第30回(R4年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前36~40】

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問題36 フィブリノゲンの滲出が特徴的なのはどれか。

1.壊疽性炎
2.化膿性炎
3.漿液性炎
4.線維素性炎

解答

解説

フィブリノゲンとは?

フィブリノゲンとは、血漿タンパクの一つであり、凝固因子の活性化によってフィブリンとなり、血液を凝固させる働きを持つ。増加した場合、血漿の粘稠度が上昇し血栓形成傾向を示す。 一方、低値の場合、播種性血管内凝固症候群(DIC)と肝機能障害が疑われる。

1.× 壊疽性炎
壊疽性炎症(腐敗性炎症、壊死性炎症とも)は、滲出物に腐敗菌が感染して起こる炎症である。壊死に陥った組織がさらに腐敗菌の感染を受けることで、腐敗分解が進行しアンモニアやアミン類などが産生され、壊死に悪臭のある腐敗現象が加わった場合に起こる。

2.× 化膿性炎
化膿性炎症とは、滲出物に多量の好中球を含む炎症で、漿液に混ざっているものを漿液化膿性炎、線維素が混ざっているものを線維素化膿性炎という。膿性カタルや蜂窩織炎があてはまる。

3.× 漿液性炎
漿液性炎症とは、液体成分主体の滲出物の炎症で急性期炎症初期の炎症性充血を伴う病変のことである。 毛細血管網の発達した組織に起こりやすく、一般的に滲出液中にフィブリノゲンを含まないため、淡黄色でほぼ透明である。

4.〇 正しい。線維素性炎は、フィブリノゲンの滲出が特徴である。
線維素性炎症とは、血漿の滲出物に大量のフィブリノゲンを含む炎症のことである。生体組織の滲出液中に線維素(フィブリン)が析出し、細網状に沈着する。これは、漿膜、粘膜、肺などに好発し、代表的な例としては、胸膜炎や腹膜炎などが挙げられる。

 

 

 

 

 

問題37 抗原提示細胞はどれか。

1.NK細胞
2.好酸球
3.Tリンパ球
4.マクロファージ

解答

解説

単球とは?

単球とは、白血球の一種で、最も大きなタイプの白血球である。マクロファージなどへ分化し、貧食・消化・殺菌などの機能を発揮する。単球は、末梢血白血球の2~9%を占める。ちなみに、マクロファージとは、単球から分化し、貧食能を有する。異物を貪食して抗原提示細胞になり、抗原情報がリンパ球に伝えられる。直径15~20μmの比較的大きな細胞で、全身の組織に広く分布しており、自然免疫(生まれつき持っている防御機構)において重要な役割を担っている。

1.× NK細胞
ナチュラルキラー細胞は、ウイルス感染細胞や腫瘍細胞の傷害に働く。ナチュラルキラー細胞は、抗原を認識するための受容体をもたず、標的細胞を直接攻撃する。また、免疫グロブリンすなわち抗体は、B細胞により作られる。

2.× 好酸球
好酸球とは、主に寄生虫に対する免疫反応が役割である。ほかにも、アトピー性皮膚炎や薬剤アレルギー、気管支喘息などでも増加する。末梢血白血球の1~6%を占め、呼吸器や腸管などに存在する。

3.× Tリンパ球
Tリンパ球とは、T細胞ともいい、血液中に存在するリンパ球のうち、おおよそ60〜80%の割合を占める細胞である。ヘルパーT細胞は、樹状細胞(皮膚や血液中に存在する免疫細胞)から抗原の情報を伝達してもらい(抗原掲示)、キラーT細胞に指示をしたり、B細胞やマクロファージを活性させたりする役割を持つ。

4.〇 正しい。マクロファージは、抗原提示細胞である。
マクロファージとは、単球から分化し、貧食能を有する。異物を貪食して抗原提示細胞になり、抗原情報がリンパ球に伝えられる。直径15~20μmの比較的大きな細胞で、全身の組織に広く分布しており、自然免疫(生まれつき持っている防御機構)において重要な役割を担っている。

リンパ球とは?

リンパ球とは、脊椎動物の免疫系における白血球のサブタイプの一つである。リンパ球には①ナチュラルキラー細胞、②T細胞、③B細胞がある。B細胞は体液性免疫を担当し、B細胞から活性化して形質細胞となり抗体を産生する。

 

 

 

 

 

問題38 癌と前癌病変の組合せで正しいのはどれか。

1.乳癌:乳腺症
2.口腔癌:白板症
3.子宮体癌:子宮筋腫
4.前立腺癌:前立腺肥大

解答

解説

前癌病変とは?

