第31回(R5年)柔道整復師国家試験 解説【午前41~45】

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問題41 医療扶助が規定されているのはどれか。

1.生活保護法
2.健康保険法
3.児童福祉法
4.老人福祉法

答え.1

解説
1.〇 正しい。生活保護法は、医療扶助が規定されている。
生活保護制度は、『日本国憲法』25条の理念に基づき、生活困窮者を対象に、国の責任において、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長することを目的としている。8つの扶助(生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)があり、原則現金給付であるが、医療扶助と介護扶助は現物給付である。被保護人員は約216.4万人(平成27年度,1か月平均)で過去最高となっている。

2.× 健康保険法
健康保険法とは、労働者及びその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関する医療保険給付等について定めた日本の法律である。

3.× 児童福祉法
児童福祉法とは、児童の福祉を担当する公的機関の組織や、各種施設及び事業に関する基本原則を定める日本の法律である。児童が良好な環境において生まれ、且つ、心身ともに健やかに育成されるよう、保育、母子保護、児童虐待防止対策を含むすべての児童の福祉を支援する法律である。「児童福祉法」については、児童福祉法(第六条の三)に、「この法律で、乳児家庭全戸訪問事業とは、一の市町村の区域内における原則として全ての乳児のいる家庭を訪問することにより、厚生労働省令で定めるところにより、子育てに関する情報の提供並びに乳児及びその保護者の心身の状況及び養育環境の把握を行うほか、養育についての相談に応じ、助言その他の援助を行う事業をいう」と記載されている(※一部引用:「児童福祉法」e-GOV法令検索様HPより)。

4.× 老人福祉法
老人福祉法とは、老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もって老人の福祉を図ることを目的として制定された法律である。

生活保護制度とは?

生活保護制度は、『日本国憲法』25条の理念に基づき、生活困窮者を対象に、国の責任において、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長することを目的としている。8つの扶助(生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)があり、原則現金給付であるが、医療扶助と介護扶助は現物給付である。被保護人員は約216.4万人(平成27年度,1か月平均)で過去最高となっている。

生活扶助:日常生活に必要な費用
住宅扶助:アパート等の家賃
教育扶助:義務教育を受けるために必要な学用品費
医療扶助:医療サービスの費用
介護扶助:介護サービスの費用
出産扶助:出産費用
生業扶助:就労に必要な技能の修得等にかかる費用
葬祭扶助:葬祭費用

【生活保護法の4つの基本原理】
①国家責任の原理:法の目的を定めた最も根本的原理で、憲法第25条の生存権を実現する為、国がその責任を持って生活に困窮する国民の保護を行う。
②無差別平等の原理:全ての国民は、この法に定める要件を満たす限り、生活困窮に陥った理由や社会的身分等に関わらず無差別平等に保護を受給できる。また、現時点の経済的状態に着目して保護が実施される。
③最低生活の原理:法で保障する最低生活水準について、健康で文化的な最低限度の生活を維持できるものを保障する。
④保護の補足性の原理:保護を受ける側、つまり国民に要請される原理で、各自が持てる能力や資産、他法や他施策といったあらゆるものを活用し、最善の努力をしても最低生活が維持できない場合に初めて生活保護制度を活用できる。

【4つの原則】
①申請保護の原則:保護を受けるためには必ず申請手続きを要し、本人や扶養義務者、親族等による申請に基づいて保護が開始。
②基準及び程度の原則:保護は最低限度の生活基準を超えない枠で行われ、厚生労働大臣の定める保護基準により測定した要保護者の需要を基とし、その不足分を補う程度の保護が行われる。
③必要即応の原則:要保護者の年齢や性別、健康状態等その個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効且つ適切に行われる。
④世帯単位の原則:世帯を単位として保護の要否及び程度が定められる。また、特別な事情がある場合は世帯分離を行い個人を世帯の単位として定めることもできる。

(※参考:「生活保護制度」厚生労働省HPより)
(※参考:「生活保護法の基本原理と基本原則」室蘭市HPより)

 

 

 

 

 

問題42 国民医療費(令和元年度)で正しいのはどれか。

1.総額40兆円を超える。
2.財源は公費が60%以上を占める。
3.64歳以下の医療費が50%以上を占める。
4.柔道整復師の療養費は1兆円を超えている。

答え.1

解説

令和元年度 国民医療費の概況

国民医療費とは、当該年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものである。
・令和元年度の国民医療費は44兆3,895億円、前年度の43兆3,949億円に比べ9,946億円、2.3%の増加している。
・人口一人当たりの国民医療費は35万1,800円、前年度の34万3,200円に比べ8,600円、2.5%の増加している。
・国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は7.93%(前年度7.79%)、国民所得(NI)に対する比率は11.06%(同10.79%)している。(※データ引用:「令和元(2019)年度 国民医療費の概況」厚生労働省HPより)

