第33回(R7年)柔道整復師国家試験 解説【午前76~80】

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問題76 交感神経で支配されるのはどれか。

1.上眼瞼挙筋
2.瞳孔括約筋
3.瞳孔散大筋
4.毛様体筋

解答

解説
1.× 上眼瞼挙筋は、動眼神経支配である。
・上眼瞼挙筋は、開眼運動に寄与する。上眼瞼挙筋が収縮すると、腱膜に引っ張られるようにして瞼板が持ち上がりまぶたを開く。ち

2.× 瞳孔括約筋は、副交感神経支配筋であり、アセチルコリンで瞳孔は収縮(縮瞳)する。

3.〇 正しい。瞳孔散大筋は、交感神経で支配される。
・瞳孔散大筋は、交感神経の支配を受けており、ノルアドレナリンの作用で収縮する。逆の働きをする瞳孔括約筋が副交感神経支配筋であり、アセチルコリンで瞳孔は収縮(縮瞳)する。

4.× 毛様体筋は、副交感神経支配である。
・毛様体筋は、眼の遠近調節を行う筋である。【近くを見るとき】毛様体筋が収縮すると、毛様体小帯の緊張が低下し、水晶体が厚みを増して丸みを帯びる。これにより、屈折力が強くなり、近くの物体が焦点に合うようになる。【遠くを見るとき】毛様体筋が弛緩すると、毛様体小帯の緊張が高まり、水晶体が平坦になる。これにより、屈折力が弱まり、遠くの物体が焦点に合うようになる。

 

 

 

 

 

問題77 骨で触知できないのはどれか。

1.坐骨棘
2.坐骨結節
3.恥骨結節
4.上前腸骨棘

解答

解説


1.× 坐骨棘は、触知できない。なぜなら、坐骨棘は、骨盤の深部に位置する突起であるため。

2.〇 坐骨結節は触知できる。坐骨結節は、坐骨の下方にある大きく丸みを帯びた隆起で、座ったときに体重を支える部分である。

3.〇 恥骨結節は触知できる。恥骨結節は、恥骨の上縁にある小さな突起で、鼡径靭帯の内側端が付着する場所である

4.〇 上前腸骨棘は触知できる。上前腸骨棘は、腸骨の前方上端にある突起である。

 

 

 

 

 

問題78 聴診三角と腰三角の両方の構成に関わるのはどれか。

1.外腹斜筋
2.大菱形筋
3.広背筋
4.僧帽筋

解答

解説

MEMO

①聴診三角とは、広背筋上縁と肩甲骨内側縁と僧帽筋外側縁からなる三角形である。筋層が薄いために呼吸音が明瞭に聞こえる。

②腰三角は、腹部の下背部に存在する三角形。
・前縁:外腹斜筋
・後縁:広背筋
・下縁:腸骨稜

1.× 外腹斜筋は、腰三角を構成する。外腹斜筋の【起始】第5(6)~12肋骨の外面、【停止】腱膜は腹直筋鞘の前葉に入って白線に終わる。鼠経靭帯、恥骨稜、最後部:腸骨稜外唇。【作用】肋骨の引き下げ、脊柱の屈曲、骨盤の引き上げ、また脊柱を同時に曲げ、上体を対側に回す。腹圧を高め、腹式呼吸のとき呼息を行う。

2.× 大菱形筋の【起始】第2~4胸椎の棘突起および棘上靭帯、【停止】肩甲骨内側縁(肩甲棘より下部)、【作用】肩甲骨を上内方に引く、【神経】肩甲背神経である。

3.〇 正しい。広背筋は、聴診三角と腰三角の両方の構成に関わる。
・広背筋の【起始】第6~8胸椎以下の棘突起、腰背腱膜、腸骨稜、第(9)10~12肋骨および肩甲骨下角、【停止】上腕骨の小結節稜、【作用】肩関節内転、伸展、多少内旋である。

4.× 僧帽筋は、聴診三角を構成する。僧帽筋の【起始】後頭骨上項線、外後頭隆起、項靭帯、第7頸椎以下全胸椎の棘突起および棘上靭帯、【停止】肩甲骨の肩甲棘と肩峰の上縁および鎖骨外側1/3(三角筋の起始範囲とほぼ同じ)、【作用】上部:肩甲骨と鎖骨の肩峰端を内上方にあげる。中部:肩甲骨を内側に引く。下部:肩甲骨を内下方に引き下げると同時にその下角を外側に回旋する、【神経】副神経(外枝)と頸神経叢の筋枝である。

 

 

 

 

 

問題79 三角筋胸筋溝を通るのはどれか。

1.尺側皮静脈
2.橈側皮静脈
3.上腕静脈
4.腕頭静脈

解答

解説

三角筋胸筋溝とは?

三角筋胸筋溝とは、大胸筋上縁と三角筋前縁との境にある溝のことである。橈側皮静脈が上行し、鎖骨の深部を通り、腋窩静脈にそそぐ。

1.× 尺側皮静脈は、前腕の尺側から始まり、上腕の内側を走行する。

2.〇 正しい。橈側皮静脈は、三角筋胸筋溝を通る。橈側皮静脈は、前腕の橈側から始まり、上腕の外側を上行し、この三角筋胸筋溝を通過して深部の腋窩静脈に合流する。

3.× 上腕静脈は、上腕の深部に位置する深部静脈で、上腕動脈に伴走する。

4.× 腕頭静脈は、上腕から頭部にかけての血液を集めて心臓に戻す大きな静脈で、胸腔内に位置する。

 

 

 

 

 

問題80 触知できないのはどれか。

1.膝窩動脈
2.足背動脈
3.大腿動脈
4.閉鎖動脈

解答

解説

(※図引用、一部改変:「動脈蝕知」イラストAC様より)

1.〇 膝窩動脈は、膝の裏側、特に膝窩の中央を深く触れることできる。

2.〇 足背動脈は、足の甲を走行する動脈で、足首からつま先にかけての真ん中あたりを指で触れることができる。

3.〇 大腿動脈は、鼠径部を通過して大腿に入る太い動脈である。鼠径靭帯の中央よりやや内側(大腿三角内)を深く圧迫することで、大腿動脈の強い拍動を感じることができる。

4.× 閉鎖動脈は、触知できない。なぜなら、閉鎖動脈は、骨盤腔の内部に位置し、閉鎖孔を通るため。

 

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