第31回(R5年)柔道整復師国家試験 解説【午前61~65】

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問題61 オッディの括約筋があるのはどれか。

1.食道
2.胃
3.十二指腸
4.空腸

答え.3

解説
1.× 食道
食道は、食物を嚥下し、胃へ運ぶ管状の器官である。

2.× 胃
胃は食物を一時的に蓄え、消化を開始する器官である。

3.〇 正しい。十二指腸にオッディの括約筋がある。
オッディ括約筋とは、十二指腸下行部に開口する総胆管及び膵管の出口に当たる、大十二指腸乳頭周囲に存在する括約筋である。この筋肉は、胆汁や膵液の分泌量や流れをコントロールする役割がある。

4.× 空腸
空腸は小腸の一部で、消化された栄養素の吸収を行う器官である。

 

 

 

 

 

問題62 前頭洞の鼻腔への開口部位はどれか。

1.最上鼻道
2.上鼻道
3.中鼻道
4.下鼻道

答え.3

解説


1.× 最上鼻道
最上鼻道は主に嗅覚を担当している。

2.× 上鼻道
上鼻道は後篩骨洞に開口している。

3.〇 正しい。中鼻道は、前頭洞の鼻腔への開口部位である。
中鼻道は鼻中隔と中鼻甲介の間にあり、副鼻腔の排出路として機能している。一方、前頭洞は前頭骨内にあり、鼻腔への開口は中鼻道を通じて行われる。

4.× 下鼻道
下鼻道は鼻涙管へ開口している。

 

 

 

 

 

問題63 右肺のみにあるのはどれか。

1.胸膜洞
2.斜裂
3.水平裂
4.心圧痕

答え.3

解説

(※画像引用:中高津クリニック様HP)

1.× 胸膜洞
胸膜洞は、両側の肺に存在し、肺を覆っている胸膜の間にある空間である。

2.× 斜裂
斜裂は両側の肺に存在し、右肺には中葉と下葉を分ける斜裂、左肺には上葉と下葉を分ける斜裂が存在する。

3.〇 正しい。水平裂は、右肺のみにある。
水平裂は右肺にのみ存在し、右肺を上葉と中葉に分ける。左肺には中葉がないため、水平裂は存在しない。

4.× 心圧痕
心圧痕は、左肺に存在する。心圧痕とは、心臓の位置により左肺に心臓が接触する部分に圧痕ができているものを指す。

 

 

 

 

 

問題64 縦郭の境界をなすのはどれか。

1.第1肋骨
2.心臓
3.肺胸膜
4.横隔膜

答え.4

解説

縦隔とは?

縦隔とは左右の肺の間に位置する部分のことを指す。心臓、大血管、気管、食道、胸腺などの臓器がある。

1.× 第1肋骨
第1肋骨は、胸郭の上部を形成する骨である。

2.× 心臓
心臓は、胸郭内にある臓器である。

3.× 肺胸膜
胸膜とは、肺の表面を直接覆う臓側胸膜(肺胸膜)と胸壁の内側(胸腔)を覆う壁側胸膜とに分けられる。

4.〇 正しい。横隔膜は、縦郭の境界をなす。
横隔膜とは、胸郭と腹郭を分ける筋膜性の膜であり、縦郭の境界をなしている。他にも、横隔膜の役割は、呼吸に関与する。

 

 

 

 

 

問題65 腎臓で正しいのはどれか。

1.尿管は腎門から出る。
2.糸球体は腎髄質にある。
3.乳頭孔は腎皮質にある。
4.腎臓は骨盤内に位置する。

答え.1

解説

尿生成の流れ

尿は腎小体(糸球体→Bowman嚢)で濾過され、尿細管(近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管→集合管)を通り腎杯、腎盂 (腎盤)、尿管、膀胱、尿道へと流れていく。糸球体から遠位尿細管までの部分をネフロン(腎単位)という。

1.〇 正しい。尿管は腎門から出る
腎臓は尿を生成し、尿管を通じて膀胱に送る。尿管は腎門から出て、膀胱に尿を運ぶ。

2.× 糸球体は、「腎髄質」ではなく腎皮質にある。
糸球体とは、腎臓に血液を送る動脈が徐々に細くなった先にある毛細血管の球形の塊である。糸球体は、腎臓の機能単位であるネフロンの一部で、腎臓の外側部分である腎皮質に集まっている。腎髄質は腎臓の内側部分で、集合管などが存在する。

3.× 乳頭孔は、「腎皮質」ではなく腎髄質にある。
乳頭孔とは、乳頭の先端近くでは背の高い円柱状の上皮を持つもので、集合管から分泌された尿が腎盂へ流れる場所である。

4.× 腎臓は骨盤内に「位置する」のではなく位置しない
腎臓は、腹腔の後腹膜に位置する。左右の腎臓はそれぞれ脊柱の両側に位置し、一般的に右腎は左腎よりもやや下に位置している。

 

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