第32回(R6年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前11~15】

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問題11 あはき法に規定される施術所の構造設備について誤っているのはどれか。

1.施術室は、室面積の8分の1に相当する部分を外気に開放しうる。
2.施術室の隣室に器具、手指等の消毒の設備を設ける。
3.8.8平方メートルの専用の施術室を有する。
4.6.6平方メートルの待合室を有する。

解答

解説

柔道整復師法の施術所の構造設備基準

・6.6平方メートル以上の専用の施術室を有すること
・3.3平方メートル以上の待合室を有すること
・施術室は、室面積の7分の1以上に相当する部分を外気に開放し得ること(ただし、これに代わるべき適当な換気装置があるときはこの限りではない)
・施術に用いる器具、手指等の消毒設備を有すること

(※引用:「施術所の構造設備基準等について」東京都多摩府中保健所HPより)

1.× 施術室は、室面積の「8分の1」ではなく7分の1以上に相当する部分を外気に開放しうるようにしなければならない。室面積の8分の1だと小さすぎる
2.〇 正しい。施術室の隣室に器具、手指等の消毒の設備を設ける。
3.〇 正しい。8.8平方メートルの専用の施術室を有する。6.6平方メートル以上に該当する。
4.〇 正しい。6.6平方メートルの待合室を有する。3.3平方メートル以上に該当する。

 

 

 

 

 

問題12 あはき法で、施術所について広告できるのはどれか。

1.美容鍼
2.中国鍼
3.小児鍼
4.電気鍼

解答

解説
1~2.4.× 美容鍼/中国鍼/電気鍼は広告できない。なぜなら、特別な技能、施術方法は、患者に誤解を招く可能性が考えられるため。
3.〇 正しい。小児鍼は、あはき法で、施術所について広告できる。小児鍼とは、主な対象は生後2週間後~小学生で、①摩擦鍼や②接触鍼のことを指す。
1.施術所に関する広告
≪使用可能な事項≫
○あはき:業務の種類(あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅう)
○もみりょうじ、やいと、えつ、小児鍼(はり)、ほねつぎ(又は接骨)
○施術所の名称、電話番号及び所在の場所を示す事項
○法律に基づく届出をした旨
○予約に基づく施術の実施
○休日又は夜間における施術の実施
○出張による施術の実施
○駐車設備に関する事項(※引用:「あはき、柔整施術所等の広告に関する実態等」厚生労働省HPより)

広告の制限

第二十四条(広告の制限) 柔道整復の業務又は施術所に関しては、何人も、文書その他いかなる方法によるを問わず、次に掲げる事項を除くほか、広告をしてはならない。
①柔道整復師である旨並びにその氏名及び住所
②施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
③施術日又は施術時間
④その他厚生労働大臣が指定する事項
2 前項第一号及び第二号に掲げる事項について広告をする場合においても、その内容は、柔道整復師の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない。(※引用:「柔道整復師法」e-GOV法令検索様HPより)

【その他厚生労働大臣が指定する事項】
①ほねつぎ(又は接骨)
②柔道整復師法第十九条第一項前段の規定による届出をした旨
③医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼きゆう又は骨折の患部の施術に係る申請については医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る。)
④予約に基づく施術の実施
⑤休日又は夜間における施術の実施
⑥出張による施術の実施
⑦駐車設備に関する事項
(※引用:「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」厚生労働省様HPより)

 

 

 

 

 

問題13 あはき法に規定される申請・届出と、その期限の組合せで正しいのはどれか。

1.国家試験合格時の免許申請:30日以内
2.氏名変更時の免許証再交付申請:10日以内
3.届出区域外での業務開始時の届出:10日以内
4.免許取消時の免許証返納:5日以内

