第30回(R4年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後111~115】

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問題111 胸骨角を基準に取るのはどれか。

1.幽門
2.鳩尾
3.玉堂
4.気舎

解答

解説

(※「イラスト素材:胸郭」illustAC様)

1.× 幽門(※読み:ゆうもん)
幽門は、上腹部、臍中央の上方6寸、前正中線の外方5分に位置する。

2.× 鳩尾(※読み:きゅうび)
鳩尾は、上腹部、前正中線上、胸骨体下端の下方1寸に位置する。

3.〇 正しい。玉堂(※読み:ぎょくどう)は、胸骨角を基準に取る。
玉堂は、前胸部、前正中線上、第3肋間と同じ高さに位置する。

4.× 気舎(※読み:きしゃ)
気舎は、前頸部、小鎖骨上窩で鎖骨胸骨端の上方、胸鎖乳突筋の胸骨頭と鎖骨頭の間の陥凹部に位置する。

 

 

 

 

 

問題112 督脈の経穴で、外方3寸に膀胱経の経穴がないのはどれか。

1.陶道
2.霊台
3.懸枢
4.腰兪

解答

解説
1.× 陶道(※読み:とうどう)は、督脈の経穴で、外方3寸に膀胱経の経穴がない。
陶道は、上背部、後正中線上、第1胸椎棘突起下方の陥凹部に位置する。
外方3寸には、手の太陽小腸経の肩外兪(※読み:けんがいゆ)がある。肩外兪は、上背部、第1胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸に位置する。

2.〇 霊台(※読み:れいだい)
霊台は、上背部、後正中線上、第6胸椎棘突起下方の陥凹部に位置する。
外方3寸には、譩譆(※読み:いき)がある。譩譆は、上背部、第6胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸に位置する。。聴診三角の部位にあたる。

3.〇 懸枢(※読み:けんすう)
懸枢は、腰部、後正中線上、第1腰椎棘突起下方の陥凹部に位置する。
外方3寸には、肓門(※読み:こうもん)がある。肓門は、腰部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸に位置する。

4.〇 腰兪(※読み:ようゆ)
腰兪は、仙骨部、後正中線上、仙骨裂孔に位置する。
外方3寸には、秩辺(※読み:ちっぺん)がある。秩辺は、殿部、第4後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方3寸に位置する。下髎と同じ高さにあたる。

 

 

 

 

 

問題113 深刺の際に最も注意すべき腧穴はどれか。

1.八風
2.秉風
3.風市
4.風池

解答

解説
1.× 八風(※読み:はっぷう)
八風は、足背、各中足指節関節の間に取る。
【主治】足の痛み(脚気、足背痛、足指の発赤・腫張、関節リウマチ)

2.× 秉風(※読み:へいふう)
秉風は、肩甲部、棘上窩、肩甲棘中点の上方に位置する。

3.× 風市(※読み:ふうし)
風市は、大腿部外側、直立して腕を下垂し、手掌を大腿部に付けたとき、中指の先端があたる腸脛靭帯後方陥凹部に位置する。

4.〇 正しい。風池(※読み:ふうち)は、深刺の際に最も注意すべき腧穴である。
なぜなら、深部に椎骨動脈が通るため。風池は、前頸部、後頭骨の下方、胸鎖乳突筋と僧帽筋の起始部の間、陥凹部に位置する。

 

 

 

 

 

問題114 経穴の部位で正しいのはどれか。

1.伏兎は、大腿前外側、大腿直筋腱の外側で膝蓋骨底の上方3寸にある。
2.承扶は、大腿部後面、大腿二頭筋と半腱様筋の間、殿溝の下方6寸にある。
3.風市は、大腿部外側、腸脛靱帯の後方で、膝窩横紋の上方7寸にある。
4.陰包は、大腿部内側、薄筋と縫工筋の間、膝蓋骨底の上方4寸にある。

解答

解説
1.× 大腿前外側、大腿直筋腱の外側で膝蓋骨底の上方3寸にあるのは、「伏兎(※読み:ふくと)」ではなく陰市(※読み:いんし)である。
伏兎は、大腿前外側、膝蓋骨底外端と上前腸骨棘を結ぶ線上、膝蓋骨底の上方6寸に位置する。

2.× 大腿部後面、大腿二頭筋と半腱様筋の間、殿溝の下方6寸にあるのは、「承扶(※読み:しょうふ)」ではなく殷門(※読み:いんもん)である。
承扶は、殿部、殿溝の中点に位置する。深部に坐骨神経が通る。

3.× 大腿部外側、腸脛靱帯の後方で、膝窩横紋の上方7寸にあるのは、「風市(※読み:ふうし)」ではなく中瀆(※読み:ちゅうとく)である。
風市は、大腿部外側、直立して腕を下垂し、手掌を大腿部に付けたとき、中指の先端があたる腸脛靭帯後方陥凹部に位置する。

4.〇 正しい。陰包(※読み:いんぽう)は、大腿部内側、薄筋と縫工筋の間、膝蓋骨底の上方4寸にある

 

 

 

 

 

問題115 長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間にある経穴について正しいのはどれか。

1.主に急性症状の治療で用いる。
2.督脈との交会穴である。
3.脈気が溜るところにあたる。
4.頭項の病に用いる。

解答

解説

列欠(※読み:れっけつ)

列欠は、前腕橈側、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間、手関節掌側横紋の上方1寸5分に位置する。絡穴のひとつである。

1.× 主に急性症状の治療で用いるのは、郄穴である。
列欠は、絡穴のひとつで、慢性症状に用いられる。

2.× 督脈との交会穴であるのは、後渓である。
列欠は、任脈との交会穴である。

3.× 脈気が溜るところにあたるのは、滎穴(※読み:えいけつ)である。
滎穴は、経気が溜(脈気が流れるところ)を主り、主治が身熱(体の熱)である経穴である。

4.〇 正しい。頭項の病に用いる
列欠【肺】は、頭項部疼痛に用いられる。

 

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