第30回(R4年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後106~110】

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問題106 十二刺の偶刺に基づいた治療穴の組合せで正しいのはどれか。

1.太淵:列欠
2.太淵:肺兪
3.中府:列欠
4.中府:肺兪

解答

解説

偶刺とは?

偶刺とは、心痹のとき、胸部と背部の圧痛・反応点を前後から刺す。2本使用する。

1.× 太淵:列欠
太淵(※読み:たいえん):手関節前外側、橈骨茎状突起と舟状骨の間、長母指外転筋腱の尺側陥凹部。
列欠(※読み:れっけつ):前腕橈側、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間、手関節掌側横紋の上方1寸5分。

2.× 太淵:肺兪
太淵(※読み:たいえん):手関節前外側、橈骨茎状突起と舟状骨の間、長母指外転筋腱の尺側陥凹部。
肺兪(※読み:はいゆ):上背部、第3胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。

3.× 中府:列欠
中府(※読み:ちゅうふ):前胸部、第1肋間と同じ高さ、鎖骨下高の外側、前正中線の外方6寸。
列欠(※読み:れっけつ):前腕橈側、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間、手関節掌側横紋の上方1寸5分。

4.〇 正しい。中府:肺兪が、胸部と背部の組み合わせである。
中府(※読み:ちゅうふ):前胸部、第1肋間と同じ高さ、鎖骨下高の外側、前正中線の外方6寸。
肺兪(※読み:はいゆ):上背部、第3胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。

 

 

 

 

 

問題107 経脈の流注で生殖器をめぐるのはどれか。

1.足の陽明経
2.足の太陰経
3.足の少陰経
4.足の厥陰経

解答

解説
1.× 足の陽明経
足の陽明経は、承泣から厲兌である。
承泣(※読み:しょうきゅう):顔面部、眼球と眼窩下緑の間、瞳孔線上。
厲兌(※読み:れいだ):足の第2指、末節骨外側、爪甲角の近位外方1分(指寸)、爪甲外側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。

2.× 足の太陰経
足の太陰経は、隠白から大包である。
隠白(※読み:いんぱく):足の第1指、末節骨の内側、爪甲角の近内方1分(指付)、爪甲内側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。
大包(※読み:だいほう):側胸部、第6肋間、中腋窩線上。

3.× 足の少陰経
足の少陰経は、湧泉から兪府である。
湧泉(※読み:ゆうせん):足底、足指屈曲時、足底の最陥凹部。
兪府(※読み:ゆふ):前胸部、鎖骨下縁、前正中線の外方2寸。

4.〇 正しい。足の厥陰経は、経脈の流注で生殖器をめぐる。
足の厥陰経は、大敦から期門である。
大敦(※読み:だいとん):足の第1指、末節骨外側、爪甲角の近位外側1分(指付)、爪甲外側の垂直線と爪甲基底部の水平線の交点
期門(※読み:きもん):前胸部、第6肋間、前正中線の外方4寸

 

 

 

 

 

問題108 八会穴で募穴でもある経穴が所属する経脈はどれか。

1.足の太陰経
2.足の厥陰経
3.足の太陽経
4.足の少陽経

解答

解説

八会穴

腑会-中脘【任】、臟会-章門【肝】、筋会-陽陵泉【胆】、髄会-懸鍾【胆】、血会-膈兪【膀】、骨会-大杼【膀】、脈会-太淵【肺】、気会-膻中【任】

1.× 足の太陰経
足の太陰脾経は、隠白から大包である。
隠白(※読み:いんぱく):足の第1指、末節骨の内側、爪甲角の近内方1分(指付)、爪甲内側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。
大包(※読み:だいほう):側胸部、第6肋間、中腋窩線上。

2.〇 正しい。足の厥陰経は、八会穴で募穴でもある経穴が所属する経脈である。
章門(※読み:しょうもん):側腹部、第11肋骨端下縁が当てはまる。
足の厥陰肝経は、大敦から期門である。
大敦(※読み:だいとん):足の第1指、末節骨外側、爪甲角の近位外側1分(指付)、爪甲外側の垂直線と爪甲基底部の水平線の交点。
期門(※読み:きもん):前胸部、第6肋間、前正中線の外方4寸。

