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問題21 膵臓について正しいのはどれか。
1.膵頭部は脾臓に接する。
2.腹膜で全体が覆われる。
3.膵管は十二指腸に開口する。
4.ランゲルハンス島は膵頭部に多い。
解答3
解説
(図引用:「肝臓周辺臓器 名称」illustAC様HPより)
1.× 膵頭部は、「脾臓」ではなく十二指腸に接する。
ちなみに、脾臓に接しているのは膵尾である。
2.× 腹膜で「全体」ではなく前面が覆われる。
なぜなら、膵臓は後腹膜器官であるため。後腹膜器官とは、後腹壁の壁側腹膜より後方に位置する臓器である。
3.〇 正しい。膵管は十二指腸に開口する。
オッディ括約筋とは、十二指腸下行部に開口する総胆管及び膵管の出口に当たる、大十二指腸乳頭周囲に存在する括約筋である。この筋肉は、胆汁や膵液の分泌量や流れをコントロールする役割がある。
4.× ランゲルハンス島は、「膵頭部」ではなく膵尾部に多い。
ランゲルハンス島とは、膵島ともいい、膵臓に存在する内分泌腺である。ランゲルハンス島にはα(A)細胞・β(B)細胞・δ(D)細胞があり、それぞれ異なるホルモンを分泌して血液中に含まれるグルコース(ブドウ糖)の濃度を調整する。これにより、血糖値を正常な状態に保つことができる。
後腹膜器官とは、後腹壁の壁側腹膜より後方に位置する臓器である。
・腹膜内臓器:胃、空腸、回腸、横行結腸、S状結腸、脾臓、卵巣、卵管、虫垂
・半腹膜内臓器:肝臓、膀胱、子宮、直腸、盲腸、上行結腸、下行結腸
・後腹膜器官:十二指腸、腎臓、副腎、尿管、腹部大動脈、下大静脈、交感神経幹。
問題22 痛覚の伝導路に含まれるのはどれか。
1.下丘
2.胸髄核
3.後索核
4.脊髄後角
解答4
解説
1.× 下丘は、聴覚の伝導路である。
聴覚伝導路は、「蝸牛神経→蝸牛神経核→上オリーブ核→中脳下丘→内側膝状体→上側頭回」である。
2.× 胸髄核は、非意識型深部感覚の伝導路である。
後脊髄小脳路は、主として下半身の深部感覚を伝える線維である。脊髄に入り後索をやや上行したのち、あるいは直接に後角の胸髄核に達する。ここでニューロンを代えて、同側の側索の後外側部の表層を後脊髄小脳路として上行し、下小脳脚を経て小脳に至る。(非交叉性)姿勢の調節運動における個々の筋の精密な協調のために必要な情報である。
3.× 後索核は、振動覚・位置覚の伝導路である。
振動覚、位置覚の伝導路は、「後根→後索(下肢からの線維は薄束を通って薄束核に終わり、上肢からの線維は楔状束を通って楔状束核に終わる)→延髄(後索核)→毛帯交叉→内側毛帯→視床後外側腹側核→感覚野」となる。
4.〇 正しい。脊髄後角は、痛覚の伝導路に含まれる。
温痛覚の伝導路は、感覚神経→脊髄後角→対側前角→外側脊髄視床路→後外側腹側核(視床)→後脚→大脳皮質体性感覚野となる。
問題23 皮膚について正しいのはどれか。
1.毛幹の下端を毛球という。
2.乳腺は皮膚腺の一種である。
3.表皮は多列円柱上皮である。
4.メラノサイトは真皮にある。
解答2
解説
(※図引用:「イラスト素材:毛根 肌の断面図」illustAC様HPより)
1.× 毛幹の下端を「毛球」ではなく毛根という。
毛球とは、毛根の一番下の部分は球状にふくらんでいる部分をいう。毛母細胞が栄養を取り込んで毛を成長させている。
2.〇 正しい。乳腺は皮膚腺の一種である。
乳腺とは、特殊な汗腺組織であり、乳汁を分泌するという働きを担っている。
3.× 表皮は「多列円柱上皮」ではなく平(扁)円柱上皮である。
平(扁)円柱上皮とは、魚の鱗に似た薄く平らな細胞によって構成される上皮。 皮膚・消化管・子宮頸部などにみられる。ちなみに、多列円柱上皮(重層円柱上皮)は、尿道に認められる。
