第32回(R6年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後161~165】

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問題161 滅菌済単回使用毫鍼の医療機器クラス分類はどれか。

1.クラスⅠ(一般医療機器)
2.クラスⅡ(管理医療機器)
3.クラスⅢ(高度管理医療機器)
4.クラスⅣ(高度管理医療機器)

解答

解説

MEMO

平成17年4月から改正薬事法が施行され、単回使用毫鍼(ディスポーザブル鍼)は医療機器として扱われるようになった。これに伴い単回使用毫鍼の滅菌済み鍼は、クラスⅡ(管理医療機器)に分類され、厳しい品質管理が要求されるようになった。(※参考:「薬事法等の一部を改正する法律について」厚生労働省HPより)

1.× クラスⅠ(一般医療機器):不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが極めて低いと考えられるもの

2.〇 正しい。クラスⅡ(管理医療機器)は、滅菌済単回使用毫鍼の医療機器クラス分類である。クラスⅡ(管理医療機器):不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが比較的低いと考えられるもの。

3.× クラスⅢ(高度管理医療機器):不具合が生じた場合、人体へのリスクが比較的高いと考えられるもの。

4.× クラスⅣ(高度管理医療機器):患者への侵襲度が高く、不具合が生じた場合、生命の危険に直結するおそれがあるもの。

(※参考:「医療機器クラス分類表」香川県HPより)

 

 

 

 

 

問題162 押手について最も適切なのはどれか。

1.刺鍼部位の皮膚や筋肉を和らげる。
2.左右圧に相当するのは固定圧である。
3.患者の急な体動を察知し、動揺を防ぐ。
4.刺鍼抵抗を察知する。

解答

解説

押手とは?

押手は、①皮膚の緊張度を調整する、②鍼体を保持し刺鍼をし易くする、③患者の不意の動きを防止する役割を持つ。
・左右圧(水平圧):押手の母指と示指が鍼体をつまむ力。
・上下圧(垂直圧): 押手の母指と示指が刺鍼部位にかける圧。
・周囲圧(固定圧):中・薬・小指の指腹、小指外側~小指球などでかける圧。

1.× 刺鍼部位の皮膚や筋肉を「和らげる」のではなく調整する。これは、上下圧(垂直圧)による働きである。

2.× 左右圧に相当するのは、「固定圧」ではなく水平圧である。

3.〇 正しい。患者の急な体動を察知し、動揺を防ぐ。これは、周囲圧(固定圧)による働きである。

4.× 刺鍼抵抗を察知する働きはない

 

 

 

 

 

問題163 小児鍼で、接触鍼と摩擦鍼の両方の特徴をもつのはどれか。

1.集毛鍼
2.振子鍼
3.いちょう鍼
4.ローラー鍼

解答

解説

小児鍼とは?

対象:生後2週間後~小学生

種類:①摩擦鍼(いちょう鍼、車鍼、ウサギ鍼など)、②接触鍼(集毛鍼、振子鍼、いちょう鍼など)

1.× 集毛鍼は、接触鍼に該当する。刺さずに叩いて刺激する鍼である。小児の鍼灸治療で使用されることが多い。

2.× 振子鍼は、接触鍼に該当する。振ると中に入っている鍼が出たり入ったりし、チクチク皮膚を刺激する。 

3.〇 正しい。いちょう鍼は、小児鍼で、接触鍼と摩擦鍼の両方の特徴をもつ。丸い部分で皮膚を軽くこすったり、尖った部分でチクチク皮膚を刺激する。

4.× ローラー鍼(車鍼)は、摩擦鍼に該当する。デコボコしたローラーを転がして、皮膚を刺激する。

特殊鍼法とは?

