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問題26 ハムストリングス肉離れの検査はどれか。
1.FNSテスト
2.SLRテスト
3.ルーステスト
4.ニュートンテスト
答え.2
解説
椎間板は、外縁部分を構成する線維輪という靱帯様の構造物と、中心部に含まれる軟らかい髄核という構造物から成り立っているが、外縁部分の椎間板の線維輪が弱くなって膨隆したり、線維輪が断裂して中心部の髄核が脱出したりすると、近傍にある神経を圧迫している状態のことを腰椎椎間板ヘルニアという。L4/5とL5/S1が好発部位である。
L3‒L4間(支配神経根L4):膝蓋腱反射低下、大腿~下腿内側の感覚麻痺、大腿四頭筋力低下。
L4‒L5間(支配神経根L5):下腿外側~母趾の感覚麻痺、前脛骨筋、長母指伸筋、長趾伸筋の筋力低下。
L5‒S1間(支配神経根S1):アキレス腱反射低下、足部尺側側の感覚麻痺、下腿三頭筋、長母指屈筋、長趾屈筋の筋力低下。
1.× FNSテスト
(大腿神経伸展テスト:Femoral Nerve Stretching Test)は、L3・L4の神経根障害で陽性となる。腹臥位になってもらい、膝を曲げて太ももを背中側に挙げる。ふとももの前に痛みが誘発された場合、陽性となる。第2/3腰椎間、第3/4腰椎間の椎間板ヘルニアに特徴的な検査
2.〇 正しい。SLRテストは、ハムストリングス肉離れの検査である。
SLRテスト(下肢伸展挙上テスト)は、脊髄後根で圧迫を受ける疾患(坐骨神経痛、椎間板ヘルニアなど)の有無、ハムストリングス損傷や短縮をみる。背臥位で、下肢を挙上し痛みが生じたら陽性である。
3.× ルーステスト
ルーステスト(Roos Test)は、胸郭出口症候群を検査する。腕を外転90度、外旋90度、肘を90度曲げた状態にする。この状態で指の曲げ伸ばしを行い、これを3分間続けられなければ、陽性となる。
4.× ニュートンテスト
ニュートンテスト(Newton test)は、仙腸関節炎を検査する。腹臥位で仙腸関節部を上から押して、仙腸関節の圧痛を確認する。
肉離れとは、筋肉が過度に引き伸ばされたり、筋肉が縮んだ状態から引き伸ばされた際に筋線維が切れることである。肉離れの予防として、①柔軟性の向上、②血行改善、③アイシング、④違和感があった際の中断が必要となる。
【好発部位】
大腿四頭筋:太ももの前側(大腿直筋)で起こりやすい。なぜなら、股関節と膝関節の二つの関節の動きに作用する二関節筋であるため。
ハムストリングス:大腿二頭筋(筋腱移行部)で起こりやすい。
下腿三頭筋:筋線維の多くは筋腱移行部での部分損傷で、特に腓腹筋内側頭で起こりやすい。10代からみられ、各年齢層にまんべんなく発生する。受傷機序として、日常生活中やスポーツ現場では階段を下りた際や、ランニングやダッシュの途中などにふくらはぎに鋭い痛みが走り、その後の歩行が困難になるケースがよく見られる。足関節底屈の際、親指のほうが大きく力を発揮するのに適しており、親指側に力が入りやすいため、外側より内側のほうが受傷しやすい。
問題27 大腿部前面打撲で中等度損傷にあたるのはどれか。
1.膝関節屈曲20度まで可能
2.膝関節屈曲40度まで可能
3.膝関節屈曲80度まで可能
4.膝関節屈曲120度まで可能
答え.3
解説
軽度:膝関節が90°以上屈曲可能
中等度:膝関節が90°まで屈曲不可
重度:膝関節が45°まで屈曲不可
1~2.× 膝関節屈曲20度まで可能/膝関節屈曲40度まで可能
大腿部前面打撲で重度損傷にあたる。
3.〇 正しい。膝関節屈曲80度まで可能は、大腿部前面打撲で中等度損傷にあたる。
受傷直後は出血を最小限にとどめる為すぐにRICE処置を行い、出来るだけ損傷部位を伸ばす肢位(膝関節屈曲位)をとり血腫の形成を抑制する。筋挫傷の治療のほとんどが保存療法になる。
4.× 膝関節屈曲120度まで可能
