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問題36 基本包帯法で正しいのはどれか。
1.蛇行帯は下巻きに用いる。
2.麦穂帯は副子の一時固定に用いる。
3.折転帯は包帯の巻き終わりに用いる。
4.亀甲帯は関節の動きを完全に制限したい場合に用いる。
解答1
解説
1.〇 正しい。蛇行帯は下巻きに用いる。蛇行帯(だこうたい)とは、骨折部位のギプスシャーレや副え木を固定するために用いられ、包帯を重ねず、等間隔を空けて巻く方法である。骨折や脱臼などの治療において一時的な固定を行う際に使用される。弾性包帯のような伸縮性のある包帯では、ギプスシャーレや副え木をしっかり固定することが難しいため、伸縮性が低い包帯が用いられる。
2.× 副子の一時固定に用いるのは、「麦穂帯」ではなく蛇行帯である。麦穂帯は、手関節、足関節、股関節、肩といった屈曲する部位、下腿などの太さが一定でない部位に対して行われる方法である。8の字を描くように交差させながら巻く。関節部分をきれいに覆うことができるだけでなく、各関節の良肢位を保ったまま固定できる。
3.× 包帯の巻き終わりに用いるのは、「折転帯」ではなく環行帯である。折転帯は、基本包帯で表巻きと裏巻きを交互に繰り返す。前腕、下腿など太さが変化する部位に、包帯を折り返しながら巻く方法である。折り返すことで包帯が解けにくくなり、広範囲に巻くことができる。ちなみに、環行帯は、同じ位置に重ねて巻く方法である(※読み:かんこうたい)。巻き始めと巻き終わりはこの巻き方を用いる。
4.× 亀甲帯は関節の動きを「完全に制限」ではなくある程度可能にしたい場合に用いる。亀甲帯とは、8字帯固定ともいい、鎖骨骨折の治療でよく用いられる方法である。関節部を中心に8の字に交差させながら巻いていく方法である。屈曲・伸展がある程度可能なので、肘関節や膝関節、足関節などの被覆(保護)にも用いられる。
問題37 ヴェルポー包帯の固定肢位はどれか。
1.伸展位
2.屈曲位
3.内転位
4.外転位
解答3
解説
ヴェルポー包帯は、肩関節を内転位に固定するための包帯法である。肩関節を体の中心に近い位置に保つことで、肩関節の安定性を向上させる。
1~2.4.× 伸展位/屈曲位/外転位は、ヴェルポー包帯の固定肢位ではない。なぜなら、ヴェルポー包帯は、肩関節を内転位に固定するための包帯法であるため。
3.〇 正しい。内転位は、ヴェルポー包帯の固定肢位である。
問題38 インフォームド・コンセントを説明しているのはどれか。
1.柔道整復師法
2.医師法
3.医療法
4.民法
解答3
解説
インフォームド・コンセントは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味する。医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を選択し、同意のもとで医療を行うことを指す。診断結果の伝達には「癌の告知」という重要な問題も含まれる。
1.× 柔道整復師法とは、柔道整復師の職務や資格、免許の交付や業務の停止、治療行為の制限などについて定められた法律である。柔道整復の施術が一定の技術と知識を持った施術師から適切に提供されることを目的としている。
2.× 医師法とは、医師全般の職務・資格などを規定する日本の法律である。つまり、一般人には禁止されている医療行為を、医師という有資格者に限って許可する法律である。
3.〇 正しい。医療法は、インフォームド・コンセントを説明している。医療法とは、病院、診療所、助産院の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。①医療を受けるものの利益と保護、②良好かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を主目的としている。
4.× 民法とは、私人間の権利や義務の関係性をまとめた基本的な法律で、私法の基本法であり、私法の一般法とも呼ばれる。市民生活における市民相互の関係、つまり財産関係(売買・賃貸借・不法行為など)と家族関係(夫婦・親子・相続など)を規律する法律である。
問題39 医療におけるリスクマネジメントで正しいのはどれか。
1.間違いを起こさない前提で医療を行う。
