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26.刺激伝導系について正しい記述はどれか。
1.神経線維により構成される。
2.プルキンエ線維は心外膜下を走行する。
3.房室結節は右心室にある。
4.ヒス束は線維三角を通る。
解答4
解説
(図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)
心臓の刺激伝導系は、「洞結節(洞房結節)→右房→左房→房室結節→His束(房室束)→左脚・右脚→プルキンエ線維(Purkinje線維)→心室」となる。刺激伝導系を構成する細胞は特殊心筋と呼ばれ、心房・心室の壁を構成する一般の心筋細胞である固有心筋とは区別する。
1.× 「神経線維」ではなく特殊な心筋細胞により構成される。刺激伝導系は、特殊な心筋細胞(自動能を持つ筋繊維)で構成されている。刺激伝導系を構成する細胞は特殊心筋と呼ばれ、心房・心室の壁を構成する一般の心筋細胞である固有心筋とは区別する。
2.× プルキンエ線維は、「心外膜下」ではなく心内膜下を走行する。心内膜下とは、心筋の最内層である。心膜とは、2層構造の、漿液性心膜と線維性心膜の2つからなっており、心筋の内表面に密着している膜を、心内膜という。
3.× 房室結節は、「右心室」右心房と右心室の境界にある。房室結節とは、心臓の刺激伝導系で洞房結節からのシグナルを受け取る。
4.〇 正しい。ヒス束は、線維三角を通る。線維三角とは、線維輪(房室弁や動脈弁の付着部となる結合組織の輪)の間を埋める結合組織である。線維輪と線維三角を線維束という。
27.皮神経で大腿神経の枝はどれか。
1.陰部大腿神経
2.外側大腿皮神経
3.腓腹神経
4.伏在神経
解答4
解説
腹部から下肢に分布する脊髄神経は、腰神経叢と仙骨神経叢とを形成する。腰神経叢は、T12~L4の前枝で構成され、その枝は腹部から大腿前面に分布する。一方、仙骨神経叢は、L4~S4前枝から構成され、その枝は腰部~大腿後面と下肢~足部に分布する。
腰神経叢:①腸骨下腹神経、②腸骨鼠経神経、③外側大腿皮神経、④大腿神経、⑤陰部大腿神経、⑥閉鎖神経
仙骨神経叢:①上殿神経、②下殿神経、③坐骨神経、④後大腿皮神経、⑤陰部神経
1.× 陰部大腿神経は、腰神経叢から直接分岐する。ちなみに、陰部大腿神経は、外陰部や大腿部の皮膚を感覚支配する。
2.× 外側大腿皮神経は、腰神経叢から直接分岐する。ちなみに、外側大腿皮神経は、大腿外側の皮膚を感覚支配する。
3.× 腓腹神経は、脛骨神経と腓骨神経が合流して形成される皮神経である。腓腹神経は、下腿後面遠位部(踵)の皮膚の知覚を司る。
4.〇 正しい。伏在神経は、皮神経で大腿神経の枝である。伏在神経は、大腿の内側を通り、膝とふくらはぎの内側を走行する。下肢の皮膚の感覚を司る神経である。
28.脳幹について正しい記述はどれか。
1.橋は脳幹に含まれる。
2.オリーブ核は錐体路に関与する。
3.延髄には四丘体がある。
4.中脳には孤束核がある。
解答1
解説
1.〇 正しい。橋は脳幹に含まれる。脳幹は、中枢神経系を構成する部位が集まっている器官で、中脳、橋、延髄から構成されている。この脳幹は視床下部と通信をすることで覚醒と睡眠間の移行を制御する。
2.× オリーブ核は、「錐体路」ではなく錐体外路に関与する。
・錐体路とは、大脳皮質運動野―放線冠―内包後脚―大脳脚―延髄―錐体交叉―脊髄前角細胞という経路をたどる。