前癌病変とは、正常組織よりも癌を発生しやすい形態学的に変化した組織のことをいう。

1.× 乳癌の前癌病変は、異型乳管過形成などである。
乳腺症とは、30~50代の女性でよくみられる良性の疾患の総称である。乳腺症は、正常とは異なる状態に乳腺が変化している状態を指しており、基本的に良性腫瘍である乳腺症が、悪性腫瘍である乳癌へ変化することはない。

2.〇 正しい。口腔癌:白板症
口腔内の前癌病変の一つに白板症がある。白板症とは、口腔粘膜に生じた、摩擦によって除去できない白色の板状あるいは斑状の角化病変で、40歳以上の男性の舌や歯肉、頬粘膜に好発するといわれる。

3.× 子宮体癌の前癌病変は、子宮内膜異型増殖症などである。
子宮筋腫とは、子宮を構成している平滑筋という筋肉組織由来の良性腫瘍で、比較的若い方から閉経後の方まで高頻度に見られる疾患である。子宮筋腫は切迫流産・早産、前期破水、胎盤の位置異常、妊娠高血圧症候群などのリスクとなる。

4.× 前立腺癌の前癌病変は、前立腺上皮内腫瘍などである。
前立腺肥大症とは、前立腺が肥大して尿道を圧迫し、尿が出にくくなる病気である。

 

 

 

 

 

問題39 脳性麻痺で、はさみ脚歩行を呈するのはどれか。

1.痙直型
2.失調型
3.非緊張型
4.アテトーゼ型

解答

解説

脳性麻痺とは?

脳性麻痺とは、お腹の中にいる間から、生後4週間までの間に発生した脳への損傷によって引き起こされる運動機能の障害を指す。失調型やアテトーゼ型などのタイプがある。

1.〇 正しい。痙直型は、脳性麻痺で、はさみ脚歩行を呈する。
はさみ足歩行(痙性対麻痺歩行)は、足尖で歩行し、両膝をするように歩く。痙直型脳性麻痺の場合、股関節が屈曲・内転・内旋しやすく、尖足になりやすい。痙直型の特徴として、①機敏性の低下、②筋力低下、③脊髄反射の亢進などである。それらに加えて、脊髄レベルでの相反神経作用の障害として、動筋と拮抗筋が同時に過剰収縮を起こす病的な同時収縮や痙直の強い拮抗筋からの過剰な緊張性相反性抑制による④動筋の機能不全がみられる。

2.× 失調型
失調型とは、脳性麻痺の小児の5%未満にみられ、体の動きがうまく協調せず、筋力の低下がみられる。物に手を伸ばしたときにふるえるような動き(ある種の振戦)がみられる(小脳障害により共同運動や平衡機能障害)。

3.× 非緊張型
非緊張型とは、安静時の全身の緊張が低いが、ゆっくりとしたジストニア運動が主体に見られるのが特徴である。緊張型とは、安静時の筋緊張の工程によって分類される。

4.× アテトーゼ型
アテトーゼとは、顔や手足をゆっくりと動かしてしまうものである。身体が突っ張ったり捻じれたりするジストニア、顔や手足をゆっくりと動かしてしまうアテトーゼ、踊るように身体を振ってしまう舞踏運動、上肢や下肢をいきなり大きく振り回してしまうバリズムなどがある。

 

 

 

 

 

問題40 対光反射の遠心路はどれか。

1.動眼神経
2.三叉神経
3.外転神経
4.顔面神経

解答

解説

対光反射とは?

瞳孔反射(対光反射)は、ペンライトを用い、瞳孔に光を入れ、縮瞳を観察する。瞳孔反射は、【求心路】視神経、【遠心路】動眼神経である。

1.〇 正しい。動眼神経は、対光反射の遠心路である。
瞳孔反射は、【求心路】視神経、【遠心路】動眼神経である。

2.× 三叉神経
三叉神経とは、咀嚼運動にかかわる脳神経である。三叉神経は、主に咀嚼筋の咀嚼運動と顔面の皮膚感覚を司る。運動神経と感覚神経を含む。

3.× 外転神経
外転神経とは、眼球運動に関わる脳神経である。外側直筋を支配し、外側への眼球運動を行う。

4.× 顔面神経
顔面神経とは、表情筋の運動、涙腺や口蓋腺などの分泌作用制御の副交感神経、および味覚を司る感覚神経を含む混合神経である。したがって、顔面神経の障害により、顔面表情筋の障害、角膜反射低下、聴覚過敏、味覚低下(舌前2/3)、涙分泌低下、唾液分泌低下などが起こる。

(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)

 

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