第34回(R8年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後96~100】

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問題96 経脈を流れる気血の多少が太陰経と同じになる経脈はどれか。

1.太陽経
2.少陽経
3.陽明経
4.厥陰経

解答

解説

MEMO

陽明経:多気多血
太陽経:多血少気
少陽経:少血多気
太陰経:多気少血
少陰経:少気多血
厥陰経:多血少気

1.× 太陽経は、「多血少気」である。

2.〇 正しい。少陽経は、経脈を流れる気血の多少が太陰経と同じになる経脈である。
・少陽経は「少血多気」であり、これは太陰経の「多気少血」と同じ内容を表す。どちらの意味も「気が多く、血が少ない」という同一内容である。

3.× 陽明経は、「多気多血」である。

4.× 厥陰経は、「多血少気」である。

 

 

 

 

 

問題97 風邪の性質でないのはどれか。

1.上部を侵しやすい。
2.燥邪を伴いやすい。
3.発汗を生じやすい。
4.百病の長と言われる。

解答

解説

MEMO

風邪:陽性の邪気で軽揚性、開泄性、遊走性があり、他の外邪の先導役となる(百病の長)。

風邪の初期は、①風寒型、②風熱型の大きく2つの「証」に分けられる。①風寒型は、「青い風邪」ともいわれ、悪寒、発熱、頭痛、鼻水、関節の痛みなどの症状が見られる。その中でも、発汗の有無によって、「風寒表実証」と「風寒表虚証」に分かれる。

1.〇 上部を侵しやすい
・軽揚性とは、風邪は軽く上へ向かいやすい性質をもつ邪気である。そのため、頭・顔・のど・皮膚など体の上部や表面に症状が出やすい

2.× 燥邪を伴いやすいのは、「乾燥による邪気」である。
・燥邪は、陽性の邪気で乾燥性があり、肺を損傷しやすい。秋に現れることが多い。

3.〇 発汗を生じやすい
・開泄性とは、風邪には体表を開かせ、汗や気を外へ漏らしやすくする性質がある。毛穴がゆるみ、汗が出たり、寒気がしたりするのはこのためである。
・遊走性とは、風邪は一定の場所にとどまらず、あちこち移動しやすい性質をもつ邪気である。痛みやかゆみ、違和感が場所を変えて現れることがある。症状が変化しやすいのが特徴である。

4.〇 百病の長と言われる。なぜなら、風邪は他の邪気を伴って人体に侵入しやすく、多くの病の発端となりやすい外邪であるため。
・百病の長とは、多くの病気の先頭に立つ邪気という意味である。風は一年中存在し、寒邪や熱邪などとともに侵入しやすい。

 

 

 

 

 

問題98 三毒説に直接関係するのはどれか。

1.房事過多
2.七情の失調
3.飲食不節
4.労倦

解答

解説

三毒説とは?

三毒説は湯本求真(1876~1941)によって提唱された病因論です。これは、江戸時代の古方派の医家が提唱した気血水の病因論から発展させたもので、目にみえなく、また説明しにくい気を保留し、血の滞り(瘀血)を血毒、水の滞りを水毒としこれに飲食物が毒作用となる食毒を加えたものです。

①血毒(瘀血)とは、月経障害・打撲・熱性病による溶血などによって生じた非生理的な血液を意味します。

②水毒とは、体内の水分の代謝障害により偏在を来した水や、病的滲出液、異常な分泌液などをいいます。

食毒とは、飲食物や大便が消化管内に停滞し宿便となって自家中毒を起こすものです。すなわち、宿便の腐敗・発酵によって生じた有毒な物質が腸壁から吸収されてさまざまな症状を起こします。

(※引用:「病因論 三毒説」鍼誠堂様HPより)

