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次の症例について、問題85、86の問いに答えよ。
「66歳の男性。右前頭葉に脳出血を発症し保存治療中。身体麻痺は認められず排泄動作は自立しているが、トイレに行くこと自体を忘れて失禁することがある。」
問題86 家族が患者に行う対応として最も適切なのはどれか。
1.本人の自主性を尊重して見守る。
2.繰り返し口頭で指示する。
3.手順を見える形で示して一緒に確認する。
4.刺激を与えるため毎日予定を変える。
解答3
解説
・66歳の男性(右前頭葉に脳出血)。
・保存治療中。
・身体麻痺は認められず、排泄動作は自立。
・トイレに行くこと自体を忘れて失禁する。
→遂行機能障害が最も考えられる。ほかの選択肢が消去される理由を挙げられるようにしよう。前頭葉が損傷されると①知能低下、②記憶・計算の障害、③ワーキングメモリーの低下、④見当識障害、⑤注意障害、⑥遂行機能障害、⑦人格変化、⑧感情障害などが症状としてみられる。
1.× 本人の自主性を尊重して見守るだけでは不十分である。なぜなら、本症例は、身体能力ではなく高次脳機能(遂行機能障害)の問題で「トイレに行くこと自体を忘れる」ため。なにか具体的な対処が必要である。
2.× 繰り返し口頭で指示するより優先されるものがほかにある。なぜなら、繰り返し口頭は、介助者への依存を高める恐れがあるため。手帳・メモ・アラームなどの手がかりを利用し、双方で確認し自立を促すことが勧められる。
3.〇 正しい。手順を見える形で示して一緒に確認する。手帳・メモ・アラームなどの手がかりを利用し、双方で確認し自立を促すことが勧められる。
4.× 刺激を与えるため毎日予定を変える「必要はない」。なぜなら、なぜなら、予定変更が多いほど混乱しやすいため。したがって、日課を一定化し、見通しを持たせる支援が有効である。
次の症例について、問題87、88の問いに答えよ。
「58歳の女性。6日前から右肩のこり感があった。昨日から右肩甲骨内側の痛みと右前腕橈側から母指・示指のしびれが出現した。右上肢の挙上障害はなく、衣服のボタンかけにも異常はない。下肢に症状はない。」
問題87 神経学的所見で正しいのはどれか。
1.ワルテンベルグ反射陽性
2.指鼻試験陽性
3.バレー徴候陽性
4.腕橈骨筋腱反射減弱
解答4
解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)
・58歳の女性。
・6日前:右肩のこり感。
・昨日:右肩甲骨内側の痛みと右前腕橈側から母指・示指のしびれ。
・右上肢の挙上障害はなく、衣服のボタンかけにも異常はない。
・下肢に症状はない。
→本症例は、C6神経根障害が疑われる。ほかの選択肢が消去できる理由もあげられるようにしよう。
1.× ワルテンベルグ反射陽性はみられない。なぜなら、ワルテンベルグ反射は、上位運動ニューロン障害を示す所見であるため。
・Wartenberg反射(ワルテンベルグ反射)は、上肢の病的反射(手指屈筋反射のひとつ)で、肘を軽く屈曲させ前腕を回外位にして手背を膝の上に置き、手指を少し屈曲位にする。検者は示指と中指を患者の4指先端掌側面に横に当て、その上をハンマーで叩打する。刺激により母指と4指の屈曲が起これば陽性である。
2.× 指鼻試験陽性はみられない。なぜなら、なぜなら、指鼻試験は、運動失調をみる検査であるため。
・指鼻試験とは、患者の指で患者の鼻と看護師の指を交互にすばやく触れる動作を行う試験である。小脳の運動失調により指鼻試験は陽性となり、企図振戦がみられる。
3.× バレー徴候陽性はみられない。なぜなら、なぜなら、バレー徴候は、主に錐体路障害や上位運動ニューロン性の軽い麻痺をみる所見であるため。
・バレー徴候とは、脳血管障害などによって起こる。上位運動ニューロン障害による片側性の軽い運動麻痺を評価するための方法である。上肢の筋力が低下する(麻痺がある)と、両腕を水平に維持することが困難となるため、麻痺側がゆっくりと回内しながら下降してくる。
