第30回(R4年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後116~120】

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問題116 正中神経の分布領域にある経穴はどれか。

1.商陽
2.関衝
3.少衝
4.少沢

解答

解説

MEMO

正中神経の走行は、腕神経叢を出たのち上腕骨に沿って走り、前腕では橈骨と尺骨の間を走り手根管をくぐりぬけて、主に手の親指側に分布する。支配する感覚の領域は手のひら側の親指から薬指の半分とその下の手のひら、手背側では親指から薬指の半分の指先である。

1.〇 正しい。商陽(※読み:しょうよう)は、正中神経の分布領域にある経穴である。
商陽は、示指、末筋骨橈側、爪甲角の近位外方1分(指寸)、爪甲橈側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点に位置する。

2.× 関衝(※読み:かんしょう)は、尺骨神経領域である。
関衝は、薬指、末節骨尺側、爪甲尺側縁の垂直線と爪甲基底部の水平線との交点 に位置する。

3.× 少衝(※読み:しょうしょう)は、尺骨神経領域である。
少衝は、小指、末節骨橈側、爪甲角の近位外方1分(指寸)、爪甲橈側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点に位置する。

4.× 少沢(※読み:しょうたく)は、尺骨神経領域である。
少沢は、小指、末節骨尺側、爪甲角の近位内方1分(指寸)、爪甲尺側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点に位置する。

 

 

 

 

 

問題117 第4・第5中手骨の間にあるのはどれか。

1.労宮
2.少府
3.腕骨
4.落枕

解答

解説
1.× 労宮(※読み:ろうきゅう)
労宮は、手掌、第2~3中手骨間、中手指節関節の近位陥凹部に位置する。別説において、手掌、第3~4中手骨間、中手指節関節の近位陥凹部に位置する。

2.〇 正しい。少府(※読み:しょうふ)は、第4・第5中手骨の間にある。
少府は、手掌、第5中手指節関節の近位端と同じ高さ、第4・5中手骨の間に位置する。労宮(心包経)と同じ高さにあたる。

3.× 腕骨(※読み:わんこつ)
腕骨は、手関節後内側、第5中手骨底部と三角骨の間の陥凹部、赤白肉際に位置する。

4.× 落枕(落沈)(※読み:らくちん)
落沈は、手背、第2・3中手指節関節の間の近位陥凹部に取る。別名は、外労宮(※読み:そとろうきゅう)という。奇穴の【主治】寝違えである。

 

 

 

 

 

問題118 経穴と取り方の指標の組合せで正しいのはどれか。

1.顴髎:外眼角を通る垂線上
2.地倉:瞳孔を通る垂線上
3.四白:耳垂下縁を通る水平線
4.下関:頬骨弓中央の上際

解答

解説
1.〇 正しい。顴髎(※読み:けんりょう):外眼角を通る垂線上
顴髎は、顔面部、外眼角の直下、頬骨下方の陥凹部に位置する。下関(胃経)の前方にあたる。

2.× 地倉(※読み:ちそう)は、瞳孔を通る垂線上ではない。
地倉は、顔面部、口角の外方4分(指寸)に位置する。

3.× 耳垂下縁を通る水平線は、「四白」ではなく牽正(※読み:けいせい)である。
四白(※読み:しはく)は、顔面部、眼窩下孔部に位置する。眼窩下神経の出る部にあたる。ちなみに、牽正は、顔面部、下関(胃)から下方に引いた垂線と、耳垂下縁を通る水平線との交点にとる。奇穴の【主治】顔面神経麻痺、耳下腺炎、口腔潰瘍である。

4.× 頬骨弓中央の上際は、「下関」ではなく上関(※読み:じょうかん)である。
下関(※読み:げかん)は、顔面部、類骨弓の下縁中点と下顎切痕の間の陥凹部に位置する。ちなみに、上関(※読み:じょうかん)は、頭部、頬骨弓中央の上際陥凹部に位置する。別名:客主人(※読み:きゃくしゅじん)である。頻骨弓をはさんで、下関(胃経)の直上にあたる。

 

 

 

 

 

問題119 所属経脈が表裏関係にあるのはどれか。

1.頭竅陰と足竅陰
2.手五里と足五里
3.腰陽関と膝陽関
4.腹通谷と足通谷

解答

解説

陰経:陽経
【木】肝:胆
【火】心:小腸
【土】脾:胃
【金】肺:大腸
【水】腎:膀胱
【火】心包:三焦

1.× 頭竅陰と足竅陰は、ともに足の少陽胆経である。
頭竅陰(※読み:あたまきょういん)は、頭部、乳様突起の後上方、天衝と完骨を結ぶ(耳の輪郭に沿った)曲線上、天衝から2/3に位置する。
足竅陰(※読み:あしきょういん)は、足の第4指、末節骨外側、爪甲角の近位外方1分(指付)、爪甲外側縁の垂線と爪甲基部の水平線の交点に位置する。

2.× 手五里と足五里
手の陽明大腸経である手五里(※読み:てごり)は、上腕外側、曲池と肩隅を結ぶ線上、肘窩横紋の上方3寸に位置する。※深部に橈骨神経幹が通る。
足の厥陰経である足五里(※読み:あしごり)は、大腿部内側、気衝の下方3寸、動脈拍動部に位置する。

3.× 腰陽関と膝陽関
脈である腰陽関(※読み:こしようかん)は、腰部、後正中線上、第4腰椎棘突起下方の陥凹部に位置する。
足の少陽経である膝陽関(※読み:ひざようかん)は、膝外側、大腿二頭筋腱と腸脛靭帯の間の陥凹部、大腿骨外側上顆の後上縁に位置する。

4.〇 正しい。腹通谷と足通谷は、所属経脈が表裏関係にある。
足の少陰経である腹通谷(※読み:はらつうこく)は、上腹部、臍中央の上方5寸、前正中線の外方5分に位置する。
足の太陽膀胱経である足通谷(※読み:あしつうこく)は、足の第5指、第5中足指節関節の遠位外側陥凹部、赤白肉際に位置する。

 

 

 

 

 

問題120 腓骨の後方に取る経穴はどれか。

1.陽維脈の郄穴
2.胆経の郄穴
3.胆経の絡穴
4.八会穴の髄会

解答

解説
1.〇 正しい。陽維脈の郄穴は、腓骨の後方に取る経穴である。
陽維脈の郄穴は、陽交である。陽交(※読み:ようこう)は、下腿外側、腓骨の後方、外果尖の上方7寸に位置する。外丘と飛揚(膀胱経)との間にあたる。

2.× 胆経の郄穴
胆経の郄穴は、外丘である。外丘(※読み:がいきゅう)は、下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方7寸に位置する。陽交と下巨虚(胃経)との間にあたる。

3.× 胆経の絡穴
胆経の絡穴は、光明である。光明(※読み:こうめい)は、下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方5寸に位置する。

4.× 八会穴の髄会
八会穴の髄会は、懸鍾である。懸鍾(※読み:けんしょう)は、下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方3寸に位置する。跗陽(膀胱経)の前方にあたる。

 

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