持機能を制御する。
3.× 小脳
運動の調整および運動学習に関与する。
4.× 大脳
高次の運動計画や意識的な運動制御に関与する。