大腿部前面打撲で軽度損傷にあたる。
問題28 靱帯損傷の検査はどれか。
1.膝蓋骨グラインディングテスト
2.牽引アプライテスト
3.マックマレーテスト
4.トーマステスト
答え.2
解説
1.× 膝蓋骨グラインディングテスト
膝蓋骨グラインディングテストは、半月板損傷を検査する。うつ伏せで、膝を90度屈曲し、踵を下に押しつけながら回す。痛みが生じたときは陽性となる。
2.〇 正しい。牽引アプライテストは、靱帯損傷の検査である。
アプレー圧迫テストは半月板損傷、アプレー牽引テストは、側副靭帯損傷を疑う。アプレー牽引テストは、うつ伏せで膝を90°屈曲し、大腿部を検者の膝で固定する。下腿を上方に引っ張り上げて膝の関節包を緊張させ、疼痛が誘発されると陽性である。
3.× マックマレーテスト
マックマレーテスト(McMurray Test)は、半月板損傷を検査する。①背臥位で膝を完全に屈曲させ片手で踵部を保持する。②下腿を外旋させながら膝を伸展させたときに痛みやクリックを感じれば内側半月の損傷、下腿を内旋させながら膝を伸展させたときに生じるならば外側半月の損傷を示唆する。
4.× トーマステスト
トーマステスト(Thomas Test)は、股関節屈曲拘縮を検査する。背臥位で股関節・膝関節を屈曲する。反対側の膝が持ち上がると陽性である。
問題29 回旋不安定性を評価するのはどれか。
1.ワトソン・ジョーンズテスト
2.ラックマンテスト
3.サギング
4.Nテスト
答え.4
解説
1.× ワトソン・ジョーンズテスト
ワトソン・ジョーンズテストは、半月板損傷の検査である。 背臥位になってもらい、右手で踵骨を持ち、左手で膝を固定した状態で、右手で軽くトントンと足を上げる。痛みの誘発で陽性となる。
2.× ラックマンテスト
ラックマンテスト(Lachmanテスト)は、前十字靭帯損傷の検査である。背臥位で膝関節を20~30度屈曲させて、下腿部近位端を斜め前方へ引き出す。
3.× サギング
サギングは後十字靭帯損傷の検査である。膝屈曲位での下腿の後方落ち込み現象を観察する。
4.〇 正しい。Nテストは、回旋不安定性を評価する。
Nテストは、前十字靭帯断裂を検査する。足部と下腿近位を把持し、膝関節屈曲位から腓骨頭を押し出すように下腿を内旋させ、そのまま他動的に伸張させる。膝屈曲20°付近から脛骨が前方・内旋方向へ亜脱臼すると陽性となる。
問題30 膝半月板単独損傷で正しいのはどれか。
1.脛骨粗面を強打し発生する。
2.内側の原因は円板状半月が多い。
3.損傷側の側副靱帯付着部に放散痛がある。
4.高齢者では退行性変化を基盤としている。
答え.4
解説
半月板とは、膝関節の大腿骨と脛骨の間にある板で、内側・外側にそれぞれがある。役割として衝撃吸収と安定化をはたす。損傷した場合、膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりが起こる。重度の場合は、膝に水(関節液)がたまったり、急に膝が動かなくなる「ロッキング」が起こり、歩けなくなるほど痛みが生じる。
1.× 脛骨粗面を強打し発生するのは、「後十字靭帯」である。
半月板損傷は、膝関節の急激な捻じれや曲げ、外力による衝撃などによって発生することが一般的である。
2.× 内側の原因は、「円板状」ではなく「C字型」半月が多い。
半月板の形状には2つのタイプがあり、内側半月板はC字型で、外側半月板はより円板状である。
3.× 損傷側の側副靱帯付着部に放散痛があるとはいえない。
なぜなら、半月板損傷は、損傷部位や程度によって、痛みの出方が異なるため。ちなみに、半月板の外縁は外側側副靭帯に付着していない。一方、内側半月板は内側側副靱帯に付着している。
4.〇 正しい。高齢者では退行性変化を基盤としている。
高齢者の半月板損傷は、退行性変化(老化による組織の弱さ)が主な原因となる。加齢に伴い、半月板の組織が薄く、脆くなり、損傷しやすくなる。