1.〇 正しい。総額40兆円を超える
令和元年度の国民医療費は44兆3,895億円、前年度の43兆3,949億円に比べ9,946億円、2.3%の増加している。

2.× 財源の公費は、「60%以上」ではなく約40%占める。
国民医療費を財源別に見ると、公費は16兆4,715億円(構成割合38.9%)、そのうち国庫は10兆8,699億円(同25.7%)、地方は5兆6,016億円(同13.2%)となっている。また、公費とは、国家または公共団体の費用のことをさす。

3.× 医療費が50%以上を占めるのは、「64歳以下」ではなく64歳以上である。
年齢階級別にみると、0~14歳は2兆2326億円(6.4%)、15~44歳は4兆8362億円(13.9%)、45~64歳は8兆7397億円(25.1%)、65歳以上は18兆9999億円(54.6%)となっている。

4.× 柔道整復師の療養費は、「1兆円」ではなく約3000~3500億円である。
年々減少傾向にある。

 

 

 

 

 

問題43 受領委任払いを取り扱う施術管理者の届出・申し出で正しいのはどれか。

1.8時間の研修を受講する必要がある。
2.請求代行団体への加入が義務である。
3.施術所で5年間の実務経験が必要である。
4.保険医療機関での経験は実務経験に参入できる。

答え.4

解説

受領委任とは?

受領委任とは、施術者が、医療保険(療養費)で定める施術を行い、患者等から一部負担金を受け取り、患者等に代わって療養費支給申請書を作成・保険者等へ提出し、患者等から受領の委任を受けた施術者等が療養費を受け取る取扱いである。

(※図引用:「柔道整復師の資格を取得される皆様、関係の皆様へ」全国柔整鍼灸協同組合)

1.× 8時間の研修を受講する必要があるとはいえない
受領委任払いを取り扱う施術管理者には、特定研修の受講が求められるが、具体的な受講時間は、施設や都道府県によって異なる。

2.× 請求代行団体への加入が「義務ではない」。
ただし、請求代行団体への加入によって、請求業務の負担を軽減できることができる。

3.× 施術所で5年間の実務経験が「必要とはいえない」。
平成36年4月以降に届け出をする場合でも3年の実務経験でよい。

4.〇 正しい。保険医療機関での経験は実務経験に参入できる
保険医療機関での経験は実務経験として考慮される。保険医療機関とは、厚生労働大臣の指定を受けた、保険証が使える病院、診療所、薬局のことをいう。 逆にいうと、保険医療機関ではない医療機関では、保険証は使えないということで、医療費は全額自己負担になる。

 

 

 

 

 

問題44 柔道整復師免許の欠格事由はどれか。

1.麻薬の中毒者
2.年金の滞納者
3.科料を受けた者
4.外国籍の者

答え.1

解説

柔道整復師免許の欠格事由

第四条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一 心身の障害により柔道整復師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三 罰金以上の刑に処せられた者
四 前号に該当する者を除くほか、柔道整復の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者

(※引用:「柔道整復師法」e-GOV法令検索様HPより)

1.〇 正しい。麻薬の中毒者は、柔道整復師免許の欠格事由である。
柔道整復師免許の欠格事由の第4条2に「麻薬、大麻又はあへんの中毒者」と記載されている。

2~4.× 年金の滞納者/科料を受けた者/外国籍の者
科料とは、1万円未満の金額を国庫に納付させる刑罰である。科料が科せられる典型は、軽犯罪法違反の罪で、刑法上は、公然わいせつ罪、わいせつ物頒布等罪、暴行罪、過失傷害罪、侮辱罪などがある。

 

 

 

 

 

問題45 柔道整復師の免許事項を登録するのはどれか。

1.指定試験機関
2.文部科学省
3.厚生労働省
4.都道府県

答え.3

解説
1~2.4.× 指定試験機関/文部科学省/都道府県
文部科学省とは、日本の行政機関のひとつで、教育、学術、スポーツ、文化および科学技術の振興、宗教事務等を所管する。ちなみに、都道府県知事は、准看護師免許を付与する。

3.〇 正しい。厚生労働省に、柔道整復師の免許事項を登録する。
柔道整復師法の第2条(定義)この法律において「柔道整復師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、柔道整復を業とする者をいう。この法律において「施術所」とは、柔道整復師が柔道整復の業務を行なう場所をいう(※引用:「柔道整復師法」厚生労働省HPより)。と記載されている。

 

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