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問題41.疾患と尿所見との組合せで誤っているのはどれか。
1.前立腺肥大症:乏尿
2.尿管結石:血尿
3.急性腎盂腎炎:膿尿
4.ネフローゼ症候群:蛋白尿
解答1
解説
健常者の尿は、1日に8回程度で、1,000~1,500mL程度である。尿は、生体内代謝産物を排泄するため、腎臓で血液が濾過され作られる。健康人では体重1kgあたり、1時間に約1mLの尿が排泄されるとされている。膀胱は通常100~150mLで最初の尿意(初発尿意)を感じる。
・希尿:日中に3回以下。尿量は関係ない。
・頻尿:日中に8回以上。尿量は関係ない。
・無尿:100mL/日以下
・乏尿:400mL/日以下
・多尿:3,000mL/日以上
・正常な1日の尿量:1.000~1500mL/日
1.× 前立腺肥大症は、「乏尿」ではなく排尿困難や残尿、尿閉がみられる。
・前立腺肥大症とは、男性の膀胱の隣にある前立腺という臓器が大きくなっている状態で、排尿症状や蓄尿症状、排尿後症状などが現れる。原因ははっきりと断定できていないが、男性ホルモンの関与が指摘されている。また、肥満や高血圧、高血糖、脂質異常症なども関係があるといわれている。
・乏尿とは、尿量が少ない状態である。原因は、脱水や出血による水分不足などで起こる。
2.〇 正しい。尿管結石:血尿
なぜなら、尿管結石により、尿路粘膜を機械的に損傷・出血し血尿となるため。
・尿路結石症とは、尿路に、結石(尿に含まれるカルシウム・シュウ酸・リン酸・尿酸などが結晶化したもの)ができる病気である。結石のできる位置によって、腎結石(腎臓内にある結石) 、尿管結石、膀胱結石などと呼ばれる。結石ができる原因は明確に分かっていないが、リスク要因としては体質遺伝の他、生活習慣が大きく関わっているとされている。典型的な最初の症状は脇腹から下腹部にかけての突然の激痛である。 「動くと痛い」というのは結石の症状ではなく筋肉や骨からの症状のことが多いが、尿管結石の場合はじっとしていてももだえるほどの症状が出ることがある。 また、結石によって閉塞した部位の中枢側の尿路が拡張し、腰背部の仙痛発作が起こる。治療としては、①体外衝撃波腎・尿管結石破砕術、②経尿道的尿路結石除去術、③経皮的尿路結石除去術(もしくは②と③を同時に併用する手術)などがあげられる。
3.〇 正しい。急性腎盂腎炎:膿尿
・膿尿とは、尿中に白血球が混じって肉眼でも白色に濁っている状態を指す。泌尿器系の疾患(尿路感染症や腎盂腎炎)のサインである(※読み:のうにょう)。
4.〇 正しい。ネフローゼ症候群:蛋白尿
・ネフローゼ症候群とは、尿から大量の蛋白が漏れ出す(蛋白尿)ことで血液中の蛋白が減少、血液の浸透圧が低下し水分が血管内から血管外へ移動することで、全身の浮腫や腹水・胸水などを引き起こすものである。小児の治療として、ステロイド治療により改善することが多い。ネフローゼ症候群に対する食事に関しては、蛋白尿が陽性の間は減塩食にする。一般的に水分の制限は必要ないとされており、その理由は水分制限による脱水や血栓症の危険性が増加するためである。
尿路感染症は、感染診断名としては、①腎盂腎炎と②膀胱炎とに分けられる。一方で、その病態による一般的分類法として尿路基礎疾患のある・なしで、複雑性と単純性とに分ける。頻度として多い女性の急性単純性膀胱炎は外来治療の対象である。急性単純性腎盂腎炎は高熱のある場合、入院が必要なこともある。複雑性尿路感染症は、膀胱炎、腎盂腎炎とも、症状軽微な場合、外来治療が原則であるが、複雑性腎盂腎炎で尿路閉塞機転が強く高熱が認められるものでは、入院の上、腎瘻造設などの外科的ドレナージを要することもある。それら病態を見極めるための検査として、画像診断(超音波断層、静脈性腎盂造影、X線CTなど)が必要となる。感染症としての診断には、適切な採尿法による検尿で膿尿を証明すること、尿培養にて原因菌を同定し
薬剤感受性を検査することが基本である。
【疑うべき臨床症状】
尿路感染症の症状は、急性単純性膀胱炎では排尿痛、頻尿、尿意切迫感、残尿感、下腹部痛が、急性単純性腎盂腎炎では発熱、悪寒、側腹部痛が、主たるものである。複雑性尿路感染症では膀胱炎、腎盂腎炎それぞれにおいて、単純性と同様の症状が見られるが、無症状に近いものから、強い症状を呈するものまで幅が広い。上部尿路閉塞に伴う膿腎症では高熱が続くこともある。
