第29回(R3年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前1~5】

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専門基礎科目

問題1 我が国の国民医療費の現状について正しいのはどれか。

1.対国民所得比は15%を超える。
2.国民医療費は50兆円を超える。
3.財源は患者負担が30%を超える。
4.国民一人あたりの医療費は年間30万円を超える。

解答

解説

国民医療費とは?

「国民医療費」とは、当該年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものである。この費用には、医科診療や歯科診療にかかる診療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費等が含まれる。なお、保険診療の対象とならない評価療養(先進医療(高度医療を含む)等)、選定療養(入院時室料差額分、歯科差額分等)及び不妊治療における生殖補助医療などに要した費用は含まない。また、傷病の治療費に限っているため、(1)正常な妊娠・分娩に要する費用、(2)健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種等に要する費用、(3)固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等の費用も含まない。

(※一部抜粋:「国民医療費の範囲と推計方法の概要」厚生労働省HPより)

1.× 対国民所得比は、「15%」ではなく11.06%である。
ちなみに、対国民所得比とは、租税負担と社会保障負担(社会保険料など)の国民所得に占める割合のことである。

2.× 国民医療費は、「50兆円」ではなく44兆3,895億円である。

3.× 財源は、患者負担が30%を超えていない
財源別では、公費:16兆4991億円(38.4%)、保険料:21兆2641億円(49.5%)、その他:5兆2033億円(12.1%)となった。 その他のうち患者負担は、4兆9516億円(11.5%)である。

4.〇 正しい。国民一人あたりの医療費は年間30万円を超える
人口一人当たりの国民医療費は34万600円である。

(※データ参考:「令和2(2020)年度 国民医療費の概況」)

 

 

 

 

 

問題2 患者が治療に対して積極的に関わり、その決定を遵守するのはどれか。

1.アドヒアランス
2.コンプライアンス
3.患者の自己決定権
4.インフォームド・コンセント

解答

解説
1.〇 正しい。アドヒアランスは、患者が治療に対して積極的に関わり、その決定を遵守する。
アドヒアランスとは、医療現場で患者が治療方針の決定に賛同し、積極的に治療を受けることを意味する言葉である。コンプライアンスとは、医療者からの指示を患者が遵守することを指す。似たような言葉であるが、アドヒアランスは、患者が賛同、つまり能動的に治療を受けることを指す。

2.× コンプライアンス
コンプライアンスとは、医療者からの指示を患者が遵守することを指す。似たような言葉であるが、アドヒアランスは、患者が賛同、つまり能動的に治療を受けることを指す。

3.× 患者の自己決定権
自己決定権とは、一定の個人的な事柄について、公権力から干渉されることなく、自由に決定する権利である。 例えば、結婚・出産・治療・服装・髪型・趣味など、家族生活・医療・ライフスタイル等に関する選択、決定について、公共の福祉に反しない限りにおいて尊重される。

4.× インフォームド・コンセント
インフォームド・コンセントは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味する。医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を選択し、同意のもとで医療を行うことを指す。診断結果の伝達には「癌の告知」という重要な問題も含まれる。

 

 

 

 

 

問題3 地域医療計画の策定における第三次医療圏の圏域に相当するのはどれか。

1.市町村単位
2.広域市町村単位
3.都道府県単位
4.広域都道府県単位

解答

解説

医療圏の種類

1 次医療圏:原則は市区町村単位である。診療所の外来診療など日常的な医療を提供する。
2 次医療圏:複数の市区町村で構成する。救急医療を含む一般的な入院治療が完結するよう設定されている。
3 次医療圏:原則は都道府県単位である。重度のやけどの治療や臓器移値など特殊医療や先進医療を提供する。

1.× 市町村単位は、1 次医療圏の圏域に相当する。
1 次医療圏とは、原則は市区町村単位で、診療所の外来診療など日常的な医療を提供する。

2.× 広域市町村単位は、2 次医療圏の圏域に相当する。
2 次医療圏とは、複数の市区町村で構成し、救急医療を含む一般的な入院治療が完結するよう設定されている。

3.〇 正しい。都道府県単位は、第3次医療圏の圏域に相当する。
3 次医療圏とは、原則は都道府県単位で、重度のやけどの治療や臓器移値など特殊医療や先進医療を提供する。

4.× 広域都道府県単位は、定められていない。

 

 

 

 

 

問題4 介護保険制度について正しいのはどれか。

1.介護保険料は全国一律である。
2.被保険者は75歳以上の者である。
3.要介護認定の申請は市区町村に対して行う。
4.地域包括支援センターは都道府県が設置する。

解答

解説

介護保険制度とは?

介護保険制度とは、寝たきりや認知症等で常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合や、家事や身支度等の日常生活に支援が必要であり、特に介護予防サービスが効果的な状態(要支援状態)になった場合に、介護の必要度合いに応じた介護サービスを受けることができる。

【目標】
予防とリハビリテーションの重視、高齢者による選択、在宅ケアの推進、利用者本位のサービスの提供、社会連帯による支え合い、介護基盤の整備、重層的で効率的なシステム

【基本理念】
自己決定の尊重、生活の継続、自己支援(残存能力の活用)

1.× 介護保険料は全国一律ではない
介護保険料は、住んでいる地域(市町村)によって違う。

2.× (第1号)被保険者は、「75歳」ではなく65歳以上の者である。
ちなみに、第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の医療保険加入者である。

3.〇 正しい。要介護認定の申請は、市区町村に対して行う
要介護認定を受けようとする被保険者は、市町村に申請し、介護認定審査会の審査・判定に基づき、市町村が認定する。

4.× 地域包括支援センターは、「都道府県」ではなく市町村が設置する。
地域包括支援センターは『介護保険法』によって規定されている。地域包括支援センターとは、介護保険法に基づき各市町村によって設置されており、地域の高齢者の医療・福祉・介護・虐待など様々な事柄に関する相談窓口となっている。地域包括支援センターの人員基準は、「第1号被保険者(65歳以上の高齢者)3000人~6000人ごとに、保健師、社会福祉士及び主任介護支援専門員(準ずる者を含む)を最低限それぞれ各1人」である。

(※図引用:「みんなの介護」)

 

 

 

 

 

問題5 2019年の食中毒統計において食中毒の発生件数が最も多いのはどれか。

1.家庭
2.学校
3.病院
4.飲食店

解答

解説
1.× 家庭は、314人である。

2.× 学校は、228人である。

3.× 病院は、211人である。

4.〇 正しい。飲食店は、2019年の食中毒統計において食中毒の発生件数が最も多い。
7288人である。

(※データ引用:「令和4年食中毒発生状況(概要版)」厚生労働省より)

 

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