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問題46.縫合で誤っているのはどれか。
1.縫合糸は材料により天然と合成の2種類がある。
2.合成糸は組織反応が強い。
3.抜糸の時期は縫合部位により異なる。
4.縫合部に感染が生じたら直ちに抜糸する。
解答2
解説
1.〇 正しい。縫合糸は、材料により天然と合成の2種類がある。
①天然糸は、 絹糸(シルク)、腸線などで構成されている。
【特徴】扱いやすいが、生体反応(異物反応)が強い。感染リスクが高い。
②合成糸は、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリグリコール酸などで構成されている。
【特徴】耐久性や生体適合性が良く、近年主流となっている。
2.× 合成糸は、組織反応が「弱い(天然素材:絹糸、腸線などに比べて)」。なぜなら、合成高分子材料(ポリグリコール酸、ポリジオキサノンなど)は、生体適合性が高いため。したがって、天然素材(絹糸、腸線など)に比べて炎症反応や感染のリスクが少ない。
3.〇 正しい。抜糸の時期は、縫合部位により異なる。抜糸の時期は顔面の方が体幹部より早い。なぜなら、顔面は血行が良く、治癒が早いため。一般的に、顔面の抜糸は手術後5~7日程度で行われ、体幹部や四肢の抜糸は7~14日程度後に行われる。
4.〇 正しい。縫合部に感染が生じたら直ちに抜糸する。なぜなら、感染によって創部に膿がたまると、縫合糸が排膿を妨げ、膿瘍形成や創離開を悪化させるため。縫合糸を残したままだと膿が抜けず、創治癒が遅れる。
問題47.腰椎麻酔に伴う合併症で正しいのはどれか。
1.悪性高熱症
2.頭痛
3.気管支けいれん
4.誤嚥性肺炎
解答2
解説
1.× 悪性高熱症とは、通常は脱分極性筋弛緩薬と強力な揮発性の吸入全身麻酔薬の併用に対する代謝亢進反応により生じる体温上昇である。全身麻酔薬の使用中に発症し、急激な体温上昇や異常な高熱・頻脈・筋硬直・ミオグロビン尿などを特徴とする。遺伝性があるため、術前に家族歴や既往を聴取することが重要である。治療としては麻酔の中止、ダントロレン投与、全身冷却などを行う。
2.〇 正しい。頭痛(硬膜穿刺後頭痛)は、腰椎麻酔に伴う合併症である。なぜなら、腰椎麻酔では硬膜を穿刺してくも膜下腔に針を進めるため。したがって、穿刺孔から髄液が漏出し、髄液圧が低下し、脳や髄膜が牽引され、頭痛が生じる。硬膜穿刺後頭痛を予防するため、手術当日のケアとして、仰向け(2時間程度)とする。
3.× 気管支けいれんは、全身麻酔下の挿管刺激や吸入薬によるアレルギー反応などで誘発されることが多い。喘息患者に対して全身麻酔を行い、挿管時に気道刺激で喘息発作様のけいれんが起こることがある。
4.× 誤嚥性肺炎は、意識消失・咽頭反射の低下を伴う全身麻酔で発生することが多い。
・誤嚥性肺炎とは、口腔内常在菌が食物の誤嚥とともに肺の中へ流れ込んで生じる肺炎のことである。原因は、①嚥下機能自体の低下、②寝たきり状態などによるADL(日常生活活動)の低下、③食物がスムーズに食道へ進めない状態などで、口腔内に長時間食物が存在してしまう状況などが挙げられる。
問題48.移植臓器で使用されないのはどれか。
1.肝
2.腎
3.副腎
4.小腸
解答3
解説
1.× 肝は、移植臓器が可能である。なぜなら、肝臓は再生能力が非常に高く、肝臓は他者に移植しても機能するため。肝不全(劇症肝炎・肝硬変・肝癌など)では、他に根本的治療法がなく、肝移植が唯一の根治療法である。
2.× 腎は、移植臓器が可能である。なぜなら、腎臓は、他者に移植しても機能するため。末期腎不全(透析療法が必要な状態)に対する唯一の根治療法が腎移植である。
3.〇 正しい。副腎は、移植臓器で使用されない。なぜなら、副腎は、ホルモン産生臓器であり、移植後にホルモン分泌が正常に維持されないうえ、拒絶反応や機能再建が困難であるため。
4.× 小腸は、移植臓器が可能である。なぜなら、小腸は、他者に移植しても機能するため。広範な小腸切除などで経腸栄養が不可能となる「短腸症候群」などでは、腸移植が唯一の根治療法となる。