4.〇 正しい。腕橈骨筋腱反射減弱は、神経学的所見である。なぜなら、母指・示指のしびれはC6領域に合い、C6神経根障害では腕橈骨筋腱反射が低下しやすいため。深部腱反射は、下位運動ニューロン障害では低下し、上位運動ニューロン障害では亢進しやすい。腕橈骨筋反射は主にC6をみる反射である。
・腕橈骨筋腱反射とは、①方法は、患者を座位で脱力させ、肩を軽く外転、肘を軽く屈曲、前腕を軽く回内させる。手関節の2〜3cm近位の橈骨側、腕橈骨筋腱部を打腱器で叩く。②前腕の軽い回外・肘屈曲が出れば陽性と判断する。
次の症例について、問題87、88の問いに答えよ。
「58歳の女性。6日前から右肩のこり感があった。昨日から右肩甲骨内側の痛みと右前腕橈側から母指・示指のしびれが出現した。右上肢の挙上障害はなく、衣服のボタンかけにも異常はない。下肢に症状はない。」
問題88 本患者の筋力評価で最も適切なのはどれか。
1.右三角筋MMT2
2.右上腕二頭筋MMT2
3.右手関節背屈力低下
4.右小指外転筋力低下
解答3
解説
・58歳の女性。
・6日前:右肩のこり感。
・昨日:右肩甲骨内側の痛みと右前腕橈側から母指・示指のしびれ。
・右上肢の挙上障害はなく、衣服のボタンかけにも異常はない。
・下肢に症状はない。
→本症例は、C6神経根障害が疑われる。ほかの選択肢が消去できる理由もあげられるようにしよう。
1.× 右三角筋MMT2は考えにくい。なぜなら、本症例の「右上肢の挙上障害はなく」と明記されているため。
・三角筋の【起始】肩甲棘、肩峰、鎖骨の外側部1/3、【停止】上腕骨三角筋粗面、【作用】肩関節外転、前部は屈曲、後部は伸展、【支配神経】腋窩神経:(C4),C5,C6である。
2.× 右上腕二頭筋MMT2は考えにくい。なぜなら、上腕二頭筋の著明な筋力低下はC5優位の障害でみられやすいため(※下の表参照)。
・上腕二頭筋の【起始】長頭:肩甲骨の関節上結節、短頭:肩甲骨の烏口突起、【停止】橈骨粗面、腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となって前腕筋膜の上内側に放散、【作用】肘関節屈曲、回外(長頭:肩関節外転、短頭:肩関節内転)、【神経】筋皮神経(C5,C6)である。
3.〇 正しい。右手関節背屈力低下は、本患者の筋力評価である。なぜなら、母指・示指のしびれはC6神経根障害の典型であり、C6 神経根障害では手関節伸展筋の筋力低下がみられるため。
4.× 右小指外転筋力低下は考えにくい。なぜなら、本症例のしびれは、「右前腕橈側から母指・示指」と明記されているため。また、小指外転筋の支配神経は、尺骨神経:C8,T1となっている。
・小指外転筋の【起始】豆状骨、屈筋支帯、【停止】小指の基節骨底の尺側、一部は指背腱膜、【作用】小指外転、【支配神経】尺骨神経:C8,T1である。

(※引用:Zancolli E : Functional restoration of the upper limbs in traumatic quadriplegia. in Structural and Dynamic Basis of Hand Surgery. 2nd ed, Lippincott, Philadelphia, p229-262, 1979)
次の症例について、問題89、90の問いに答えよ。
「38歳の女性。身長160cm、体重55kg、胸囲88cm。毎年マンモグラフィを受けており、6か月前の検診でも異常を指摘されなかった。入浴時、左乳房に雀卵大のしこりがあることに気づいた。」
問題89 最初に行うべき検査で最も適切なのはどれか。
1.マンモグラフィ
2.超音波検査
3.性ホルモン量測定
4.腫瘍マーカー測定
解答2
解説
・38歳の女性。
・身長160cm、体重55kg、胸囲88cm。
・6か月前のマンモグラフィ検診:異常なし。
・左乳房に雀卵大のしこりがあることに気づく。
→本症例は、乳がんを含む乳腺疾患の可能性が考えられる。ほかの選択肢が消去される理由を挙げられるようにしよう。
