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問題111 足のアーチで正しいのはどれか。
1.横アーチは2歳で完成する。
2.足部骨格配列は上方に隆起した弯曲を示す。
3.外側縦アーチの中心となるのは舟状骨である。
4.内側縦アーチを構成する靱帯として長足底靱帯がある。
解答2
解説
1.× 横アーチは、「2歳」で完成とはいえない(※具体的に、何歳で完成と分かる方がいたらコメントで教えてください)。成長に伴って骨格や筋力が発達し、アーチが形成されていく。一般的に、縦アーチは学童期(約6~8歳頃)にかけて徐々に形成され、完成には思春期までかかることが多い。
2.〇 正しい。足部骨格配列は、上方に隆起した弯曲を示す。なぜなら、上方に隆起した弯曲を示すことで、荷重に対する適応力や衝撃吸収能力を高めることができるため。
3.× 外側縦アーチの中心となるのは、「舟状骨」ではなく立方骨である。
・外側縦アーチは、踵骨・立方骨・第5中足骨からなる。
4.× 「内側縦アーチ」ではなく外側縦アーチを構成する靱帯として長足底靱帯がある。
内側縦アーチ:踵骨・距骨・舟状骨(要石)・内側楔状骨・第1中足骨。
靭帯:底側踵舟靭帯、距踵靭帯、楔舟靭帯、足根中足靭帯など
筋:「土踏まず」を形成し、歩行時の衝撃吸収に重要な役割を持っている。外返しで低くなり、内返しで高くなる。つまり、前・後脛骨筋、長趾・長母趾屈筋、母趾外転筋が内側縦アーチに関与する。
外側縦アーチ:踵骨・立方骨・第5中足骨。
靭帯:長足底靭帯・立方靭帯・足根中足靭帯が関与する。
筋:長・短腓骨筋、小趾外転筋が関与する。
内側縦アーチは、踵骨・距骨・舟状骨・内側楔状骨・第1中足骨からなる。
外側縦アーチは、踵骨・立方骨・第5中足骨からなる。
足根骨部の横アーチは、内側・中間・外側楔状骨、立方骨で形成される。
中足骨頭の横アーチは、第1~第5中足骨で形成される。
問題112 頭部を対側に回旋させるのはどれか。
1.板状筋
2.後頭下筋
3.胸鎖乳突筋
4.脊柱起立筋
解答3
解説
1.× (頭)板状筋の作用は、「片側が働けば頭と頚をその側に回転し、かつその方向に傾ける。両側が同時に働けば頭と頚を後ろに反らせる(背屈)。」である。つまり、頭頸部の伸展、頚部の同側側屈、同側回旋である。
2.× 後頭下筋(大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋)の作用は、頭部の伸展・屈曲・同側回旋する。
3.〇 正しい。胸鎖乳突筋は、頭部を対側に回旋させる。
・胸鎖乳突筋の【起始】胸骨部:胸骨柄前面、鎖骨部:鎖骨の胸骨端、【停止】乳様突起、後頭骨の上項線の外側部、【作用】両側が同時に作用すると首をすくめて顎を突き出す。片側が働けば顔面を対側に回す。吸息の補助、【支配神経】副神経外枝、頸神経叢筋枝(C2,C3)である。
4.× 脊柱起立筋は、腸肋筋、最長筋、棘筋があげられる。腸肋筋(腰腸肋筋、胸腸肋筋、頸腸肋筋)の作用は、①両側が作用すると脊柱を反らせ、肋骨を引き下げる、②片側が働けば体を同側に曲げる。ちなみに、【起始】腸骨稜および仙骨後面、第12~3(4)肋骨の肋骨角上縁、【停止】第12~1肋骨の肋骨角(起始のすぐ外側)および第7~4(3)頸椎の横突起の後結節である。
問題113 立位姿勢が安定するのはどれか。
1.重心が高い。
2.質量が大きい。
3.支持基底が狭い。
4.分節構造をとる。
解答2
解説
ボディメカニクスとは、「body=身体」と「mechanics=機械学」の造語で、人間が動作するときに骨や筋肉、関節が相互にどのように作用するかといった力学的関係を活用したものである。介護を行うときには、介護者の負担の軽減のためにも身につけておきたい。
①重心の高さは、低い方が安定する。
②支持基底面の広さは、広い方が安定する。
③摩擦抵抗の有無は、有った方が踏ん張りが効き安定する。
④支持基底面と重心の距離は、短い方が足腰への負担は少ない。
1.× 重心が高い。
3.× 支持基底が狭い。
4.× 分節構造をとる。
これは、立位姿勢の安定性を低下させる要因である。分節構造の場合、上位がずれて、下位の支持基底面外に重心線が落ちた場合、転倒に至る。これは、だるま落としをイメージするとわかりやすい。
2.〇 正しい。質量が大きいことは、立位姿勢の安定に寄与する。
なぜなら、質量が大きい物体ほど、同じ外力が加わった場合でも、動き出しにくいため。
問題114 正常歩行時の筋活動を測定した図を示す。
前脛骨筋はどれか。
1.A
2.B
3.C
4.D
解答3
解説
(図引用:Eberhart,H. D. et al.:「Human Limbs and their Substitutes」Mc Graw Hill Book Co. Inc 1954より)
1.× Aは、下腿三頭筋である。なぜなら、立脚後期の蹴りだしに寄与するため。
2.× Bは、大腿四頭筋である。なぜなら、立脚前期の衝撃吸収に寄与するため。
3.〇 正しい。Cは、前脛骨筋である。なぜなら、歩行周期の全体で、フットクリアランスの確保のため持続的収縮がみられているため。
4.× Dは、内転筋群である。なぜなら、立脚初期と立脚後期の骨盤の安定に寄与するため。
問題115 正常な10か月の乳児でみられるのはどれか。
1.モロー反射
2.ガラント反射
3.足底把握反射
4.非対称性緊張性頸反射
解答3
解説
1.× モロー反射とは、4~6か月前後に消失する原始反射の一つであり、頭を落下すると、手指を開き上肢を広げる。その後、上肢屈曲位に戻る反射のこと。
2.× ガラント反射とは、児を腹臥位に抱いた状態で、下部胸椎レベルで脊柱の脇を沿うようにこすり下ろすと体幹を同側に傾ける反射をいう。1~2か月頃に消失する。
3.〇 正しい。足底把握反射は、正常な10か月の乳児でみられる(文献によって消失時期はまちまちである。ただし、ほかの選択肢が確実に正常な10か月の乳児ではみられないため、消去法で選択できるようになろう)。
・足底把握反射とは、足趾把握反射ともいい、新生児の母趾球を検者の母指で圧迫すると、全趾が屈曲する反射である。3 ヵ月ごろから弱くなり、9 ヵ月ごろには消失。(12 ヵ月とするものもある)
4.× 非対称性緊張性頸反射とは、背臥位にした子どもの顔を他動的に一方に回すと、頸部筋の固有感覚受容器の反応により、顔面側の上下肢が伸展し、後頭側の上下肢が屈曲する。生後4~6か月には消失する。