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問題16.マッサージの効果でないのはどれか。
1.リンパ流の減少
2.組織血液量の増加
3.疼痛閾値の上昇
4.筋緊張の緩和
解答1
解説
ゲートコントロール理論とは、高頻度刺激によって、脊髄の触・圧・振動覚などの低閾値感覚を伝える太い神経線維を刺激することで、脊髄後角の感覚神経を活性化させ、痛みの信号通路のゲートを閉ざし疼痛を抑制させる理論である。脳と脊髄は痛みやその他の接触刺激などを同時に感じ取らないように働いているため、このような理論が提唱されている。
1.× リンパ流の減少は、マッサージの効果でない。むしろ、マッサージによって促進される(リンパドレナージ)。なぜなら、マッサージにより、皮下組織や筋膜が伸展・圧迫を繰り返すことで、リンパ管内圧が上昇し、リンパ液が中枢方向(心臓方向)に流れやすくなるため。
2.〇 組織血液量の増加は、マッサージの効果である。なぜなら、機械的刺激による血管拡張や局所温度上昇が起こり、毛細血管循環が改善されるため。
3.〇 疼痛閾値の上昇は、マッサージの効果である。なぜなら、皮膚や筋への圧刺激が「ゲートコントロール理論」に基づき、痛覚伝達を抑制するため。触覚神経が優先的に刺激されることで、脊髄後角で痛み信号の伝達がブロックされる。
・閾値とは、感覚や反応や興奮を起こさせるのに必要な、最小の強度や刺激などの(物理)量である。したがって閾値が高いと(上がると)、 感覚を感じにくくなることをさす。
4.〇 筋緊張の緩和は、マッサージの効果である。なぜなら、マッサージにより、筋内の血流改善・代謝促進・神経反射抑制が起こり、副交感神経が優位になるため。これにより筋硬直が軽減し、柔軟性が向上する。
問題17.物理療法で正しいのはどれか。
1.関節リウマチ患者の腫脹関節にホットパックを行った。
2.観血的整復固定術後の骨折部位にジアテルミーを行った。
3.高度の血行障害により安静時痛がある足部にホットパックを行った。
4.関節可動域訓練の前に渦流浴を行った。
解答4
解説
関節リウマチは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。関節リウマチの有病率は0.5~1.0%とされる。男女比は3:7前後、好発年齢は40~60歳である。
【症状】
①全身症状:活動期は、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹、朝のこわばりなどの全身症状が出現する。
②関節症状:関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発する(小関節)。
③その他:リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤である。内臓病変は、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれる。
【治療】症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせる。
(※参考:「関節リウマチ」厚生労働省HPより)
1.× 関節リウマチ患者の腫脹関節に、ホットパックは「禁忌である」。なぜなら、温熱刺激により血流が増加すると、炎症性サイトカインの拡散が促進され、腫脹・疼痛が増悪する危険があるため。
2.× 観血的整復固定術後の骨折部位に、ジアテルミーは「禁忌である」。なぜなら、ジアテルミー(短波・極超短波などの電磁波治療)は、金属が存在すると局所的に熱が集中(ジュール熱)して、組織損傷や火傷の危険があるため。
3.× 高度の血行障害により安静時痛がある足部に、ホットパックは「禁忌である」。なぜなら、血行障害によって血管反応が障害されており、温熱刺激により皮膚損傷を起こす危険があるため。例えば、下肢の動脈硬化で安静時にも痛みがある患者にホットパックを使用すると、皮膚血流が十分に増加せず、局所的に熱がこもり熱傷を起こすことがある。
・温熱療法の禁忌は、①急性炎症、②悪性腫瘍、③感覚障害と意識障害、④出血傾向、⑤循環障害・動脈硬化などである。
4.〇 正しい。関節可動域訓練の前に、渦流浴を行った。なぜなら、渦流浴は、温熱と水流刺激により筋緊張を緩和し、疼痛を軽減、関節や軟部組織の伸張性を高める効果があるため。渦流浴後(温熱療法後)に関節可動域訓練を行うと、拘縮予防・可動域改善がより効果的になる。
①組織の粘弾性の改善
②局所新陳代謝の向上
③循環の改善
慢性的な疼痛に対する温熱療法の生理学的影響として、血行の改善によるケミカルメディエーター(痛み物質)の除去、二次的な筋スパズムの軽減、疼痛閾値の上昇などがある。
