第32回(R6年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前71~75】

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問題71 介護保険によるサービスはどれか。

1.生活介護
2.自立訓練
3.就労移行支援
4.通所リハビリテーション

解答

解説

(※画像引用:「保険給付」日本電子健康保険組合様HPより)

介護保険とは?

介護保険とは、平成12年4月から開始された介護を必要とする方に費用を給付し、適切なサービスを受けられるようにサポートする保険制度である。40歳以上の人は、介護保険の被保険者となり、①65歳以上の人(第1号被保険者)と、②40~64歳までの医療保険に加入している人(第2号被保険者)になる。

介護保険の主な給付には、①介護給付と、②予防給付がある。介護給付は、要介護1~5に認定された場合に介護サービスの利用額負担として行われ、予防給付は、要支援1~2に認定された場合に介護予防サービスの利用額負担として行われる。

1.× 生活介護は、障害者総合支援法に基づくサービスである。生活介護とは、障害者支援施設その他の以下に掲げる便宜を適切に供与することができる施設において、入浴、排せつ及び食事等の介護、創作的活動又は生産活動の機会の提供その他必要な援助を要する障害者であって、常時介護を要するものにつき、主として昼間において、入浴、排せつ及び食事等の介護、調理、洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の必要な日常生活上の支援、創作的活動又は生産活動の機会の提供その他の身体機能又は生活能力の向上のために必要な支援を行う。【対象者】地域や入所施設において、安定した生活を営むため、常時介護等の支援が必要な者として次に掲げる者とされている。

2.× 自立訓練は、障害者総合支援法に基づくサービスである。自立訓練とは、知的障害者・精神障害者に対して、自立した日常生活ができるように訓練や助言をするものである。

3.× 就労移行支援は、障害者総合支援法に基づくサービスである。就労移行支援とは、一般就労などを希望する就業が可能と思われる65歳未満の障害者に対して、知識・能力の向上、実習、職場探しなどを通じ、適性に合った職場への就労が見込まれる障害者を対象としたサービスである。事業所内での作業などを通じた訓練、適性に合った職場探し、就労後の職場定着のための支援などを実施する。就労移行支援の期限は2年(特例で3年)である。本症例は、元の職場に戻るための準備をしている段階である。

4.〇 正しい。通所リハビリテーションは、介護保険によるサービスである。通所リハビリテーションとは、利用者が老人保健施設・病院・診療所などに通い、日常生活上の支援や、生活機能訓練を受け、可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるようにするものである。

(※画像引用:「障害福祉サービスについて」厚生労働省HPより)

障害者総合支援法とは?

障害者総合支援法は、2013年に障害者自立支援法から障害者総合支援法へと改正され、障害者と障害児を対象とした障害保健福祉施策についてまとめられた法律である。これにより障害者の範囲が拡大され、身体障害者、精神障害者、知的障害者、障害児の全てが対象とされている。そして、対象となっている者は、認定調査というものを受け「障害支援区分」という障害の重症度分類によって7区分(非該当、区分1~6)に分けられる。それにより受けられるサービス内容が変わってくる。

①障害者も難病患者も自立できる社会をめざす。
②応能負担(所得に応じて自己負担額が変わること)が原則。
③あらゆる障害(身体・知的・精神+難病)についてこの法律で対応する。
④市区町村が事業の母体である。

 

 

 

 

 

問題72 急性期リハビリテーションチームで社会保険制度の利用調整を行うのはどれか。

1.保健師
2.理学療法士
3.ケアマネジャー
4.医療ソーシャルワーカー

解答

解説
1.× 保健師とは、地域に住む住民の保健指導や健康管理、乳幼児検診などをおこなうことが主な仕事の専門職である。

2.× 理学療法士とは、医師の指示のもとに治療体操や運動・マッサージ・電気刺激・温熱などの物理的手段を用いて、運動機能の回復を目的とした治療法・物理療法(理学療法)を行う専門職である。つまり、関節可動域や筋力の向上などが役割である。

3.× ケアマネジャーとは、介護支援専門員ともいい、介護を必要とする方が介護保険サービスを受けられるように、ケアプラン(サービス計画書)の作成やサービス事業者との調整を行う専門職である。要支援・要介護者からの相談に応じ、状況等に応じ各種サービス事業を行う。

4.〇 正しい。医療ソーシャルワーカーは、急性期リハビリテーションチームで社会保険制度の利用調整を行う。医療ソーシャルワーカーとは、医療福祉(①医療、②保健衛生、③社会保険、④社会福祉及び介護)に関するサービスを提供する事業の総称である。したがって、それぞれのサービスを分類すると、職種には、「医療、医療補助系」「検査系」「介護系」「リハビリテーション系」などがあげられる。この職種は、医療機関などにおける福祉の専門職で、病気になった患者や家族を社会福祉の立場からサポートする。

 

 

 

 

 

