第31回(R5年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後91~95】

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問題91 五行色体における五臓と五労の組合せで誤っているのはどれか。

1.肝:久視
2.脾:久坐
3.肺:久臥
4.腎:久立

解答

解説
1.× 肝は、五行の「」である。
一方、久視は、五行の「」である。

2.〇 正しい。脾:久坐
両者は、五行の「」である。

3.〇 正しい。肺:久臥
両者は、五行の「」である。

4.〇 正しい。腎:久立
両者は、五行の「」である。

 

 

 

 

 

問題92 成長や生殖活動を行うもととなる基本的な物質の生理作用で最も適切なのはどれか。

1.神を維持する。
2.血脈を満たす。
3.呼吸を推動する。
4.体温を一定に保つ。

解答

解説
1.〇 正しい。神を維持する
血は、営気・津液で構成される栄養豊富な液体で、気の推動作用によって全身を循環し、自要している。血の運行は、心・肺・肝・脾などの機能と関連して行われる。また、神の機能を維持している。

2.× 血脈を満たす。
これは、気の営気に関する説明である。営気とは、津液を血に変化させ、脈中を巡らせる。豊かな栄養分により組織・器官の活動を支える気である。

3.× 呼吸を推動する。
これは、気の宗気に関する説明である。宗気とは、呼吸で得られる気(水穀の精微と精気)によって化生された気である。胸中に集まり、心肺の活動(呼吸・血の推動)を支える。

4.× 体温を一定に保つ。
これは、気の衛気に関する説明である。衛気とは、体表(昼)と体内(夜)をめぐる活動性の高い気のことである。全身を温め、腠理の開闔により、発汗を調節し、外邪の侵襲を防ぐ。

 

 

 

 

 

問題93 三焦を通って臓腑の気になるのはどれか。

1.宗気
2.衛気
3.営気
4.原気

解答

解説
1.× 宗気
宗気とは、呼吸で得られる気(水穀の精微と精気)によって化生された気である。胸中に集まり、心肺の活動(呼吸・血の推動)を支える。

2.× 衛気
衛気とは、体表(昼)と体内(夜)をめぐる活動性の高い気のことである。全身を温め、腠理の開闔により、発汗を調節し、外邪の侵襲を防ぐ。つまり、脈外をめぐる。

3.× 営気
営気とは、津液を血に変化させ、脈中を巡らせる。豊かな栄養分により組織・器官の活動を支える気である。

4.〇 正しい。原気は、三焦を通って臓腑の気になる。
原気とは、元気ともいい、先天の精を源とし、生命活動の原動力となる気である。三焦を通って、全身に分布し、臓腑の生理活動を始動させる。

 

 

 

 

 

問題94 条達作用をもつ臓腑と相生関係にある臓腑の作用はどれか。

1.気血の源
2.水穀の海
3.水の上源
4.陰陽の根本

解答

解説
1.× 気血の源
気血生成の源とは、水穀の精微(後天の精)ともいい、気や血となって全身を巡る作用のことをさす。脾胃(中焦)の働きにより、飲食物(水穀)より得られる精である。

2.× 水穀の海
水穀の海とは、飲食物である水分や穀物を溜めるの別称である。

3.× 水の上源
水の上源とは、漢方や中医学での別称である。

4.〇 正しい。陰陽の根本は、条達作用をもつ臓腑と相生関係にある臓腑の作用である。
疏泄・条達作用は、肝臓が持つ血を貯蔵し、全身への血の流れを調節する作用のことを指す。身体の弛緩と緊張を支配する。一方、腎臓は、人体の臓腑の陰陽の根本で生命の源である「腎精」を蓄え、成長・発育・生殖に関わるほかに、津液の代謝を調整し、呼気を納めるなどの働きがある。ちなみに、相生関係とは、ある物事が他の物事を促進したり、育てたりする関係のことである。

 

 

 

 

 

問題95 肺が外邪の侵襲を防ぎ、臓腑を保護することを示すのはどれか。

1.嬌臓
2.華蓋
3.粛降
4.宣発

解答

解説
1.× 嬌臓(※読み:きょうぞう)
嬌臓とは、機能が失調しやすいという肺を表現する言葉である。肺は、呼吸器官や体表を通して直接外界と繋がっているため、外界の温度、湿度、気圧などの影響を最初に受ける臓腑である。

2.〇 正しい。華蓋(※読み:かがい)は、肺が外邪の侵襲を防ぎ、臓腑を保護することを示す。

3.× 粛降(※読み:しゅくこう)
粛降とは、静粛・下降といった通調水道、水の上源であり、肺の機能で、各臓腑へ降ろすという意味がある。下降させることにより、吸気や水分を下方へ移動させることである。

4.× 宣発(※読み:せんぱつ)
宣発とは、宣粛(宣布、散発)ともいい、肺の機能で、気・血・津液を全身に巡らせたり、発汗や呼吸を行うことである。宣発は、外、上に向かって発散することであり、粛降は内、下に下降させることを意味する。

 

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