2.医療従事者の過誤がなければ問題にしない。
3.患者や家族からの訴えがなければ検討しない。
4.患者に被害が及ばない事例も含む。
解答4
解説
アメリカは訴訟大国であるという社会環境もあり、医療におけるリスク・マネジメントが高度に発達している。リスク・マネジメントとは、「医療機関の有形および無形の資産の保護」、「患者、訪問者、従業員の傷害からの保護」、「事故の原因や紛争の火だねの検出、分析、対策」および「医療の質をモニター・改善することによる事故や紛争の予防」を目的とするものである(※引用:「医療安全対策委員会答申~医療におけるリスク・マネジメントについて~」日本医師会医療安全対策委員会より)。
1.× 「間違いを起こさない前提」ではなく、医療事故防止・危機管理をもって医療を行う。予測不能なリスクや突発的な事態が生じた場合に、その影響を最小限に抑えるための戦略を立てることもリスクマネジメントのひとつである。
2.× 医療従事者の過誤がない場合でも「問題にする」。なぜなら、患者の問題でもリスクがあるため。ヒヤリハットとは、危ないことが起こったが、幸い災害には至らなかった事象のことである。
3.× 患者や家族からの訴えがない場合でも「検討する」。なぜなら、訴えがない場合でも、1 件の重大事故の裏には、29 件の軽傷事故、300 件の無傷事故(ヒヤリハット)があると言われているため。これをハインリッヒの法則という。
4.〇 正しい。患者に被害が及ばない事例も含む。なぜなら、被害が及ばないうちにリスクマネジメントすることで、医療事故を予防できるため。
医療過誤とは、医療事故のうち医療機関側の人為的ミスによって起こった事例をいう。医療提供者(医師や看護師など)による過失によって引き起こされ、医療提供者が適切な診断や治療を行わなかったり、適切な情報提供や同意取得がなされていない場合に発生することが多い。医療過誤が発生した時、病院側は①刑事責任、②行政責任、③民事責任という3つの責任を負うことになる。①刑事責任とは、医療過誤によって患者が怪我・後遺症を負ったり死亡したりした場合、医療従事者に対して刑事罰を科すこと、②行政責任とは、医療過誤によって患者が怪我・後遺症を負ったり死亡したりした場合、病院側に対して行政処分が下されること、③民事責任とは、医療過誤によって患者が怪我・後遺症を負ったり死亡したりした場合、病院側に損害賠償責任を果たしてもらうことである。
問題40 介護保険制度で正しいのはどれか。
1.要介護認定は保健所に申請する。
2.被保険者は40歳以上である。
3.保険者は都道府県である。
4.自己負担は一律3割である。
解答2
解説
介護保険制度とは、寝たきりや認知症等で常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合や、家事や身支度等の日常生活に支援が必要であり、特に介護予防サービスが効果的な状態(要支援状態)になった場合に、介護の必要度合いに応じた介護サービスを受けることができる。
・第1号被保険者は、65歳以上の者である。
・第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の医療保険加入者である。
【基本理念】
自己決定の尊重
生活の継続
自己支援(残存能力の活用)
(※図引用:みんなの介護)
1.× 要介護認定は、「保健所」ではなく市区町村の窓口に申請する。ちなみに、保健所とは、精神保健福祉・健康・生活衛生など地域保健法に定められた14の事業(主に疾病予防・健康増進・環境衛生などの公衆衛生活動)を中心に行っている。保健所では保健師や精神保健福祉士、医師などが生活面や社会復帰について相談にのってくれる。
2.〇 正しい。被保険者は40歳以上である。第1号被保険者は、65歳以上の者である。第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の医療保険加入者である。
3.× 保険者は、「都道府県」ではなく市町村(特別区を含む)である。
4.× 自己負担は、「一律3割」ではなく、1~3割と収入に応じて異なる。65歳以上の方は1割または一定以上の所得のある場合は2割、特に所得の高い場合は3割となる。40歳から64歳までの方は1割となる。
(※画像引用:「保険給付」日本電子健康保険組合様HPより)