4.× メラノサイトは、「真皮」ではなく表皮にある。
メラノサイトは、皮膚の表皮の最下層にある細胞で、メラニン色素を産生する。メラニン色素は、紫外線を吸収して皮膚を守る働きがある。メラノサイトが作るメラニンが多いと、皮膚の色が黒くなり、人種による色の違いの原因となる。
・単層扁平上皮:薄いので物質の交換などに向く。
(胸膜、腹膜、血管内皮、肺胞など)
・単層立方上皮:甲状腺の濾胞細胞など。
(甲状腺の濾胞上皮、尿細管など)
・単層円柱上皮:吸収と分泌を行う場所に向く。
消化器系(胃、小腸、大腸)、卵管・子宮など
・重層扁平上皮:摩擦など機械的刺激に強い。
皮膚、口腔~食道、肛門、膣など。
・多列線毛上皮:表面に線毛があり、杯細胞が豊富。線毛と粘液で塵や異物をからめとる。
鼻腔~気管・気管支(気道)
・移行上皮:伸び縮みすることができる。
腎杯腎~尿管~膀胱(尿路)
問題24 DNAについて誤っているのはどれか。
1.遺伝情報をもつ。
2.塩基は3種類である。
3.二重らせん構造である。
4.染色体に含まれる。
解答2
解説
1.〇 正しい。遺伝情報をもつ。
核酸とは、尿酸のもととなるデオキシリボ核酸〔DNA〕とリボ核酸〔RNA〕の総称で、ヌクレオチド(塩基+糖+リン酸)により構成される。動物や植物の細胞核の中に存在し、ヒトの遺伝情報に関係するはたらきがある。
2.× 塩基は、「3種類」ではなく4種類である。
DNAは、核の中の染色体にあり、A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4種類の塩基でできている。 DNA中ではAとT、GとCが結合していて、その結合の対を塩基対という。
3.〇 正しい。二重らせん構造である。
塩基にはプリン塩基であるアデニンとグアニン、ピリミジン塩基であるシトシン、チミン、ウラシルがある。アデニン、グアニン、シトシンはDNA・RNAに共通であるが、チミンはDNAにのみ、ウラシルはRNAにのみ存在する。特殊な例を除き、DNAは2本鎖、RNAは1本鎖である。
4.〇 正しい。染色体に含まれる。
染色体は、細胞の中にあって DNAや多くの遺伝子が格納されている構造体である。 遺伝子とは、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録された領域で、物質としてはDNA(デオキシリボ核酸)で構成されている。
問題25 血管について正しいのはどれか。
1.動脈は静脈より血管抵抗が小さい。
2.動脈は静脈より多くの血液を貯留する。
3.静脈弁は血液の逆流を防ぐ。
4.歩行時には静脈還流量が低下する。
解答3
解説
1.× 動脈は静脈より血管抵抗が大きい。
なぜなら、動脈は心臓の拍動した血液を体内に巡らせる必要があるため。ちなみに、末梢血管抵抗とは、末梢の血管の血液の流れにくさを表す。
2.× 逆である。「静脈」は「動脈」より多くの血液を貯留する。
なぜなら、静脈は動脈に比べ、中膜が多く弾性線維も少ないため。したがって、やわらかく伸展しやすく、血液を貯留しやすいことから容量血管と呼ばれている。
3.〇 正しい。静脈弁は血液の逆流を防ぐ。
下腿静脈瘤とは、静脈弁機能不全により下肢の静脈が逆流し、皮下静脈瘤が拡張・蛇行している状態である。誘因として、妊娠出産、立ち仕事、デスクワーク、スポーツ、肥満、加齢などがあげられる。
4.× 歩行時には静脈還流量が、上昇する。
なぜなら、運動(歩行)によって、心拍機能が上昇するため。一方で、長期臥床では、心肺機能が低下し、下肢からの静脈還流量の低下による心拍出量の減少、脈拍数の増加、最大酸素摂取量の減少などの生体に影響がある。