1.× 房事過多とは、過度の性活動による消耗・腎との関係を考えるときに問題になる概念である。

2.× 七情の失調とは、感情の乱れを表す概念である。
・七情とは、喜・怒・憂・思・悲・恐・驚といった感情のことである。

3.〇 正しい。飲食不節は、三毒説に直接関係する。なぜなら、三毒説の三毒の1つの「食毒」と関連が深いため。
・飲食不節とは、暴飲暴食、ジャンクフードなど、栄養が偏った食事、または栄養の不足しすぎて、病気を起こす原因になっている状態を指す。

4.× 労倦は、過労や疲弊を表す概念である。
・労倦とは、過労または怠惰な生活をしすぎることである。過労や精神的な負担、不規則な生活などが原因で、体のだるさや不眠症などの症状を引き起こすことがある。

内因について

内因は、七情に分けられ、七情の刺激は直接内蔵(五臓六腑の「五臓」)に影響して疾病を引き起こす原因となる。これを「内傷七情」という。また、7つの感情と「気」の動きにも関係がある。
7情:【5臓】→気と主な症状
喜:心臓→気は緩む。主な症状として無気力・不安感・不眠。
怒:肝臓→上昇する。主な症状として頭痛・目の充血。
思:脾臓(胃腸)→停滞する。主な症状としてみぞおちのつかえ、食欲不振。
憂・悲:肺→消耗する。主な症状として咳・息切れ・溜息。
恐:腎臓→下降する。主な症状として失禁・髪が抜ける。
驚:腎臓→乱れる。主な症状として記憶力衰退・集中力低下。

 

 

 

 

 

問題99 次の症例の病証にみられる症状で最も適切なのはどれか。
 「48歳の男性。胸苦しさがあり、噯気や放屁が多い。毎日夜遅くまで飲酒する習慣がある。」

1.尿失禁
2.抑うつ感
3.手足のしびれ
4.皮膚のむくみ

解答

解説

本症例のポイント

・48歳の男性。
胸苦しさがあり、噯気や放屁が多い。
・毎日夜遅くまで飲酒する習慣がある。
→本症例は、肝気鬱結が疑われる。肝気鬱結とは、精神的ストレスによる症状をさす。気の巡りが悪く、イライラ、憂うつ、胸脇部の張り、ため息などの症状を呈する。女性では、生理時に乳房が張って痛む、生理痛、生理不順などの症状もみられる。

1.× 尿失禁は、主に腎気不固や下焦の失調を考える症状である。

2.〇 正しい。抑うつ感は、本症例の病証にみられる。
・肝気鬱結とは、精神的ストレスによる症状をさす。気の巡りが悪く、イライラ、憂うつ、胸脇部の張り、ため息などの症状を呈する。女性では、生理時に乳房が張って痛む、生理痛、生理不順などの症状もみられる。

3.× 手足のしびれは、主に血虚や瘀血、痰濁、あるいは神経学的障害が疑われる症状である。

4.× 皮膚のむくみは、主に水液代謝の失調(脾・肺・腎など)や水湿停滞が疑われる症状である。

 

 

 

 

 

問題100 次の症例の病証でみられるのはどれか。
 「50歳の男性。炎天下の作業で熱中症になった。1週間後から、不眠、頬の発赤、午後の微熱がみられる。脈は細数を認める。」

1.息切れ
2.胖大舌
3.五心煩熱
4.胸部の刺痛

解答

解説

本症例のポイント

・50歳の男性。
・炎天下の作業:熱中症。
・1週間後:不眠、頬の発赤、午後の微熱がみられる。
・脈:細数
→本症例は、陰虚内熱がみられる。五心煩熱は、手足心熱に胸中の煩熱を伴うものをさす。

1.× 息切れは、気虚でみられる。

2.× 胖大舌は、気虚や陽虚でみられる。

3.〇 正しい。五心煩熱は、本症例の病証にみられる。なぜなら、熱中症で陰液が損傷され、その後に陰虚内熱が生じているため。したがって、五心煩熱がみられる。

4.× 胸部の刺痛は、瘀血による疼痛の特徴である。

 

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