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問題71 ウイルス性肝炎と感染経路の組合せで正しいのはどれか。
1.A型:血液への暴露
2.B型:性行為
3.C型:獣肉摂取
4.E型:生鮮魚介類摂取
解答2
解説
1.× 血液への暴露は、「A型」ではなくC型である。
A型肝炎とは、A型肝炎ウイルス(HAV)感染による疾患である。通常、感染した人の便で汚染されたものを摂取したときに感染する。人の便が流れている海で育った貝類の摂取で感染することもある。初期症状は倦怠感や発熱、頭痛、筋肉痛等で、一過性の急性肝炎が主症状であり、治癒後に強い免疫が残る。治療は、通常、安静を含めた対症療法が中心となる。
2.〇 正しい。B型:性行為
B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することによって生じる肝臓の病気のことである。B型肝炎ウイルスは主に感染者の血液や体液を介して感染する。たとえば、注射針を感染者と共用した場合や、感染者と性行為をした場合などに感染する。しかし、B型肝炎にはワクチンがあるため、適切にワクチンを接種することによって感染を予防することができる。
3.× 獣肉摂取は、「C型」ではなくE型である。
C型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することによって起こる肝臓の病気である。C型肝炎ウイルスは、主に感染者の血液や体液から感染する。感染の危険性がある行為としては注射器の使い回しや剃刀(かみそり)の共用などがある。そのほか、妊娠中の母親から胎児への感染や性行為による感染もあるが、感染する確率は低いと考えられている。
4.× 生鮮魚介類摂取は、「E型」ではなくA型である。
E型肝炎ウイルスとは、急性肝炎の原因となるRNAウイルスである。水や豚・猪のレバーなど食物を介して経口感染する。従来、経口伝播型非A非B型肝炎とよばれてきたウイルス性の急性肝炎で、その病原体はE型肝炎ウイルス(RNAウイルス)である。E型肝炎の致死率はA型肝炎の10倍といわれ、妊婦では実に20%に達することがある。
問題72 食道癌について正しいのはどれか。
1.腺癌が多い。
2.若年者に多い。
3.女性に多い。
4.アルコールは危険因子である。
解答4
解説
食道癌は食道に発生した上皮性腫瘍のことである。組織学的に約90%が扁平上皮癌である。好発部位は、胸部中部食道、胸部下部食道の順で、胸部中部食道が約50%を占める。アルコール、喫煙、熱い食事、Barrett食道、アカラシアなどが誘因である。
1.× 「腺癌」ではなく扁平上皮癌が多い。
扁平上皮癌とは、最上層が薄くて平らな細胞よりなる上皮からなる癌をいう。特徴として、分化度の異なる不均一からなる細胞から構成され、欠陥分布も均一性を欠く。好発部位は、舌が最も多く、次いで歯肉、頬、口底、口蓋である。一方、腺癌とは、腺組織とよばれる上皮組織から発生するがんである。 胃、腸、子宮体部、肺、乳房、卵巣、前立腺、肝臓、膵臓、胆のうなどに発生する。なかでも、胃がんの90%以上は、胃壁の最も内側の粘膜上皮細胞から発生する腺癌である。
2.× 「若年者」ではなく60歳以上に多い。
3.× 「女性」ではなく、60歳以上の男性に多い。
男女比は、約6:1である。
4.〇 正しい。アルコールは危険因子である。
アルコールのほかに、喫煙、熱い食事、Barrett食道、アカラシアなどが誘因である。
問題73 脳卒中の急性期リハビリテーションについて正しいのはどれか。
1.神経症状の増悪がある場合には動作を伴う訓練は行わない。
2.起立性低血圧に対する配慮は必要ない。
3.歩行訓練で長下肢装具を用いることはない。
4.ベッド上でのポジショニングは必要ない。
解答1
解説