問題73 上肢のブルンストロームステージで「十分な共同運動が出現し、関節運動を伴う屈筋共同運動が出現する」のはどれか。

1.ステージⅠ
2.ステージⅡ
3.ステージⅢ
4.ステージⅣ

解答

解説

連合反応とは

連合反応とは、身体の一部の運動が、身体他部の運動を不随意的に引き起こすような現象のことである。非麻痺側の筋を強い力で働かせると麻痺側に筋収縮が起こり、麻痺側にも関節運動が生じたり筋緊張が高まったりすることをいう。連合反応は、把握動作や等尺性収縮を要する動作、全身の大きな動きを必要とする起居動作など、努力を要する動作を行った際に誘発されやすい。

1.× ステージⅠは、上肢「弛緩性麻痺」に該当する。
2.× ステージⅡは、上肢「上肢のわずかな随意運動」に該当する。
3.〇 正しい。ステージⅢは、上肢「十分な共同運動が出現し、関節運動を伴う屈筋共同運動が出現する」に該当する。共同運動とは、発病の当初は随意性を喪失しているものをさす。やがて、肩・肘・手指全体を生理学的な屈曲あるいは伸展方向に同時にのみ動かせる運動ができる。
4.× ステージⅣは、上肢「肘を伸展させて上肢を横水平へ挙上、また前方頭上へ挙上、肘伸展位での前腕回内・回外」に該当する。

 

 

 

 

 

問題74 嚥下障害患者に対して直接嚥下訓練を行う職種はどれか。

1.理学療法士
2.作業療法士
3.言語聴覚士
4.義肢装具士

解答

解説
1.× 理学療法士とは、医師の指示のもとに治療体操や運動・マッサージ・電気刺激・温熱などの物理的手段を用いて、運動機能の回復を目的とした治療法・物理療法(理学療法)を行う専門職である。つまり、関節可動域や筋力の向上などが役割である。

2.× 作業療法士とは、医師の指示のもとに手工芸・芸術・遊びやスポーツ・日常動作などを行うことにより、障害者の身体運動機能や精神心理機能の改善を目指す治療(作業療法)を行う専門職である。つまり、食事動作等、日常生活動作の回復が役割である。

3.〇 正しい。言語聴覚士は、嚥下障害患者に対して直接嚥下訓練を行う職種である。言語聴覚士とは、言語や聴覚、音声、呼吸、認知、発達、摂食・嚥下に関わる障害に対して、その発現メカニズムを明らかにし、検査と評価を実施し、必要に応じて訓練や指導、支援などを行う専門職である。

4.× 義肢装具士とは、法律上、「医師の指示の下に、義肢及び装具の装着部位の採型並びに義肢及び装具の製作及び身体への適合を行うことを業とする者」と定められ、医師の処方に従い患者さんの採型や採寸を行い、これを元に義肢装具を製作して、病院などで適合を行う。

 

 

 

 

 

問題75 正常歩行について正しいのはどれか。

1.1サイクルは1歩に相当する。
2.遊脚相は立脚相より時間が長い。
3.二重支持期が0になると走行となる。
4.歩行速度が遅いほど消費エネルギーは少ない。

解答

解説
1.× 1サイクルは、「1歩」ではなく2歩に相当する。歩行の1サイクル(歩行周期)は、1歩(片脚の動き)ではなく、左右両脚の動きを含む2歩(両脚が1回ずつ前に出る動き)に相当する。ちなみに、1歩の定義は、一方の足が地面に接地した時点から同じ側の足が再度接地するまでである。

2.× 逆である。「立脚相」は「遊脚相」より時間が長い。一側下肢の立脚相と遊脚相の割合は、6:4である。

3.〇 正しい。二重支持期が0になると走行となる。両脚支持期とは、両脚での支持期間のことである。歩行の場合、1歩行周期に2回あり、20~25%(70歩/分)を占めている。ちなみに、40%は自然歩行周期で遊脚相の占める比率である。

4.× 歩行速度が遅いほど消費エネルギーは、少ないと断言することはできない。なぜなら、歩行速度が遅すぎると、逆にエネルギー効率が悪くなり、エネルギー消費が増加するため。適度な速度での歩行が最もエネルギー効率が良い。

歩行周期

【立脚期】

 1. 初期接地(Initial Contact;以下,IC):観測肢の接地の瞬間
 2. 荷重応答期(Lording Response;以下,LR):IC から対側爪先離地まで
 3. 立脚中期(Mid Stance;以下,MSt):対側爪先離地から対側下腿下垂位まで
   立脚中期前半:対側爪先離地から両下腿の交差まで
   立脚中期後半:両下腿交差から対側下腿下垂位まで
 4. 立脚終期(Terminal Stance;以下,TSt):対側下腿下垂位から対側 IC まで
 5. 前遊脚期(Pre Swing;以下,PSw):対側 IC から観測肢爪先離地まで

【遊脚期】

 6. 遊脚初期(Initial Swing;以下,ISw):観測肢爪先離地から両下腿の交差まで
 7. 遊脚中期(Mid Swing;以下,MSw):両下腿交差から下腿下垂位まで
 8. 遊脚終期(Terminal Swing;以下,TSw):下腿下垂位から IC まで

 

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