1.× マンモグラフィより優先されるものがほかにある。なぜなら、本症例は、6か月前のマンモグラフィが陰性で、新たに触れるしこりの評価では標的超音波がより実用的であるため。若年女性の場合、乳腺濃度が高く、マンモグラフィで病変が見えにくいことがある。
2.〇 正しい。超音波検査は、最初に行うべき検査である。なぜなら、本症例のように、触ってわかるしこりがあるときは、その部位を直接観察できる超音波のほうが、嚢胞か充実性腫瘤か、境界が整か不整かをその場で評価しやすい。
3.× 性ホルモン量測定より優先されるものがほかにある。なぜなら、本症例では乳房にしこりを触知しており、乳がんを含む乳腺疾患の可能性が考えられるためである。性ホルモン量測定は卵巣機能や月経異常などを評価する検査であり、乳房腫瘤の初期評価の目的とは一致しない。
4.× 腫瘍マーカー測定より優先されるものがほかにある。なぜなら、早期乳がんでは、値が上昇しないことも多く、乳房のしこりが良性か悪性かを最初に判断する検査としては不十分である。本症例では、腫瘤の性状を確認できる超音波検査が優先される。
次の症例について、問題89、90の問いに答えよ。
「38歳の女性。身長160cm、体重55kg、胸囲88cm。毎年マンモグラフィを受けており、6か月前の検診でも異常を指摘されなかった。入浴時、左乳房に雀卵大のしこりがあることに気づいた。」
問題90 診断確定のために行う検査はどれか。
1.病理組織検査
2.CT検査
3.PET検査
4.MRI検査
解答1
解説
・38歳の女性。
・身長160cm、体重55kg、胸囲88cm。
・6か月前のマンモグラフィ検診:異常なし。
・左乳房に雀卵大のしこりがあることに気づく。
→本症例は、乳がんを含む乳腺疾患の可能性が考えられる。ほかの選択肢が消去される理由を挙げられるようにしよう。
1.〇 正しい。病理組織検査は、診断確定のために行う検査である。
・病理組織検査とは、症例(乳がんの疑いがある場合は乳房のしこり)から組織を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を確認する検査である。
2.× CT検査は、画像検査に該当する。画像検査では腫瘤の形や広がりは推定できるが、良性か悪性かを確定することはできない。したがって、診断確定には病理組織検査が必要である。
・CT検査とは、X線を用いて体内の臓器やリンパ節、遠隔転移の有無などを調べる画像検査である。乳がんが疑われる場合、病変の広がりや転移の評価に用いられることはある。
3.× PET検査は、診断確定のための検査ではない。なぜなら、PET検査は、他臓器への転移や病変の広がりの確認に用いられる検査であるため。
・PET検査とは、がん細胞が糖を多く取り込む性質を利用して、全身のがん病変や転移を調べる検査である。乳がんの進行度評価や再発検索に用いられることがある。
4.× MRI検査は、画像検査に該当する。画像検査では腫瘤の形や広がりは推定できるが、良性か悪性かを確定することはできない。したがって、診断確定には病理組織検査が必要である。
・MRI検査は、磁気を用いて乳房内の病変の広がりや多発病変の有無を詳しく調べる画像検査である。
核磁気共鳴画像法(MRI)とは、核磁気共鳴現象を利用して生体内の内部の情報を画像にする方法である。治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査である。
【MRI検査の禁忌】
①体内の電子電機部品(ペースメーカ、移植蝸牛刺激装置(人工内耳)、植込み型除細動器、神経刺激器、植込み型プログラマブル注入ポンプ):MRI対応型もあるためしっかり確認する。
②素材の確認できない脳動脈クリップ:MRI対応型もあるためしっかり確認する。
③目や脳など特定の重要臓器に迷入した鉄片などの強磁性体の破片
④眼部のインプラントや材料で強磁性金属を使用しているもの
⑤磁場によって活性化するもの(磁力で装着する義眼、磁石部分が脱着不能な義歯など)
⑥目のメークアップ用品、カラーコンタクト
⑦入れ墨
⑧補聴器
⑨いくつかの管腔内デバイス
⑩ニトログリセリン真皮浸透絆創膏
国試オタク 