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問題56.歩行異常と原因との組合せで正しいのはどれか。
1.分回し歩行:先天性股関節脱臼
2.トレンデレンブルグ歩行:腰部脊柱管狭窄症
3.間欠性跛行:変形性股関節症
4.はさみ状歩行:両下肢痙性麻痺
解答4
解説
1.× 分回し歩行は、「先天性股関節脱臼」ではなく片麻痺(脳卒中など)にみられる。
・分回し歩行とは、下肢の麻痺によって、足関節の底背屈がうまくできないために、つま先を外に向けて脚を伸ばした状態で外側に振り回して遊脚する歩行である。
2.× トレンデレンブルグ歩行は、「腰部脊柱管狭窄症」ではなく先天性股関節脱臼にみられる。
・動揺歩行(トレンデレンブルグ歩行やアヒル歩行)は、肢帯筋の筋力低下(中殿筋の筋力低下やDuchenne型筋ジストロフィー)で起こる。
・先天性股関節脱臼とは、生下時の女児(0~1歳)におこる股関節の脱臼などの状態である。現在では、先天性股関節脱臼のことを発育性股関節形成不全と呼ぶ傾向にある。変形性股関節症の原因となることが多い。片側に発症することが多く、リーメンビューゲル装具(アブミ式吊りバンド)で開排(屈曲・外転)肢位にして治療する。リーメンビューゲル装具で改善しない場合、牽引療法を、さらに治療が困難な場合は、観血的整復術や補正手術を検討する。
3.× 間欠性跛行は、「変形性股関節症」ではなく腰部脊柱管狭窄症にみられる。
・間欠性跛行とは、歩行を続けると下肢の痛みと疲労感が強くなり、足を引きずるようになるが、休むと再び歩けるというものである。「体幹前傾」ではなく休むと改善する。
4.〇 正しい。はさみ状歩行:両下肢痙性麻痺
・はさみ状歩行とは、痙性歩行ともいい、膝を伸ばしたまま振り出す歩行である。上位運動ニューロン障害にみられる。
問題57.成長ホルモン分泌不全でみられるのはどれか。
1.四肢短縮
2.関節弛緩
3.二次性徴遅延
4.骨端早期閉鎖
解答3
解説
成長ホルモンとは、下垂体前葉から合成・分泌されるホルモンで、成長促進作用や代謝作用などの作用がある。
1.× 四肢短縮は、骨端軟骨自体の形成異常(骨形成不全症・軟骨無形成症など)でみられる所見である。
2.× 関節弛緩は、結合組織異常(マルファン症候群)でみられる所見である。
・マルファン症候群とは、遺伝性疾患で、全身の結合組織の働きが体質的に変化しているために、骨格の症状(高身長・細く長い指・背骨が曲がる・胸の変形など)、眼の症状(水晶体(レンズ)がずれる・強い近視など)、心臓血管の症状(動脈がこぶのようにふくらみ、裂けるなど)などを起こす病気である。つまり、全身の結合組織がもろくなるため、大動脈癌や大動脈解離を生じやすい。
3.〇 正しい。二次性徴遅延は、成長ホルモン分泌不全でみられる。なぜなら、成長ホルモンは、性ホルモン(エストロゲン・テストステロン)と相互作用するため。成長ホルモン分泌不全(下垂体性小人症)は、成長ホルモン分泌の欠乏により全身の骨・筋の発育が均等に低下する。
4.× 骨端早期閉鎖は、性ホルモン(特にエストロゲンやアンドロゲン)の過剰で起こる現象である。したがって、成長ホルモン分泌不足では、骨端はむしろ閉鎖が遅れる。
問題58.発症1日目の乳児化膿性股関節炎の所見はどれか。
1.患肢を動かさない。
2.ガワーズ徴候がある。
3.アリス徴候がある。
4.単純エックス線検査で骨膜反応がみられる。
解答1
解説
乳児化膿性股関節炎とは、細菌感染で赤ちゃんの股関節に膿がたまり、強い炎症を起こす病気である。症状として、発熱、足を動かさない、触ると泣くなどが見られる。治療は、放置すると関節が壊れるため、抗菌薬や排膿による早期治療が重要である。
1.〇 正しい。患肢を動かさない。なぜなら、化膿性股関節炎では、関節内に膿が貯留し、関節包が急激に膨張して強い疼痛を生じるため。
2.× ガワーズ徴候があるのは、「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」である。
・Gowers(ガワーズ)徴候(登はん性起立)は、床から起立する時、まず床に手をついて、お尻を高くあげ、次にひざに手をあてて、手の力を借りて立ち上がる。デュシェンヌ型筋ジストロフィーでみられる。
3.× アリス徴候があるのは、「先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)」である。