(※引用:「尿路感染症」総合南東北病院より)
問題42.65歳の男性。40年以上、毎日2合程度の飲酒歴と1日20本の喫煙習慣がある。健康診断で高血圧、脂質異常症、肥満を指摘されている。以前から時々数分の胸痛発作を起こしていたが放置していた。今朝、急に30分以上持続する激しい前胸部痛と冷汗が出現したため救急車で来院した。来院時の心拍数は100/分、心電図上でⅡ、Ⅲ、AVF誘導でST-T上昇が認められた。
この患者で正しいのはどれか。
1.電気的除細動を行う。
2.喫煙歴はこの疾患の危険因子ではない。
3.この患者のBMIは20以下と推測できる。
4.胸痛に対し麻薬を用いる。
解答4
解説
・65歳の男性(高血圧、脂質異常症、肥満)。
・40年以上:毎日2合程度の飲酒歴と1日20本の喫煙習慣。
・時々数分の胸痛発作あり。
・今朝、急に30分以上持続する激しい前胸部痛と冷汗が出現。
・来院時:心拍数100/分。
・心電図上でⅡ、Ⅲ、AVF誘導でST-T上昇。
→本症例は、心筋梗塞が最も疑われる。対応を把握しておこう。
→心筋梗塞とは、心筋が壊死に陥った状態のことである。心電図の特徴は、STの上昇である。リスクファクターとして、①高血圧、②喫煙、③糖尿病、④脂質代謝異常などである。
1.× 電気的除細動を行うのは、「心房細動」に有効である。
・電気的除細動とは、心臓に強い電流を流し、バラバラになってしまった心臓の筋肉の動きを正常なリズムに戻す治療である。効果は短く、その後にお薬で治療することが多い。
2.× 喫煙歴はこの疾患の危険因子「である」。なぜなら、喫煙により動脈硬化が促進され、冠動脈の内皮障害・血小板凝集亢進・酸化ストレス増加が起こるため。
・心筋梗塞のリスクファクターとして、①高血圧、②喫煙、③糖尿病、④脂質代謝異常などである。
3.× この患者のBMIは、「20以下」とは考えにくい。なぜなら、本症例は「肥満」と記載されているため。したがって、BMIは25以上と推測される。
・BMIとは、体重(㎏) ÷ 身長の2乗(m) で計算される体格指数のことである。日本肥満学会の基準では、18.5以下:低体重、25以下:普通、30以下:肥満Ⅰ度、35以下:肥満Ⅱ度、40以下:肥満Ⅲ度、40以上:肥満Ⅳ度である。
4.〇 正しい。胸痛に対し麻薬を用いる。急性心筋梗塞に伴う強い胸痛には、モルヒネなどの麻薬性鎮痛薬を使用する。なぜなら、心筋梗塞の胸痛は極めて強い疼痛刺激により交感神経興奮を招き、心拍数や血圧上昇によって心筋の酸素需要が増加し、梗塞範囲が拡大する危険があるため。モルヒネは鎮痛作用だけでなく、鎮静作用・静脈拡張作用により心負荷を軽減する効果もある。
問題43.32歳の男性。以前から口腔内のアフタ性潰瘍や毛嚢炎が繰り返しみられていた。半年前から陰嚢の潰瘍もみられるようになった。3か月前から両眼に交互に霧視を自覚するようになり。眼科でブドウ膜炎と診断された。足関節や膝関節など3〜4か所に関節痛をきたしているが、リウマトイド因子や抗核抗体は陰性とのことである。
考えられる疾患はどれか。
1.関節リウマチ
2.全身性エリテマトーデス
3.ベーチェット(Behçet)病
4.結節性多発動脈炎
解答3
解説
・32歳の男性(口腔内のアフタ性潰瘍、毛嚢炎、ブドウ膜炎)。
・半年前:陰嚢の潰瘍もみられる。
・3か月前:両眼に交互に霧視を自覚。
・足関節や膝関節など3〜4か所に関節痛をきたしている。
・リウマトイド因子や抗核抗体:陰性。
→本症例は、ベーチェット病が疑われる。ほかの選択肢が消去できる理由も上げられるようにしよう。
1.× 関節リウマチより優先されるものが他にある。なぜなら、本症例のような口腔アフタ性潰瘍・陰部潰瘍・眼病変・皮膚症状などが合致しないため。
・関節リウマチとは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。
2.× 全身性エリテマトーデスより優先されるものが他にある。なぜなら、本症例のような陰部潰瘍や毛嚢炎、ブドウ膜炎などが合致しないため。
