第20回(H24年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後141~145】

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141.古代中国から伝来した鍼法はどれか。

1.打鍼法
2.管鍼法
3.撚鍼法
4.皮内鍼法

解答

解説
1.× 打鍼法は、御園意斎が大成した鍼法であり、スリオロシ形の鍼が適している。

2.× 管鍼法は、杉山和一が創案した鍼法であり、松葉形の鍼が適している。

3.〇 正しい。撚鍼法は、古代中国から伝来した鍼法である。最も古くからある鍼法であり、柳葉形の鍼が適している。

4.× 皮内鍼法は、赤羽幸兵衛が発案した鍼法である。皮内鍼法は、細く短い鍼を皮内へ水平に刺入し(筋層へは刺入しない)、長時間留置させて持続的に刺激を与える。

 

 

 

 

 

142.弾入だけを繰り返す刺法はどれか。

1.細指術
2.間歇術
3.雀啄術
4.屋漏術

解答

解説
1.〇 正しい。細指術は、弾入だけを繰り返す刺法である。細指術は、刺鍼する部位に対して弾入だけを繰り返す。

2.× 間歇術は、目的の深さへ刺入し、半分抜いて留め、また前の深さまで刺して留める、を繰り返す手技である。

3.× 雀啄術は、刺入時または一定の深さで鍼を上下に進退させる。

4.× 屋漏術は、目的の深さまで3段階に分けて刺入・雀啄する(抜鍼時は逆に行う)。

 

 

 

 

 

143.内調術の説明で正しいのはどれか。

1.刺入した鍼の周囲の皮膚を鍼管で叩く。
2.刺入した鍼の鍼柄を鍼管で叩く。
3.刺入した鍼に再び鍼管をかぶせ鍼管の上端を叩く。
4.鍼管の上端を叩くだけで鍼を使用しない。

解答

解説
1.× 刺入した鍼の周囲の皮膚を鍼管で叩く。
近しい技術に、「副刺激術」がある。副刺激術は、刺入した鍼の周囲を鍼管や指頭で叩き、響きを与える(気拍法)。

2.〇 正しい。刺入した鍼の鍼柄を鍼管で叩く。
これは、内調術の説明である。刺入した鍼の鍼柄を鍼管で叩打し、鍼体に動揺を与える。

3.× 刺入した鍼に再び鍼管をかぶせ鍼管の上端を叩く。
近しい技術に、「内調術」がある。内調術は、刺入した鍼の鍼柄を鍼管で叩打し、鍼体に動揺を与える。

4.× 鍼管の上端を叩くだけで鍼を使用しない。
近しい技術に、「管散術」がある。管散術は、鍼を使用せず、鍼管の上端を弾入の要領で叩打する。

 

 

 

 

 

144.刺鍼の術式に関する説明で正しい記述はどれか。

1.前揉法は鍼の遺感覚を除くために行う。
2.押手の固定圧が弱いと鍼は倒れてしまう。
3.管鍼法では弾入行為が切皮である。
4.撚鍼法は鍼を左右に半回転ずつ交互にひねり刺入する。

解答

解説
1.× 「前揉法」ではなく後揉法は、鍼の遺感覚を除くために行う。
・前揉法は、刺入の予告、刺鍼部位の組織をやわらげ刺激に慣らす。
・後揉法は、遺感覚の除去、出血の防止と吸収促進。

2.× 押手の「固定圧」ではなく左右圧が弱いと鍼は倒れてしまう。
押手は、皮膚の緊張度を調整する。
・左右圧(水平圧):押手の母指と示指が鍼体をつまむ力。
・上下圧(垂直圧): 押手の母指と示指が刺鍼部位にかける圧。
・周囲圧(固定圧):中・薬・小指の指腹、小指外側~小指球などでかける圧。

3.〇 正しい。管鍼法では、弾入行為が切皮である。切皮とは、鍼灸の施術において、鍼管に鍼をセットして、鍼の先を皮膚に少しだけ刺すことである。鍼を刺す際に感じるチクッとした痛みを「切皮痛」という。ちなみに、管鍼法は、杉山和一が創案した鍼法であり、松葉形の鍼が適している。

4.× 「撚鍼法」ではなく施撚術は、鍼を左右に半回転ずつ交互にひねり刺入する。施撚術は、刺入または抜鍼時、鍼を左右に半回転ずつ交互にひねりながら行う。ちなみに、撚鍼法は、最も古くからある鍼法であり、柳葉形の鍼が適している。

 

 

 

 

 

145.耳鍼療法で使用しないのはどれか。

1.鋒鍼
2.毫鍼
3.円皮鍼
4.皮内鍼

解答

解説

耳針療法とは?

耳針療法とは、耳のツボを探り、それに鍼などの刺激を与えてさまざまな症状を治す治療法である。鍼通電療法と併せて、現代西洋医学と中国針灸医学の理論と実践が結合した新しい鍼療法の一つである。

1.× 鋒鍼は、耳鍼療法で使用しない。鋒鍼(1寸6分)は、頑な痛み・しびれ、できものの時、手足末端経穴や局所を瀉す。

2.〇 毫鍼(1寸6分)は、寒熱や痛痹を取る(※読み:ごうしん)。

3.〇 円皮鍼は、画鋲状の短い鍼を垂直に刺入し、持続的な刺激を与える。スポーツ選手に多く用いられる。中国では撳鍼(耳鍼に応用)

4.〇 皮内鍼は、細く短い鍼を皮内へ水平に刺入し(筋層へは刺入しない)、長時間留置させて持続的に刺激を与える。赤羽幸兵衛発案。

 

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