解答

解説
1.× 国家試験合格時の免許申請は、「30日以内」ではなく明確な規定はない。ちなみに、施術者は、免許証の再交付を受けた後、失った免許証又は免許証明書を発見したときは、5日以内に、これを厚生労働大臣に返納しなければならない。ただし、勤務時に免許証の提示が求められることがあるため、速やかに免許申請を実施する。
2.× 氏名変更時の免許証再交付申請は、「10日以内」ではなく30日以内である。これは、第三条の名簿の訂正に明記されている。
3.× 届出区域外での業務開始時の届出は、「10日以内」ではなく業務開始の事前である。ちなみに、施術所の開設や出張業務に関しては、開設後の10日以内の提出である。(※参考:「施術所の開設、出張業務開始、滞在業務従事等の手続きのご案内」宮城県HPより)
4.〇 正しい。免許取消時の免許証返納は、「5日以内」である。厚生労働大臣に返納しなければならない。これは、第七条の免許証又は免許証明書の返納に規定されている。

柔道整復師の免許申請に必要なもの

第一条の三(免許の申請)免許を受けようとする者は、様式第一号による申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添えなければならない。
①柔道整復師国家試験の合格証書の写し又は合格証明書
②戸籍の謄本若しくは抄本又は住民票の写し
③精神の機能の障害又は麻薬、大麻若しくはあへんの中毒者であるかないかに関する医師の診断書
(※引用:「柔道整復師法施行規則」厚生労働省HPより)

 

 

 

 

 

問題14 施術所の名称を付ける際に留意しなければならない法律はどれか。

1.医療法
2.医師法
3.地域保健法
4.健康増進法

解答

解説

医療法とは?

医療法とは、病院、診療所、助産院の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。①医療を受けるものの利益と保護、②良好かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を主目的としている。

1.〇 正しい。医療法は、施術所の名称を付ける際に留意しなければならない法律である。なぜなら、医療法第三条第一項において、施術所の名称については医療法において病院又は診療所にまぎらわしい名称をつけることが禁じられているため。ちなみに、施術所が病院又は診療所に紛らわしい名称を付した場合は、10万円以下の罰金に処せられる(医療法第74条)。
2.× 医師法とは、医師全般の職務・資格などを規定する日本の法律である。つまり、一般人には禁止されている医療行為を、医師という有資格者に限って許可する法律である。
3.× 地域保健法とは、地域保健対策の推進に関する基本指針、保健所の設置その他地域保健対策の推進に関し基本となる事項を定めることにより、母子保健法その他の地域保健対策に関する法律による対策が地域において総合的に推進されることを確保し、地域住民の健康の保持及び増進に寄与することを目的として制定された法律である。
4.× 健康増進法とは、国民の健康維持と現代病予防を目的として制定された日本の法律である。 がん検診については、健康増進法第19条の2に基づく健康増進事業として市町村が実施している。 健康手帳の交付や、健康相談、健康教育、訪問指導、がん検診や肝炎ウイルス検診が行われている。

 

 

 

 

 

問題15 脊髄の背側面に最も近いのはどれか。

1.黄色靱帯
2.棘間靱帯
3.棘上靱帯
4.後縦靱帯

解答

解説
1.〇 正しい。黄色靱帯は、脊髄の背側面に最も近い。黄色靭帯とは、椎弓間を連結する靭帯である。椎弓は、後方に存在し、椎弓の両脇に存在する椎間関節により結びつけられていると同時に、椎弓の間は黄色靭帯でつながっている。黄色靭帯は、軸椎から第1仙椎までの上下に隣り合った椎骨の椎弓板の間に張る靭帯である。つまり、脊柱管の側後壁に沿って走行する。
2.× 棘間靱帯とは、隣り合う上下の棘突起を結ぶ薄い膜性の靱帯である。棘突起と共に左右の固有背筋を隔てる中隔を形成する。
3.× 棘上靱帯とは、第7頚椎から仙骨までの棘突起先端間を結ぶ強い線維索である。浅い線維は3~4椎をとびこえる。 第7頚椎より上方では、項靱帯に連なる。
4.× 後縦靱帯とは、脊椎椎体の後縁を上下に連結する靭帯である。

 

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