急性期とは、症状が急に現れる時期、病気になり始めの時期である。急性期は、全身の生体反応と機能低下が起こり、合併症が発現するおそれがある。このため、回復過程における経過を予測して系統的な観察を行い、正常範囲に経過しているのか、それとも逸脱して悪化していくおそれがあるのかを判断し、異常を察知すれば早期に対処する必要がある。
1.〇 正しい。神経症状の増悪がある場合には動作を伴う訓練は行わない。
離床開始基準(座位訓練、立位訓練など)
・JCS:1桁であること
・運動の禁忌となる心疾患や全身合併症がないこと
・主幹動脈閉塞および脳出血では神経症状の増悪がないなど。
(※参考:「脳卒中リハビリテーションの進め方」より)
2.× 起立性低血圧に対する配慮は必要である。
なぜなら、起立性低血圧を発症している場合、転倒の危険性や体調不良(嘔吐など)をきたし離床の妨げとなりやすいため。ちなみに、起立性低血圧とは、寝た姿勢や座った姿勢から急に起き上がったり、立ち上がった際に血圧が低下し、めまいが起こる症状である。症例は運動時に症状が生じている。起立性低血圧は、原因として①自律神経障害、②薬剤性、③加齢、④飲酒、⑤出血や脱水などの循環血漿量の低下が挙げられる。
3.× 歩行訓練で長下肢装具を用いることもある。
長下肢装具とは、立位訓練開始から装具をつけ、介助下での平行棒な歩行訓練が必要なレベルの重度の麻痺に適応となる。臨床では、重度弛緩性麻痺時には長下肢装具で立位練習を行い、股関節の収縮が得られてきた際に、短下肢装具へ移行しながら練習することが多い。
4.× ベッド上でのポジショニングは必要である。
なぜなら、適切なポジショニングは、拘縮や褥瘡の予防、呼吸機能の改善などに寄与するため。
1. 積極的なリハを実施しない場合
[1] 安静時脈拍 40/分以下または 120/分以上
[2] 安静時収縮期血圧 70mmHg 以下または 200mmHg 以上
[3] 安静時拡張期血圧 120mmHg 以上
[4] 労作性狭心症の方
[5] 心房細動のある方で著しい徐脈または頻脈がある場合
[6] 心筋梗塞発症直後で循環動態が不良な場合
[7] 著しい不整脈がある場合
[8] 安静時胸痛がある場合
[9] リハ実施前にすでに動悸・息切れ・胸痛のある場合
[10] 座位でめまい,冷や汗,嘔気などがある場合
[11] 安静時体温が 38 度以上
[12] 安静時酸素飽和度(SpO2)90%以下
2. 途中でリハを中止する場合
[1] 中等度以上の呼吸困難,めまい,嘔気,狭心痛,頭痛,強い疲労感などが出現した場合
[2] 脈拍が 140/分を超えた場合
[3] 運動時収縮期血圧が 40mmHg 以上,または拡張期血圧が 20mmHg 以上上昇した場合
[4] 頻呼吸(30 回/分以上),息切れが出現した場合
[5] 運動により不整脈が増加した場合
[6] 徐脈が出現した場合
[7] 意識状態の悪化
3. いったんリハを中止し,回復を待って再開
[1] 脈拍数が運動前の 30%を超えた場合。ただし,2 分間の安静で 10%以下に戻らないときは以後のリハを中止するか,または極めて軽労作のものに切り替える
[2] 脈拍が 120/分を越えた場合
[3] 1 分間 10 回以上の期外収縮が出現した場合
[4] 軽い動悸,息切れが出現した場合
問題74 徒手筋力テストで正しいのはどれか。
1.MMT1では筋収縮が全く認められない。
2.MMT2では筋収縮はみられるが関節運動は起こらない。
3.MMT3では抵抗を加えなければ重力に抗して正常可動域いっぱいに動く。
4.MMT4は筋力正常である。
解答3
解説
徒手筋力テスト(MMT:manual muscle testing)は、筋力を測定するための方法のひとつである。筋収縮のまったくみられない場合「0」、正常を「5」として6段階で評価する。
0(Zero:ゼロ):「筋収縮のまったくみられない」状態である。
