第29回(R3年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後96~100】

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

 

問題96 決断を主る臓腑と表裏関係にある臓腑の生理作用はどれか。

1.気を主る。
2.血流量を調節する。
3.全身の陽気を主る。
4.水分代謝を調節する。

解答

解説

MEMO

決断を主る臓腑は、である。

1.× 気を主る。
これは、肺の生理である。の生理は、①宣粛(宣発(宣布・発散)、粛降(清肅・下降。通調水道、水の上源))、②主気(呼吸を主る(治節)、一身の気を主る)※肺は百脈を朝ずが当てはまる。

2.〇 正しい。血流量を調節する
決断を主る臓腑=である。表裏関係にあるのは、である。肝の生理は、①疏泄(情志・気機・月経の調節、脾胃の補助、②蔵血(血の貯蔵、血液量の貯節)があてはまる。

3.× 全身の陽気を主る。
これは、である。心の生理は、①主血(血(脈)を主る(血を送り出す))、②神志(生命活動を維持し、精神活動を主宰する)があてはまる。

4.× 水分代謝を調節する。
これは、である。腎の生理は、①蔵精(精を貯蔵し、生命活動を調節する)、②主水(水を主り、水液代謝を調節する)、③納気(吸気を補助し、呼吸のバランスを保つ)があてはまる。

 

 

 

 

 

問題97 五臓とそれが蔵すものの組合せで正しいのはどれか。

1.肝:精
2.心:血
3.脾:営
4.腎:魂

解答

解説
1.× 精は、肝ではなくである。
精は、である。腎の生理は、①蔵精(精を貯蔵し、生命活動を調節する)、②主水(水を主り、水液代謝を調節する)、③納気(吸気を補助し、呼吸のバランスを保つ)があてはまる。

2.× 血は、心ではなくである。
血は、肝である。肝の生理として、①疏泄(情志・気機・月経の調節、脾胃の補助、②蔵血(血の貯蔵、血液量の貯節)があげられる。

3.〇 正しい。脾は、「営」である。
脾の生理として、①運化(飲食物を水穀の精微に変化させ、心・肺に運ぶ)、②統血(血が脈中から漏れ出るのを防ぐ:気の固摂作用)などがあげられ、脾は気血生成の源、生痰の源といわれる。口、涎、肌肉、唇、意、思、甘などに関わる。営を臓す。

4.× 魂は、腎ではなくである。
肝の生理として、①疏泄(情志・気機・月経の調節、脾胃の補助、②蔵血(血の貯蔵、血液量の貯節)があげられる。

 

 

 

 

 

問題98 三陰三陽病と症状の組合せで正しいのはどれか。

1.少陰病:臥床を好む
2.太陰病:便秘
3.少陽病:項のこわばり
4.陽明病:めまい

解答

解説
1.〇 正しい。少陰病:臥床を好む
少陰病は、外感病の極期~後期、虚寒/虚熱証。四肢厥冷、心煩、不眠などがあてはまる。

2.× 便秘は、「太陰病」ではなく陽明病である。
太陰病は、裏虚寒証(初期)、食欲不振、腹部膨満感、水様便などがあてはまる。

3.× 項のこわばりは、「少陽病」ではなく太陰病である。
少陽病は、半表半裹証、発汗、寒熱往来、胸脇苦満、口苦、眩暈、脈弦などがあてはまる。

4.× めまいは、「陽明病」ではなく少陽病である。
陽明病は、裏実熱証、発汗、壮熱、口渇、潮熱、大便秘結、譫語、洪脈などがあてはまる。

六経弁証

太陽病:外感病初期、表寒証。悪寒、発熱、頭痛、項強痛、脈浮など。
少陽病:半表半裹証。発汗、寒熱往来、胸脇苦満、口苦、眩暈、脈弦など。
陽明病:裏実熱証。発汗、壮熱、口渇、潮熱、大便秘結、譫語、洪脈など。
太陰病:裏虚寒証(初期)。食欲不振、腹部膨満感、水様便など。
少陰病:外感病の極期~後期、虚寒/虚熱証。四肢厥冷、心煩、不眠など。
厥陰病:外感病末期。寒熱錯雑。胸部不快感、口渇、四肢厥冷、嘔吐、下痢など。

 

 

 

 

 

問題99 次の文で示す症状を引き起こす六淫の性質に含まれるのはどれか。
 「梅雨の時期から体が重く下肢がむくみ、下痢をするようになった。」

1.遊走性
2.昇散性
3.粘滞性
4.収引性

解答

解説

本症例のポイント

梅雨の時期
・体が重く、下肢のむくみ、下痢。
→本症例は、湿邪が疑われる。湿邪は、陰性の邪気で重濁性、粘滞性、下注性がある。脾を損傷しやすい。気機を滞らせやすい。

1.× 遊走性は、風邪である。
風邪は、陽性の邪気で軽揚性、開泄性、遊走性があり、他の外邪の先導役となる(百病の長)。

2.× 昇散性は、暑邪である。
暑邪(熱邪)は、陽性の邪気で夏季のみに出現し、炎熱性、昇散性がある。気・津液を損傷しやすく、湿邪を伴う。

3.〇 正しい。粘滞性は、この症例の六淫の性質に含まれる。
本症例は、湿邪が疑われる。湿邪は、陰性の邪気で重濁性、粘滞性、下注性がある。脾を損傷しやすい。気機を滞らせやすい。

4.× 収引性は、寒邪である。
寒邪は、陰性の邪気で寒冷性、凝滞性、収引性があり、陽気を損傷しやすい。

六淫とは?

風邪:陽性の邪気で軽揚性、開泄性、遊走性があり、他の外邪の先導役となる(百病の長)。
寒邪:陰性の邪気で寒冷性、凝滞性、収引性があり、陽気を損傷しやすい。
暑邪(熱邪):陽性の邪気で夏季のみに出現し、炎熱性、昇散性がある。気・津液を損傷しやすく、湿邪を伴う。
湿邪:陰性の邪気で重濁性、粘滞性、下注性がある。脾を損傷しやすい。気機を滞らせやすい。
燥邪:陽性の邪気で乾燥性があり、肺を損傷しやすい。秋に現れることが多い。
火邪(熱邪):陽性の邪気で炎上性があり、気・津液を損傷する。また、生風、動血という特徴も持つ。

 

 

 

 

 

問題100 五労で正しいのはどれか。

1.久しく臥すは脾を傷る。
2.久しく視るは心を傷る。
3.久しく行くは腎を傷る。
4.久しく坐すは肺を傷る。

解答

解説
1.× 久しく臥す(久臥)は、「脾」ではなくを傷る。
脾は、久坐である。

2.〇 正しい。久しく視る(久視)は、心を傷る

3.× 久しく行く(久行)は、「腎」ではなくを傷る。
腎は、久立である。

4.× 久しく坐す(久坐)は、「肺」ではなくを傷る。
肺は、久臥である。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)