・錐体外路とは、錐体路以外の運動指令を行うための経路を総称したものである。錐体外路中枢や、大脳基底核、視床腹部、脳幹などと微調整しながら姿勢や運動に対する指令を骨格筋へ伝える。
3.× 四丘体があるのは、「延髄」ではなく中脳である。四丘体は、中脳(中脳蓋)の上丘と下丘から構成されている。上丘は、視覚反射に関与し、下丘は聴覚反射に関与する。
4.× 孤束核があるのは、「中脳」ではなく延髄である。味覚の伝導路は、味蕾(味細胞)→顔面神経(舌前2/3)、舌咽神経(舌後1/3)→延髄孤束核→視床→大脳味覚野となる。
29.脳神経と副交感神経節との組み合わせで正しいのはどれか。
1.動眼神経:毛様体神経節
2.顔面神経:耳神経節
3.舌咽神経:翼口蓋神経節
4.迷走神経:上頸神経節
解答1
解説
1.〇 正しい。動眼神経:毛様体神経節
毛様体神経節とは、動眼神経(第Ⅲ脳神経)と関連し、眼球内の平滑筋(毛様体筋や瞳孔括約筋)を支配する副交感神経線維を中継する。
2.× 耳神経節は、「顔面神経」ではなく舌咽神経に関連する。耳神経節とは、舌側頭下窩の卵円孔のすぐ下、下顎神経の内側表面に位置する小さな副交感神経節である。機能的には舌咽神経に関連しており、唾液分泌のために耳下腺を神経支配している。
3.× 翼口蓋神経節は、「舌咽神経」ではなく顔面神経に関連する。翼口蓋神経節とは、顔面神経の副交感神経線維と関連し、涙腺や鼻腔・口腔の分泌腺に分布する線維を中継する。
4.× 上頸神経節は、「迷走神経の(副交感神経)」ではなく交感神経系の節である。上頸神経節とは、第8頸髄~上位胸髄の脊髄神経根から白交通枝を経て幹神経節に入り、星状神経節などを通り、交感神経幹内を上行してきた節前線維をうける。
30.感覚と伝導路との組合せで正しいのはどれか。
1.視覚:内側毛帯
2.触圧覚:外側毛帯
3.聴覚:下丘
4.味覚:唾液核
解答3
解説
1.× 内側毛帯は、「視覚」ではなく振動覚、位置覚である。
・視覚の伝導路は、視神経→視交叉→視索→外側膝状体→視放線→後頭葉(視覚野)である。
・振動覚、位置覚の経路は、「後根 ⇒ 後索(下肢からの線維は薄束を通って薄束核に終わり、上肢からの線維は楔状束を通って楔状束核に終わる) ⇒ 延髄(後索核) ⇒ 毛帯交叉 ⇒ 内側毛帯 ⇒ 視床後外側腹側核 ⇒ 感覚野」となる。
2.× 外側毛帯は、「触圧覚」ではなく聴覚である。
・外側脊髄視床路(温痛覚・粗大触圧覚)は、感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄側索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野の経路をたどる。
・聴覚刺激は、内耳のラセン器で受容され、双極細胞の末梢性突起を経て、中枢性突起に伝えられる。そして蝸牛神経として橋に入り、蝸牛神経核に達し、ニューロンを交代する。蝸牛神経核から起こる線維が交差し台形体をつくる。その後、外側毛帯となり橋の背側部を上行→中脳下丘→視床後端にある内側膝状体に至る。ここで中継され、内包後脚のレンズ下部を通り、側頭葉の聴覚野(上側頭回の上面)に達する。
3.〇 正しい。聴覚:下丘
・聴覚の伝導路は、蝸牛神経→蝸牛神経核→上オリーブ核→中脳下丘→内側膝状体→上側頭回である。
4.× 唾液核は、「味覚」ではなく唾液の分泌である。
・唾液核(上唾液核および下唾液核)は、副交感神経の神経核であり、唾液腺の分泌を制御する役割を担う。
・味覚の伝導路は、味蕾(味細胞)→顔面神経(舌前2/3)、舌咽神経(舌後1/3)→延髄孤束核→視床→大脳味覚野となる。