問題18.片麻痺患者のADL指導で正しいのはどれか。
1.車いすからベッドに移るときは麻痺側がベッドに接する方向で近づく。
2.更衣は麻痺側から着て非麻痺側から脱ぐ。
3.階段を昇るときは麻痺側下肢から上げる。
4.浴槽に入るときは麻痺側下肢から入る。
解答2
解説
①非麻痺側がベッド側となるよう車椅子を斜めにベッドにつける。
②介助者は患者の動作の邪魔にならず、バランスを崩してもすぐに手が出せる前方ややや斜めの位置に立ち、見守る。
③介助バーは、ベッド移乗時に非麻痺側の手で利用できる側につける。
1.× 車いすからベッドに移るときは、「麻痺側」ではなく非麻痺側がベッドに接する方向で近づく。なぜなら、非麻痺側は、支持性・操作性が高いため。したがって、体重を支えピボット動作が安全に行える。
2.〇 正しい。更衣は、麻痺側から着て、非麻痺側から脱ぐ。なぜなら、麻痺側は動かしにくいため。着衣時には、先に袖や足を通しておくことで動作がスムーズになる。一方、脱ぐときは、まず動かしやすい非麻痺側を脱ぐことで、衣服を引っ張らず安全に脱ぐことができる。
3.× 階段を昇るときは、「麻痺側下肢」ではなく非麻痺側下肢から上げる。なぜなら、非麻痺側は支持力が強いため。非麻痺側を上げることで、体重を持ち上げることができる。
4.× 浴槽に入るときは、「麻痺側下肢」ではなく非麻痺側下肢から入る。なぜなら、非麻痺側が先に浴槽内に入ることで、体を安定させ、麻痺側を後から安全に持ち上げやすくなるため。また、非麻痺側は、感覚障害を伴いやすく熱傷(火傷)のリスクも抑えられる。
問題19.脊椎側弯症に対する装具はどれか。
1.ナイト型装具
2.ミルウォーキーブレース
3.テイラー型装具
4.ウィリアムズ型装具
解答2
解説
1.× ナイト型装具(腰仙椎装具)は、腰椎前屈・後屈の制限を目的とする。後方に胸椎バンドと骨盤帯があり、後方・側方支柱と腹部のパッドで固定している。腰椎疾患(腰椎椎間板ヘルニア、脊椎分離症、圧迫骨折など)に用いられる。
2.〇 正しい。ミルウォーキーブレースは、脊椎側弯症に対する装具である。
・Milwaukee装具(ミルウォーキー型装具)とは、骨盤ガードルと頚部を支持するネックリングを金属支柱で連結して、側弯症に適応となる装具である。第7胸椎以上の高さで適応となる。脊柱の側弯の矯正のために胸椎パッドをつける。
3.× テイラー型装具(胸腰仙椎装具)は、胸部から仙椎までの可動域を制限する装具である。胸椎圧迫骨折や変形性脊椎症、円背が適応となる。
4.× ウィリアムズ型装具は、脊柱管狭窄症に最も適した装具である。腰仙椎の過度な後屈および側屈を制限する目的で使用する。
問題20.二次的に血管れん縮を生じる危険が高い疾患はどれか。
1.アテローム血栓性脳梗塞
2.心原性脳塞栓症
3.ラクナ梗塞
4.くも膜下出血
解答4
解説
血管攣縮とは、くも膜下出血後2日~2-3週間までの期間に起こる現象で、脳の血管が収縮して血流が悪化することをいう。その結果、四肢の運動麻痺や意識障害の増悪などが生じることがある。
1.× アテローム血栓性脳梗塞とは、比較的太い脳の血管で起こる動脈硬化が原因の脳梗塞をいう。血栓溶解薬の投与や外科的処置(血管内膜剥離)によって治療が行われる。
2.× 心原性脳塞栓症とは、心臓内でできた血栓が脳の血管を閉塞して起こる脳梗塞である。 脳梗塞の中で 20~25%を占めており、他のタイプの脳梗塞と比較して前触れなく突然発症し、梗塞巣が広範囲で重症になりやすい。血栓ができる原因としては、心房細動が最も頻度が高く心原性脳塞栓症の約 7 割以上を占めており、その他には洞不全症候群、人工弁、発症4週間未満の急性心筋梗塞、心筋症などがある。
3.× ラクナ梗塞とは、細い脳動脈穿通枝の閉塞のことである。原因は、高血圧・脂質異常症・糖尿病などがある。
4.〇 正しい。くも膜下出血は、二次的に血管れん縮を生じる危険が高い疾患である。
・くも膜下出血とは、くも膜と呼ばれる脳表面の膜と脳の空間(くも膜下腔と呼ばれ、脳脊髄液が存在している)に存在する血管が切れて起こる出血である。くも膜下出血ではくも膜下腔に血液が流入し、CTでは高吸収域として抽出される。合併症には、①再出血、②脳血管攣縮、③正常圧水頭症などがある。①再出血:発症後24時間以内が多く、死亡率も高い。②脳血管攣縮:72時間後〜2週間後(ピークは8〜10日)が多く、脳血管攣縮による梗塞の好発部位は、「前交通動脈」である。③正常圧水頭症:数週〜数ヶ月後に認知症状、尿失禁、歩行障害などの症状が出現する。
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