第31回(R5年)柔道整復師国家試験 解説【午前66~70】

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問題66 男性の尿道括約筋があるのはどれか。

1.壁内部
2.前立腺部
3.横隔膜部
4.海綿体部

答え.3

解説

(※図引用:「男性の尿道括約筋」illustAC様HPより)

1.× 壁内部
壁内部に尿道括約筋はない。壁内部とは、内尿道口に始まる膀胱壁内の短い部分のことである。

2.× 前立腺部
前立腺部に尿道括約筋はない。前立腺部とは、前立腺部を貫く部分(約3cm)である。前立腺とは、男性にしかない生殖器の一つで、前立腺液といわれる精液の一部を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護する役割を持っている。前立腺は、直腸と恥骨の間にあり、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいる。

3.〇 正しい。横隔膜部
横隔膜部に尿道括約筋がある。内尿道括約筋とは、蓄尿時に収縮し、排尿時に弛緩する。内尿道括約筋は、排尿時は骨盤神経(副交感神経)・随意的に尿を止めるときは下腹神経(交感神経)である。一方、外尿道括約筋とは、蓄尿時に収縮し、排尿時に弛緩する。外尿道括約筋は、陰部神経(体性神経)である。蓄尿時には内・外尿道括約筋が収縮し蓄尿を維持し、排尿時には、内・外尿道括約筋が弛緩することで尿が尿道を通り排泄される。

4.× 海綿体部
海綿体部とは、尿道海綿体の内部を走行する。約10cmある。海綿体とは、スポンジ状の勃起性組織である。男性の陰茎の勃起中には、陰茎海綿体のほとんどが、血液で占められる。

 

 

 

 

 

問題67 男女の生殖器で相同な組み合わせはどれか。

1.陰嚢:大陰唇
2.前立腺:大前庭腺
3.陰茎亀頭:前庭球
4.尿道海綿体:陰核脚

答え.1

解説

MEMO

ホモログ(相同体): 類似した塩基配列を持つ遺伝子など、2つ以上の生物種で似ている成分で、共通祖先に帰すると考えられるもの。

1.〇 正しい。陰嚢と大陰唇は、相同な組み合わせである。

2.× 前立腺は、「大前庭腺」ではなくスキーン腺に相同である。
大前庭腺(バルトリン腺)とは、性的興奮時に粘液を分泌し腟をなめらかにする機能がある。

3.× 陰茎亀頭は、「前庭球」ではなく陰茎に相同である。
前庭球とは、膣前庭の左右両側にある扁平な棒状の海綿体である。男性の尿道海綿体に相当する。 性的興奮により膨張し、後部にある大前庭腺を圧迫して分泌物を排出させる。

4.× 尿道海綿体は、「陰核脚」ではなく陰茎海綿体に相同である。
陰核脚とは、左右の陰核海綿体が恥骨下枝に付着する部分である。

 

 

 

 

 

問題68 子宮の正常位はどれか。

1.前傾前屈
2.前傾後屈
3.後傾前屈
4.後傾後屈

答え.1

解説

(図引用:「妊産婦の体と分娩経過の変化」著:渡部信子様より)

1.〇 正しい。前傾前屈が子宮の正常位である。
前傾前屈子宮だと、尖腹から前不正軸定位になりがちであり、さらに、骨盤内に進入する際、第1回旋不良で頭頂骨が先進しやすい現代の分娩では、前頭頂骨定位となりやすい。

2.4.× 前傾後屈/後傾後屈
子宮の正常位とはいえない。

3.× 後傾前屈
40年前は正常とされていた。

 

 

 

 

 

問題69 ホルモン産生をしないのはどれか。

1.視床
2.視床下部
3.腎臓
4.副腎

答え.1

解説
1.視床は、ホルモン産生をしない。
視床とは、嗅覚以外のあらゆる感覚情報(体性感覚、痛覚、視覚、聴覚、味覚など)を大脳皮質に送る一大中継基地を担う。

2.〇 視床下部
視床下部からは、下垂体前葉に作用する成長ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン抑制ホルモン、プロラクチン抑制ホルモンなどが分泌される。視床下部とは、間脳に位置し、内分泌や自律機能の調節を行う総合中枢である。 ヒトの場合は脳重量のわずか0.3%、4g程度の小さな組織であるが、多くの神経核から構成されており、体温調節やストレス応答、摂食行動や睡眠覚醒など多様な生理機能を協調して管理している。つまり、視床下部は自律神経の最高中枢である。

3.〇 腎臓
腎臓は、エリスロポエチンとレニンを分泌する。エリスロポエチンは、腎臓の間質細胞から分泌されるホルモンの1つで、骨髄で赤芽球に作用し赤血球への分化を促す。腎機能が低下すると腎臓からのエリスロポエチン産生が減り、赤血球を作る能力が低下するため腎性貧血になる。

4.〇 副腎
副腎には、①副腎皮質と②副腎髄質からホルモンが分泌される。①副腎皮質ホルモンとは、副腎皮質より産生されるホルモンの総称で、①アルドステロン、②コルチゾール、③アンドロゲンがある。炎症の制御、炭水化物の代謝、タンパク質の異化、血液の電解質のレベル、免疫反応など広範囲の生理学系に関わっている。②副腎髄質からはアドレナリンとノルアドレナリンが分泌される。

 

 

 

 

 

問題70 皮質と髄質からなるのはどれか。

1.下垂体
2.甲状腺
3.上皮小体
4.副腎

答え.4

解説
1.× 下垂体
下垂体とは、脳の直下にあって、さまざまホルモンを分泌する内分泌器官である。下垂体の前葉からは、副腎皮質刺激ホルモン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、乳汁分泌ホルモン、性腺刺激ホルモンが、下垂体の後葉からは抗利尿ホルモンが分泌される。

2.× 甲状腺
甲状腺とは、のどぼとけの下にある蝶ような形をした臓器で、甲状腺ホルモン(T3およびT4)とカルシトニンを分泌している。甲状腺ホルモンは、カラダ全体の新陳代謝を促進する働きがある。カルシトニンは、甲状腺から分泌されるホルモンで、骨吸収を抑制する働きを持つ。

3.× 上皮小体(副甲状腺)
上皮小体は、甲状腺の後方に位置し、パラトルモン(上皮小体ホルモン)を分泌する。パラトルモン(上皮小体ホルモン)は、血液のカルシウムの濃度を増加させるように働き、逆に甲状腺から分泌されるカルシトニンはカルシウム濃度を減少させるように働く。

4.〇 正しい。副腎は、皮質と髄質からなる。
副腎には、①副腎皮質と②副腎髄質からホルモンが分泌される。①副腎皮質ホルモンとは、副腎皮質より産生されるホルモンの総称で、①アルドステロン、②コルチゾール、③アンドロゲンがある。炎症の制御、炭水化物の代謝、タンパク質の異化、血液の電解質のレベル、免疫反応など広範囲の生理学系に関わっている。②副腎髄質からはアドレナリンとノルアドレナリンが分泌される。

 

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