第32回(R6年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前6~10】

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問題6 日常生活を送るために最低限必要な動作を示すのはどれか。

1.QOL
2.ADL
3.PHC
4.BMI

解答

解説
1.× QOL(Quality of life)とは、個人を主体としたその人自身の生命と生活の質のことである。人が人間らしく満足して生活しているか、自分らしい生活が送れているか「生活の質」を評価する概念である。
2.〇 正しい。ADLは、日常生活を送るために最低限必要な動作を示す。ADL(Activities of Daily Living)とは、日常生活を送るために必要な基本的な動作を指す。起居動作・移乗・移動・食事・更衣・排泄・入浴・整容などの動作があげられる。
3.× PHC(Primary Health Care)とは、すべての人にとって健康を、基本的な人権として認め、その達成の過程において、住民の主体的な参加や自己決定権を保障する理念・方法・アプローチである。
4.× BMI(Body Mass Index)とは、体重(㎏) ÷ 身長の2乗(m) で計算される体格指数のことである。日本肥満学会の基準では、18.5以下:低体重、25以下:普通、30以下:肥満Ⅰ度、35以下:肥満Ⅱ度、40以下:肥満Ⅲ度、40以上:肥満Ⅳ度である。

 

 

 

 

 

問題7 施術者の手指消毒に適切なのはどれか。

1.紫外線
2.オキシドール
3.70%エタノール
4.エチレンオキサイドガス

解答

解説
1.× 紫外線は、ウイルスや細菌、酵母菌、真菌などの微生物を数秒で死滅させることができる。一方、皮膚や目に損傷を与え、皮膚がんや白内障などの病気の原因となる。
2.× オキシドール(過酸化水素)は、創傷・潰瘍の殺菌・消毒に用いられる。なぜなら、血液や体組織と接触すると、これらに含まれるカタラーゼの作用により分解して大量の酸素を発生するため。この酸素の泡が異物除去効果(洗浄効果)を示す。
3.〇 正しい。70%エタノールは、施術者の手指消毒に用いる。エタノールとは、広く消毒液として用いられる。皮膚や手術部位の消毒、医療器具の洗浄消毒などに用いられ、粘膜への使用は禁忌である。ノロウイルスには十分な効果は得られない。
4.× エチレンオキサイドガスは、光学機器の滅菌方法の一つである。特徴として、沸点が10.8℃と低く可燃性で引火しやすいが、強い殺菌作用がある。滅菌条件は50~60℃、4~6時間である。熱に弱いプラスチック製品、カテーテルチューブ類、ゴム製品、光学機器、内視鏡などの滅菌に適し、浸透性に優れている。

 

 

 

 

 

問題8 男性において、生活習慣病のリスクを高める1日あたりの純アルコール摂取量はどれか。

1.10グラム以上
2.20グラム以上
3.30グラム以上
4.40グラム以上

解答

解説

(※図引用:「健康日本21」厚生労働省HPより)

1~3.× 10~30グラム以上は該当しない。
4.〇 正しい。40グラム以上は、男性において、生活習慣病のリスクを高める1日あたりの純アルコール摂取量である。厚生労働省の健康日本21では、「節度ある飲酒」を1日平均純アルコールで約20g程度の飲酒とし、「生活習慣病のリスクを高める量」を1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上としている。

 

 

 

 

 

問題9 ある要因への曝露群と非曝露群の罹患率の差を評価する疫学指標はどれか。

1.寄与危険度
2.オッズ比
3.有病率
4.相対危険度

解答

解説
1.〇 正しい。寄与危険度は、ある要因への曝露群と非曝露群の罹患率の差を評価する疫学指標である。寄与危険度とは、リスク差ともいい、曝露群と非曝露群の疾病発症リスクの差のこと。「曝露因子があるとどれだけ危険度が増すか」を示す。何らかの介入を行った場合にどれだけの人が疾病を予防できるかが予測できるため、健康政策を進めるうえで重要な指標となる。
2.× オッズ比とは、ある事象の起こりやすさを示す尺度である。つまり、「ある事象が起こる確率を起こらない確率で割ったもの」である。オッズが大きいほどその事象は起こりやすく、小さいほどその事象が起こりにくいことがわかる。
3.× 有病率とは、ある一時点における観察集団での疾病保有者の割合を意味する。生涯有病率とは、一生のうちに一度はその病気にかかる人の割合をいう。
4.× 相対危険度とは、リスク比ともいい、相対危険度(リスク比)を用いて要因と疾病の関連の強さを表現する。関連の強さが大きいほどこの要因により疾病が起きやすいことを示す。

 

 

 

 

 

問題10 持続可能な開発目標(SDGs)の17のゴールに含まれるのはどれか。

1.再生医療の促進
2.ジェンダー平等
3.救急医療の充実
4.少子高齢化対策

解答

解説

持続可能な開発目標SDGsとは?

持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標である。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っている。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいる。

(参考:「SDGsとは?」外務省HPより)

1.3.4.× 再生医療の促進/救急医療の充実/少子高齢化対策は、持続可能な開発目標(SDGs)の17のゴールに含まれない
2.〇 正しい。ジェンダー平等は、持続可能な開発目標(SDGs)の17のゴールに含まれる。

 

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