・アリス徴候とは、背臥位で両膝を屈曲しながら、股関節を屈曲して両下腿をそろえ、左右の膝の高さを比べる診察法である。膝の高さに差があるときに陽性と診断し、股関節脱臼を疑う。これは、股関節の脱臼が生じると大腿骨頭が寛骨臼の後方に位置するため、左右差が生じる。一方、両側脱臼例や下肢に骨性の短縮が存在する症例の場合、有効ではないため注意が必要である。
4.× 単純エックス線検査で骨膜反応は「みられない」。なぜなら、骨膜反応は、骨への炎症波及や骨髄炎の所見である。したがって、乳児化膿性股関節炎は、発症から数日〜1週間以上経過してからみられる。
・骨膜反応とは、悪性骨腫瘍による骨膜の刺激や、腫瘍の増殖に伴った骨膜の持ち上がりを呼ぶ。疲労骨折、骨髄炎、好酸球性肉芽腫などでも認められる。
問題59.関節リウマチの関節外症状でないのはどれか。
1.骨粗鬆症
2.心膜炎
3.満月様顔貌
4.間質性肺炎
解答3
解説
関節リウマチは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。関節リウマチの有病率は0.5~1.0%とされる。男女比は3:7前後、好発年齢は40~60歳である。
【症状】
①全身症状:活動期は、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹、朝のこわばりなどの全身症状が出現する。
②関節症状:関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発する(小関節)。
③その他:リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤である。内臓病変は、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれる。
【治療】症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせる。
(※参考:「関節リウマチ」厚生労働省HPより)
1.〇 骨粗鬆症は、関節リウマチの関節外症状である。なぜなら、慢性炎症性サイトカインによって骨吸収が促進され、全身性に骨密度が低下するため。
2.〇 心膜炎は、関節リウマチの関節外症状である。なぜなら、全身性の自己免疫疾患で、滑膜以外にも心膜・胸膜・血管・肺などに炎症を起こすため。
3.× 満月様顔貌は、関節リウマチの関節外症状でない。満月様顔貌は、副腎皮質ステロイド薬を大量に長期間服用したときや、クッシング症候群でみられる特徴的な顔貌である。
・満月様顔貌とは、顔に脂肪が沈着して満月のように丸くなった状態のことである。ムーンフェイスともいう。 副腎皮質ホルモンの過剰分泌、もしくは副腎皮質ホルモン製剤の過剰投与によって引き起こされる。
4.〇 間質性肺炎は、関節リウマチの関節外症状である。なぜなら、自己免疫反応が肺間質にも波及し、慢性の線維化性変化を起こすため。
問題60.痛風の症状で誤っているのはどれか。
1.急性関節炎
2.腱鞘滑膜炎
3.朝のこわばり
4.皮下結節
解答3
解説
痛風とは、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気である。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。男性に頻発する単関節炎で、下肢、特に第1中足趾関節に好発する。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生され、代謝異常があると尿酸の産生過剰・排泄障害が生じ高尿酸血症となる。高尿酸血症は痛風や腎臓などの臓器障害を引き起こすほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣を合併しやすい。
1.〇 急性関節炎(痛風発作)は、痛風の症状である。なぜなら、痛風は、尿酸ナトリウム結晶が関節内に沈着し、白血球がこれを貪食して炎症反応を起こすため。
2.〇 腱鞘滑膜炎は、痛風の症状である。なぜなら、尿酸結晶は関節内だけでなく、腱や腱鞘、滑液包(滑液の袋)などの結合組織にも沈着するため。
3.× 朝のこわばりは、痛風の症状ではない。主に、関節リウマチにみられる。
4.〇 皮下結節(痛風結節)は、痛風の症状である。なぜなら、尿酸結晶が皮下組織に沈着し、異物反応によって硬い結節(痛風結節)を形成するため。
・痛風結節とは、痛風発作を治療せずに放置しておくと体内の尿酸が異常に多い状態が続き、手足の関節部付近や耳などに尿酸の塊が沈着してくることである。痛風により疼痛を伴う原因は、急性痛風関節炎(痛風発作)で、つまり関節の炎症により生じる。
国試オタク 