3.× 足の太陽経
足の太陽膀胱経は、晴明から至陰である。
晴明(※読み:せいめい):顔面部、内眼角の内上方と眼窩内側壁の間の陥凹部。
至陰(※読み:しいん):足の第5指、末節骨外側、爪甲角の近位外方1分(指寸)、爪甲外の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。

4.× 足の少陽経
足の少陽胆経は、瞳子髎から足竅陰である。
瞳子髎(※読み:どうしりょう):頭部、外眼角の外方5分、陥凹部。
足竅陰(※読み:あしきょういん):足の第4指、末節骨外側、爪甲角の近位外方1分(指付)、爪甲外側縁の垂線と爪甲基部の水平線の交点。

 

 

 

 

 

問題109 骨度で胸骨体下端から臍中央と同じ寸法はどれか。

1.内果尖から肝経の絡穴
2.外果尖から胃経の絡穴
3.手関節掌側横紋から肺経の郄穴
4.手関節背側横紋から大腸経の郄穴

解答

解説

MEMO

骨度で胸骨体下端から臍中央
→8寸

1.× 内果尖から肝経の絡穴
肝経の絡穴は、蠡溝である。蠡溝(※読み:れいこう):下腿前内側、脛骨内側面の中央、内果尖の上方5寸

2.〇 正しい。外果尖から胃経の絡穴は、骨度で胸骨体下端から臍中央と同じ寸法である。
胃経の絡穴は、豊隆である。豊隆(※読み:ほうりゅう):下腿前外側、前脛骨筋の外縁、外果尖の上方8寸

3.× 手関節掌側横紋から肺経の郄穴
肺経の郄穴は、孔最である。孔最(※読み:こうさい):前腕前外側、尺沢と太淵を結ぶ線上、手関節掌側横紋の上方7寸

4.× 手関節背側横紋から大腸経の郄穴
大腸経の郄穴は、温溜である。温溜(※読み:おんる):前腕後外側、陽渓と曲池を結ぶ線上、手関節背側横紋の上方5寸

骨度法とは?

骨度法とは、骨を基準にして、身体各所の長さを尺寸によって定める方法である。

骨度法:1尺10寸、1寸10分
【頭顔面部】
前髪際中点~後髪際中点:1尺2寸
眉間~前髮際中点:3寸
両額角際間:9寸
両乳様突起間:9寸

【胸腹部】
頸切痕~胸骨体端:9寸
胸骨体下端~臍中央:8寸
臍中央~恥骨結合上縁:5寸
両乳頭間:8寸

【上肢】
左右の肩甲棘内端縁間:6寸
中指尖~手関節横紋:8寸5分
腋窩横紋前端または後端~肘窩:9寸
肘窩~手関節横紋:1尺2寸

【下肢】
恥骨結合上縁~膝蓋骨上縁:1尺8寸
膝蓋骨尖~内果尖:1尺5寸
脛骨内側顆下縁~内果尖:1尺3寸
脛骨内側顆下縁~膝蓋骨尖:2寸
大転子頂点~膝窩:1尺9寸
殿溝~膝窩:1尺4寸
膝窩~外果尖:1尺6寸
内果尖~足底:3寸
足指尖~踵(足底):1尺2寸

 

 

 

 

 

問題110 デルマトームのTh7からTh10領域に位置する募穴の臓腑はどれか。

1.胃
2.小腸
3.心包
4.三焦

解答

解説
1.〇 正しい。は、デルマトームのTh7からTh10領域に位置する募穴の臓腑である。
胃の募穴は、中脘である。
中脘(※読み:ちゅうかん):上腹部、前正中線上、臍中央の上方4寸

2.× 小腸
小腸の募穴は、関元である。
関元(※読み:かんげん):下腹部、前正中線上、臍中央の下方3寸

3.× 心包
心包の募穴は、膻中である。
膻中(※読み:だんちゅう):前胸部、前正中線上、第4肋間と同じ高さ

4.× 三焦
三焦の募穴は、石門である。
石門(※読み:せきもん):下腹部、前正中線上、臍中央の下方2寸

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

 

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