1(trace:不可):「関節の運動は起こらないが、筋のわずかな収縮は起こる。筋収縮がみえる、または触知できる」状態である。
2(poor:可):「重力を除けば全可動域動かせる」状態である。
3(fair:良):「重力に打ち勝って全可動域動かせるが、抵抗があれば行えない」状態である。
4(good:優):「ある程度、徒手抵抗を加えても、全可動域動かせる」状態である。
5(normal:正常):「強い抵抗(最大抵抗)を加えても、完全に運動できる」状態である。
1.× 筋収縮が全く認められないのは、「MMT1」ではなくMMT0である。
2.× 筋収縮はみられるが関節運動は起こらないのは、「MMT2」ではなくMMT1である。
3.〇 正しい。MMT3では抵抗を加えなければ重力に抗して正常可動域いっぱいに動く。
4.× 筋力正常であるのは、「MMT4」ではなくMMT5である。
次の文で示す症例について、問題75、問題76の問いに答えよ。
「35歳の女性看護師。皮膚の黄染、全身倦怠感にて受診。針刺しの既往がある。肝炎ウイルスマーカーでは、HCV抗体陽性、HCV-RNA陽性で、他は陰性であった。」
問題75 本疾患について正しいのはどれか。
1.生ガキの摂取で起こる。
2.慢性化の頻度が高い。
3.劇症肝炎へ進展しやすい。
4.ワクチン予防が可能である。
解答2
解説
・35歳の女性看護師。
・皮膚の黄染、全身倦怠感にて受診。
・針刺しの既往がある。
・肝炎ウイルスマーカー:HCV抗体陽性、HCV-RNA陽性、他は陰性。
→本症例は、C型肝炎が疑われる。C型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することによって起こる肝臓の病気である。C型肝炎ウイルスは、主に感染者の血液や体液から感染する。感染の危険性がある行為としては注射器の使い回しや剃刀(かみそり)の共用などがある。
1.× 生ガキの摂取で起こるのは、A型肝炎である。
A型肝炎とは、A型肝炎ウイルス(HAV)感染による疾患である。通常、感染した人の便で汚染されたものを摂取したときに感染する。人の便が流れている海で育った貝類の摂取で感染することもある。初期症状は倦怠感や発熱、頭痛、筋肉痛等で、一過性の急性肝炎が主症状であり、治癒後に強い免疫が残る。治療は、通常、安静を含めた対症療法が中心となる。
2.〇 正しい。慢性化の頻度が高い。
ウイルス性肝炎とは、A、B、C、D、E型などの肝炎ウイルスの感染によって起こる肝臓の病気である。A型、E型肝炎ウイルスは主に食べ物を介して感染し、B型、C型、D型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染する。中でもB型、C型肝炎ウイルスについては、感染すると慢性の肝臓病を引き起こす原因ともなる。
3.× 劇症肝炎へ進展しやすいのは、B型肝炎である。
劇症肝炎とは、急性肝不全ともいい、肝臓の機能が急激に低下し、意識障害などの重篤な症状が現れる疾患である。この意識障害を「肝性脳症」といい、ひどい場合は昏睡状態に陥る。劇症肝炎(急性肝不全)は、全身の臓器に障害を引き起こしやすいため、肝臓に対する治療だけでなく、呼吸や循環などの全身的な管理が必要になる。劇症肝炎の原因は、肝炎ウイルスの感染、薬物アレルギー、自己免疫性肝炎などで、わが国では、B型肝炎ウイルスの感染によることが最も多く、全体の約40%を占めている。
4.× ワクチン予防が可能であるのは、B型肝炎である。
B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することによって生じる肝臓の病気のことである。B型肝炎ウイルスは主に感染者の血液や体液を介して感染する。たとえば、注射針を感染者と共用した場合や、感染者と性行為をした場合などに感染する。しかし、B型肝炎にはワクチンがあるため、適切にワクチンを接種することによって感染を予防することができる。