副腎とは、腎臓の上端に位置する臓器でホルモンを分泌する役割を担っている。副腎髄質から、①アドレナリン、②ノルアドレナリン、③ドーパミンがあり、これらを総称してカテコールアミンという。コルチゾールは、血糖値の上昇や脂質・蛋白質代謝の亢進、免疫抑制・抗炎症作用、血圧の調節など、さまざまな働きがあるが、過剰になるとクッシング症候群、不足するとアジソン病を引き起こす。
①球状帯:電解質コルチコイド(アルドステロン)を産生する。皮膜直下の薄い層で、皮質細胞が球状の塊を形成する。
②束状帯:糖質コルチコイド(コルチゾール)を産生する。最も厚い層で、細胞は縦に並び、細胞索を形成する。その間を洞様毛細血管が髄質に向かって走行する。
③網状帯:アンドロゲンを産生する。皮質の最深部で、網状をなす細胞索からなる。
問題49.内出血はどれか。
1.下血
2.血尿
3.皮下出血
4.鼻出血
解答3
解説
内出血とは、皮膚の下や体内の血管が破れて血液が組織内に漏れ出した状態を指す。
例:脳出血、血胸、腹腔内出血など。
外出血とは、血液が血管から流れ出て体外(皮膚の外や粘膜の表面など)に直接漏れ出す状態を指す。
例:吐血、喀血、鼻出血、外傷による出血など。
1.× 下血は、「外出血」である。
・下血とは、肛門から黒い血が出ることである。原因は、上部消化管、つまり食道、胃、十二指腸などの上部小腸からの出血である。
2.× 血尿は、「外出血」である。
・血尿とは、尿に血液が混ざっている状態を指す。主な原因として、悪性腫瘍や結石、膀胱炎などの炎症、腎臓の内科的な病気などが考えられる。
3.〇 正しい。皮下出血は内出血である。
・皮下出血とは、血管から流れ出た血が皮膚の中にたまり皮膚が紫色や青黒いあざになる状態をいう。 紫斑とも呼ぶ。捻挫や打ち身が原因であることが多い。
4.× 鼻出血は、「外出血」である。
・鼻出血とは、鼻血のことを指す。鼻の粘膜が何らかの原因で傷つくことで出血する。
問題50.ショック状態にある原疾患と治療法との組合せで正しいのはどれか。
1.心タンポナーデ:胸腔穿刺
2.緊張性気胸:心嚢穿刺
3.汎発性腹膜炎:輸液
4.骨盤骨折:動脈塞栓術
解答3
解説
1.× 心タンポナーデは、「胸腔穿刺」ではなく心嚢穿刺が治療となる。なぜなら、心タンポナーデは、心膜腔(心嚢腔)に血液や液体が貯留し、心臓の拡張が妨げられて心拍出量が低下する状態であるため。
・心タンポナーデとは、心臓を包んでいる2層の膜(心膜)の間に体液などの血液が貯留し、心臓が圧迫される。その結果、血液を送り出す心臓のポンプ機能が阻害され、 典型的にはふらつきや息切れを感じ、失神することもある。心膜腔に大量の血液が貯留し、著明な心室拡張障害から静脈還流障害が生じ、血圧低下およびショック状態に至る病態である。開心術後の合併症として生じ得る。根本的治療は心嚢穿刺(またはドレナージ)である。
2.× 緊張性気胸は、「心嚢穿刺」ではなく胸腔穿刺が治療となる。なぜなら、緊張性気胸は、胸腔内に空気が貯留して内圧が上昇し、肺が虚脱・縦隔が圧迫されて静脈還流が障害される状態であるため。
・胸腔穿刺とは、針を刺して胸腔内の空気を逃がすことができる。また、悪性腫瘍、肺炎、結核、心不全などさまざまな病態で胸水が貯留し、その原疾患の診断のために胸水を採取することも可能である。
・緊張性気胸とは、胸壁と肺との間に空気がたまることで胸部への圧力が高まり、心臓に戻る血液が減少することである。症状には、胸痛、息切れ、速い呼吸、心拍数の増加などがあり、ショックに至ることがある。
3.〇 正しい。汎発性腹膜炎:輸液
なぜなら、腹膜炎では感染と炎症により大量の体液が腹腔内に漏出し、循環血液量が減少してショックに陥るため。したがって、まず大量輸液で循環を維持し、酸素投与や抗菌薬投与を行い、原因病変(穿孔など)を外科的に処置する。
・汎発性腹膜炎とは、内臓の炎症が腹膜に及ぶことが原因で起こる腹膜炎の一つで、腹腔全体に炎症が急激に広がっている状態を指す。多くの原因は、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸など消化管の壁に穴が開いた消化管穿孔という状態で、内容物が腹腔内に漏れて広がっておこることである。
4.× 骨盤骨折は、「動脈塞栓術」ではなく輸液が治療となる。なぜなら、骨盤骨折に伴う出血性ショックでは、まず輸液・輸血などで循環を維持する必要があるため。その後、出血源が明らかであれば止血(骨盤圧迫)を行う(優先度は低いが、動脈塞栓術も検討候補のひとつである。)
国試オタク 