第34回(R8年)柔道整復師国家試験 解説【午後26~30】

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問題26 ジャパン・コーマ・スケール(JCS)で100に相当するのはどれか。

1.だいたい意識清明だが、もうひとつはっきりしない。
2.普通の呼びかけで容易に開眼する。
3.痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする。
4.痛み刺激に全く反応しない。

解答

解説
1.× だいたい意識清明だが、もうひとつはっきりしない。
これは、JCS1に相当する。

2.× 普通の呼びかけで容易に開眼する。
これは、JCS10に相当する。

3.〇 正しい。痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする
これは、JCS100に相当する。

4.× 痛み刺激に全く反応しない。
これは、JCS300に相当する。

(※図引用:「意識レベル(JCS:Japan Coma Scale)」堺市HPより)

 

 

 

 

 

問題27 進行性筋ジストロフィーでみられるのはどれか。

1.突進歩行
2.アヒル歩行
3.間欠性跛行
4.失調性歩行

解答

解説

進行性筋ジストロフィーとは?

進行性筋ジストロフィーとは、骨格筋の変性及び壊死を主病変とし、進行性の筋力低下や萎縮をきたす遺伝性疾患である。収縮した骨格筋が弛緩しにくくなる現象(ミオトニア現象)と、全身の筋力低下、筋萎縮を主症状とし、その他にも多彩な症状を呈する疾患である。

1.× 突進歩行は、主にパーキンソン病でみられる歩行である。
・突進歩行とは、前のめりになって、急に小走りの状態で、何かにぶつかるまで自分の意志で止まることができない症状である。突進歩行はパーキンソン病の症状(姿勢反射障害や寡動)で生じる。

2.〇 正しい。アヒル歩行は、進行性筋ジストロフィーでみられる。
・アヒル歩行とは、動揺歩行やトレンデレンブルグ歩行と同義であり、肢帯筋の筋力低下(中殿筋の筋力低下やDuchenne型筋ジストロフィー)で起こる。

3.× 間欠性跛行は、主に脊柱管狭窄症閉塞性動脈硬化症でみられる歩行である。
・間欠性跛行とは、歩行を続けると下肢の痛みと疲労感が強くなり、足を引きずるようになるが、休むと再び歩けるというものである。主に脊柱管狭窄症閉塞性動脈硬化症でみられる歩行である。血管が閉塞するため、筋に酸素の供給が困難となる。

4.× 失調性歩行(酩酊歩行、よろめき歩行、ワイドベースとも)は、運動失調(小脳障害・前庭障害)で起こる歩行障害である。

 

 

 

 

 

問題28 脛骨神経麻痺でみられる変形はどれか。

1.踵足
2.尖足
3.外反足
4.内反足

解答

解説

脛骨神経とは?

脛骨神経とは、大腿後面の中央より遠位で坐骨神経の内側部分として分岐し、中央を下行、足関節の底屈と足趾の屈曲を行う筋群と、足関節外果より足背外側、足底の知覚を支配している神経である。

1.〇 正しい。踵足は、脛骨神経麻痺でみられる変形である。なぜなら、脛骨神経麻痺により、下腿後面の底屈筋群(腓腹筋・ヒラメ筋など)が機能低下し、足関節を底屈できず、相対的に背屈位へ引っ張られるため。
・踵足とは、足関節が背屈位に変形した状態である。踵足は、小児脳性不全麻痺、脛骨神経の損傷などの麻痺、アキレス腱などの治療の結果としてなりやすい。

2.× 尖足とは、つま先立ちの状態の足で、踵を地面に着けようとしても可動域がなく、歩行時に踵が床に付かない状態である。つまり、足関節の背屈制限がある歩行状態である。具体的疾患は、脳卒中などからくる下腿後面の筋肉の痙縮、小児麻痺でみられる下腿前面の筋肉の麻痺などが原因で起こる。

3.× 外反足の原因は、主に足首の内側の靭帯の損傷やゆるみで生じる。

4.× 内反足は、主に足首の外側の靭帯の損傷やゆるみで生じる。

外側靭帯とは?

外側靭帯は、前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯を合わせていう。

【足関節靭帯損傷の受傷原因】
足関節の内反や外反が強い外力でかかる捻挫が最も多い。
内反捻挫は、足関節外側靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)が損傷される。
外反捻挫は、足関節内側靭帯(三角靭帯)が損傷される。

【頻度】
外反捻挫より内反捻挫が多い。
足関節外側靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)の中でも前距腓靭帯が多く損傷される。
なぜなら、足関節の可動域が、外反より内反の方が大きく、内反・底屈に過強制力がかかるため。

 

 

 

 

 

問題29 肺胞呼吸音が生ずる部位はどれか。

1.声帯
2.気管
3.気管支
4.細気管支

解答

解説

肺胞呼吸音とは?

肺胞呼吸音とは、低調で柔らかい音である。気管支末端から肺胞に至る空気の流れによって生じる正常呼吸音で、吸気のすべてと呼気(初期)で聴取される。

【正常呼吸音】
気管・喉頭:気管呼吸音
主気管支付近:気管支呼吸音/気管支肺胞呼吸音
肺野の広い範囲:肺胞呼吸音

1.× 声帯は、喉頭にあり、主に発声に関わる部位である。

2.× 気管とは、呼吸器系の一部で、鼻腔から気管支に分岐し、肺につながる管状の構造物で、2cmほどの太さで常に開いた管で、軟骨と平滑筋からなっている。役割として、鼻腔から入った空気を肺に送り、排出する。気管軟骨は、気管~気管支の気道内腔を虚脱から守っている。

3.× 気管支とは、気管が左右の肺に枝分かれた後をいう。

4.〇 正しい。細気管支は、肺胞呼吸音が生ずる部位である。なぜなら、肺野末梢(細気管支)では、その音が肺胞呼吸音として聴かれるため。
・細気管支とは、末梢気道であり、肺胞呼吸音の発生に最も近い部位である。

 

 

 

 

 

問題30 皮膚や皮下の腫瘤の触診で悪性を疑う所見はどれか。

1.柔らかい。
2.圧痛がある。
3.可動性がある。
4.表面が不整である。

解答

解説
1.× 柔らかいのは、良性病変で典型的である。悪性は硬い。

2.× 圧痛があるのは、炎症性病変である。良性や悪性の初期は増大まで時間がかかるため圧痛を伴わないことが多い。

3.× 可動性があるのは、良性病変で典型的である。なぜなら、悪性腫瘤では周囲組織へ浸潤して固定されやすいため。

4.〇 正しい。表面が不整である。なぜなら、悪性腫瘍は、周囲へ不規則に浸潤しながら増殖するため。境界・辺縁・表面が不整になりやすい。

腫瘍とは?

腫瘍とは、体の中にできた細胞のかたまりのことである。悪性腫瘍とは、このような腫瘍のうち、無秩序に増殖しながら周囲にしみ出るように広がったり(浸潤)、体のあちこちに飛び火して新しいかたまりを作ったり(転移)するもののことをいう。一方、良性腫瘍とは、浸潤や転移をせず、周りの組織を押しのけるようにしてゆっくりと増える腫瘍のことをいう。

 

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