①皮内鍼:細く短い鍼を皮内へ水平に刺入し(筋層へは刺入しない)、長時間留置させて持続的に刺激を与える。赤羽幸兵衛発案。
②円皮鍼:画鋲状の短い鍼を垂直に刺入し、持続的な刺激を与える。スポーツ選手に多く用いられる。※中国では撳鍼(耳鍼に応用)
③灸頭鍼:置鍼した鍼の鍼柄に艾を球状に付けて点火する方法。※鍼柄が金属でカシメ式のものを用いる。
④鍼通電:鍼に低周波通電する方法で、鍼麻酔が代表的。鍼の腐食を考慮し、3~5番鍼(20~24号銅)以上の鍼を用いる。通電(電気療法)は妊婦、ペースメーカー、知覚脱失、循環障害、重篤な動脈疾患、原因不明の発熱、強い皮膚病変などの患者には禁忌とされる。また、通電装置の出力に影響を及ぼすため、通電装置と超短波治療器あるいはマイクロ波治療器を近接して使用すべきではない。20号鍼(3番鍼)以上の太さが推奨される。病的共同運動には高Hz(100HZ)で行うとよい。

 

 

 

 

 

問題164 鍼療法の禁忌はどれか。

1.化学療法に伴う吐き気
2.悪性腫瘍に伴う痛み
3.つわり
4.クスマウル呼吸を伴う意識障害

解答

解説

鍼療法の禁忌

一般
①安静が必要な場合
②刺激により有害作用を起こす場合
③免疫能が低下し、感染の危険性が高い場合

WHO
①妊娠(陣痛や流産を誘発する可能性がある)
救急事態や手術を必要とする場合(救急療法として用いない)
③悪性腫瘍(腫瘍への直接刺激を避ける)
④出血性・凝血性疾患、抗凝血治療中の患者

1.× 化学療法に伴う「吐き気」も鍼療法を行わないほうが良いが禁忌ではない
ただし、化学療法に伴い、免疫力が低下し易感染になりやすいため実施しないほうが良い。

2.× 悪性腫瘍に伴う「痛み」も鍼療法を行わないほうが良いが禁忌ではない
悪性腫瘍(腫瘍)への直接刺激を避けるべきである。なぜなら、悪性腫瘍が悪化する可能性が高いため。

3.× つわりは、鍼療法を行わないほうが良いが禁忌ではない。WHOには、陣痛や流産を誘発する可能性があるため、妊娠が禁忌とされているが、鍼治療の部位や強度を考え、医師の指示をもらうとより安全である。つわりとは、妊娠によるホルモンバランスの変化によって生じる、悪心(吐き気)、嘔吐、食べ物の好みの変化などの総称である。妊娠12週~14週ころに軽減するが、個人差が大きいため、一概にこの時期とはいいきれない。つわりは妊娠8週目~10週目ごろに症状のピークを迎える場合が多いとされている。

4.〇 正しい。クスマウル呼吸を伴う意識障害は、鍼療法の禁忌である。なぜなら、この状態は、救急事態に該当し医療の処置が必要とするため。クスマウル呼吸とは、異常に深大な呼吸が連続し、規則正しく続く状態である。 運動時にも同様の呼吸がみられることがある。 糖尿病性ケトアシドーシス、腎不全に伴う尿毒症、昏睡時などに認められる。チェーンストークス呼吸とは、数十秒間程度の無呼吸が続いた後、外呼吸を再開すると1回換気量が次第に増加し、極大に達すると今度は1回換気量が減少して、再び数十秒間の無呼吸に至るというサイクルが続く、異常な外呼吸の仕方である。呼吸中枢の低酸素症(脳出血、脳梗塞)、動脈血循環の不良、低酸素血症のいずれかが原因となる。

(※図引用:「異常呼吸」日本臨床検査医学会様HPより)

 

 

 

 

 

問題165 深刺により椎骨動脈を損傷するリスクが最も高い経穴はどれか。

1.瘂門
2.風池
3.完骨
4.翳風

解答

解説

(※画像引用:岡山第一病院様より)

1.× 瘂門(※読み:あもん)
瘂門は、後頸部、後正中線上、第2頸椎棘突起上方の陥凹部に位置する。

2.〇 正しい。風池(※読み:ふうち)は、深刺により椎骨動脈を損傷するリスクが最も高い。
風池は、前頸部、後頭骨の下方、胸鎖乳突筋と僧帽筋の起始部の間、陥凹部に位置する。深部に椎骨動脈が通る

3.× 完骨(※読み:かんこつ)
完骨は、前頸部、乳様突起の後下方、陥凹部に位置する。

4.× 翳風(※読み:えいふう)
翳風は、前頸部、耳垂後方、乳様突起下端前方の陥凹部に位置する。

 

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