・全身性エリテマトーデスとは、皮膚・関節・神経・腎臓など多くの臓器症状を伴う自己免疫性疾患である。皮膚症状は顔面の環形紅斑、口腔潰瘍、手指の凍瘡様皮疹である。10~30歳代の女性に好発する多臓器に障害がみられる慢性炎症性疾患であり、寛解と再燃を繰り返す病態を持つ。遺伝的素因を背景にウイルス感染などが誘因となり、抗核抗体などの自己抗体産生をはじめとする免疫異常で起こると考えられている。本症の早期診断、早期治療が可能となった現在、本症の予後は著しく改善し、5年生存率は95%以上となった。主な治療法として、①非ステロイド系消炎鎮痛剤、②ステロイド剤などである。
3.〇 正しい。ベーチェット(Behçet)病が最も考えられる疾患である。
・ベーチェット病とは、自己免疫疾患で、四徴として、①口腔粘膜のアフタ性潰瘍、②ぶどう膜炎、③皮膚症状(結節性紅斑や皮下硬結)、④外陰部潰瘍である。皮膚症状として、下腿に後発する。発赤や皮下結節を伴う結節性紅斑、圧痛を伴う皮下の遊走性血栓性静脈炎、顔面・頚部・背部などにみられる毛嚢炎様皮疹または痤瘡様皮疹などが出現する。
4.× 結節性多発動脈炎より優先されるものが他にある。なぜなら、本症例のような口腔アフタ性潰瘍や外陰部潰瘍、ブドウ膜炎などが合致しないため。
・結節性多発動脈炎とは、中型血管を主体として、血管壁に炎症を生じる疾患である。原因不明であるが、血管炎の組織には多くの免疫を担当する細胞が見られること、ステロイドや免疫抑制薬などによる免疫抑制療法が効果を示すことが多いことなどから、免疫異常が関与していると考えられている。38℃以上の高熱、体重減少、高血圧、紫斑や皮膚潰瘍、筋肉痛・関節痛、四肢のしびれ、脳出血・脳梗塞、胸膜炎、尿蛋白や尿潜血陽性、腎機能低下、腹痛・下血、狭心症・心筋梗塞など様々な症状がおきる。
問題44.創傷の種類と説明との組合せで正しいのはどれか。
1.切創:鋭利な器具による刺傷
2.挫創:鋭利な器具による切開創
3.裂創:引き裂かれた創傷
4.剥離創:咬まれた創傷
解答3
解説
1.× 切創は、鋭利な器具による「刺傷」ではなく創傷である。
・切創とは、 ガラス片や刃物など鋭利なもので切れた、いわゆる切りキズのことである。(※読み:きりきず)
2.× 挫創は、「鋭利な器具による切開創」ではなく「鈍的外力によって生じた創」である。
例えば、交通事故やスポーツでの打撲などが挫創に分類される。(※読み:ざそう)
3.〇 正しい。裂創:引き裂かれた創傷
・裂創とは、外力による皮膚の過伸展や剪断によって組織が破裂・引き裂かれ生じる創傷であるため。
4.× 咬まれた創傷は、「剥離創」ではなく咬傷である。
・剥離創とは、「皮膚や皮下組織が擦れたり引っ張られてはがれた創傷」である。
問題45.消毒薬で正しいのはどれか。
1.アルコールは粘膜の消毒に有効である。
2.クロルヘキシジンはMRSAに対して有効である。
3.ポビドンヨードは塩分の存在下で殺菌力が低下する。
4.グルタラールは粘膜に対して刺激性が弱い。
解答2
解説
1.× アルコールは、粘膜の消毒に有効「とはいえない」。むしろ、アルコールは粘膜には使用できない。なぜなら、粘膜や創部に対して強い刺激性・脱水作用があるため。粘膜や傷口に使用すると疼痛や組織障害を起こす可能性がある。
2.〇 正しい。クロルヘキシジンは、MRSAに対して有効である。
・クロルヘキシジンとは、手術時手洗い、手術部位の皮膚、創傷部位(創傷周辺皮膚)、血管内留置カテーテル挿入部位の皮膚などに使用する。特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対しても有効である。
3.× ポビドンヨードは、「塩分」ではなく遊離ヨウ素の存在下で殺菌力が低下する。なぜなら、ポビドンヨードは遊離ヨウ素を徐放して殺菌作用を示すが、周囲にヨウ素やヨウ化物が多いと平衡が変化し、遊離ヨウ素の放出が抑制されるため。
・ポビドンヨードとは、皮膚や粘膜の消毒に、世界中で感染対策に使われている代表的な殺菌消毒剤の有効成分のひとつである。
4.× グルタラールは、粘膜に対して刺激性が「強い」。むしろ、人体への直接使用は禁止されている。なぜなら、グルタラールは、高水準消毒薬・滅菌剤として、医療機器の消毒(特に内視鏡など)に使用される強力な薬剤であり、皮膚・粘膜に対して強い刺激性・腐食性を示すため。
・グルタラールとは、被消毒物の材質に与える影響が少なく、各種器具・機器、内視鏡などの消毒に有用である。しかし、薬液が皮膚に付着した場合、皮膚の着色や発疹、発赤等の過敏症状を起こすことがあり、また、蒸気は眼や呼吸器等の粘膜に対して刺激作用を示すことなどから、その使用には十分な注意が必要である。
国試オタク 