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問題126 関元兪と同じ高さにある奇穴の主治はどれか。
1.咳嗽
2.動悸
3.不眠
4.月経痛
解答4
解説
1.× 咳嗽を主治とする奇穴は、定喘である。
定喘(※読み:ていぜん)は、上背部、第7頸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方5分に位置する。別名は治端(※読み:ちぜん)である。【主治】咳嗽、喘息、蕁麻疹、上肢麻痺である。
2.× 動悸(呼吸器、心疾患症状)を主治とする奇穴は、四華や患門である。
四華(※読み:しか)は、紐を使い、背部に計4穴を取る。【主治】呼吸器疾患(特に肺結核・喘息)、心疾患である。
患門(※読み:かんもん)は、紐を使い、背部に計2穴を取る。【主治】呼吸器疾患(特に肺結核・喘息)、心疾患である。
3.× 不眠を主治とする奇穴は、翳明や印堂である。
翳明(※読み:えいめい)は、頸部、乳様突起の下縁、翳風(三焦)の後方約1寸に取る。【主治】老眼(老視)、近視、耳下腺炎、耳鳴、眩暈、不眠である。
印堂(※読み:いんどう)は、顔面部、神庭(督)の下方、眉間中央陥凹部に取る。【主治】小児ひきつけ、鼻疾患、頭痛、眩量、不眠である。
4.〇 正しい。月経痛は、関元兪と同じ高さにある奇穴の主治である。
関元兪(※読み:かんげんゆ)は、腰部、第5腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分に位置する。関元兪と同じ高さにある十七椎(※読み:じゅうななつい)は、腰部、後正中線上、第5腰椎棘突起下方の陥凹部に位置する。別名:上仙(※読み:じょうせん)という。【主治】月経痛、腰痛、妊娠による排尿困離、痔疾、下肢の麻痺
問題127 鍼施術で気胸を起こすリスクが最も高い経穴はどれか。
1.天宗
2.身柱
3.附分
4.三焦兪
解答3
解説
気胸とは、肺と胸壁の間の空間に空気が溜まる状態を指す。交通事故による強い衝撃により、肺が損傷し、気胸が生じる。これを内開放性気胸といい、肺が外傷により損傷され起こる気胸のことである。症状には、胸痛、息切れ、速い呼吸、心拍数の増加などがあり、ときにショックに至る。
1.× 天宗(※読み:てんそう)
天宗は、肩甲部、肩甲棘の中点と肩甲骨下角を結んだ線上、肩甲棘から1/3にある陥凹部に位置する。
2.× 身柱(※読み:しんちゅう)
身柱は、上背部、後正中線上、第3胸椎棘突起下方の陥凹部に位置する。
3.〇 正しい。附分(※読み:ふぶん)は、鍼施術で気胸を起こすリスクが最も高い経穴である。
なぜなら、深部に肺が位置するため。附分は、上背部、第2胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸に位置する。肩甲骨の内側縁で、肩甲棘内端の内上方にあたる。
4.× 三焦兪(※読み:さんしょうゆ)
三焦兪は、腰部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分に位置する。
問題128 次の文で示す異常歩行に対して筋萎縮の予防を目的に低周波鍼通電療法を行う場合、治療穴の組合せとして適切なのはどれか。
「つま先が上がりにくく、膝を高く上げた後、つま先から接地するように歩く。」
1.伏兎:陰市
2.委中:承山
3.地機:三陰交
4.足三里:下巨虚
解答4
解説
・つま先が上がりにくい
・膝を高く上げた後:つま先から接地するように歩く。
→前脛骨筋(足関節背屈筋:深腓骨神経)を対象として治療する。前脛骨筋の【起始】脛骨外側面、下腿骨間膜、【停止】内側楔状骨と第1中足骨の底面、【作用】足関節背屈、内返し、【神経】深腓骨神経(L4~S1)である。
1.× 伏兎:陰市は、外側広筋・大腿直筋を対象とする。
伏兎(※読み:ふくと)は、大腿前外側、膝蓋骨底外端と上前腸骨棘を結ぶ線上、膝蓋骨底の上方6寸に位置する。
陰市(※読み:いんし)は、大腿前外側、大腿直筋腱の外側で膝蓋骨底の上方3寸に位置する。
2.× 委中:承山は、腓腹筋を対象とする。
委中(※読み:いちゅう)は、膝後面、膝窩横紋の中点に位置する。深部に脛骨神経が通る。
承山(※読み:しょうざん)は、下腿後面、腓腹筋筋腹とアキレス腱の移行部に位置する。
3.× 地機:三陰交は、ヒラメ筋・長趾伸筋・後脛骨筋を対象とする。
地機(※読み:ちき)は、下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後側、陰陵泉の下方3寸に位置する。
三陰交(※読み:さんいんこう)は、下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後側、内果尖の上方3寸に位置する。
4.〇 正しい。足三里:下巨虚は、前脛骨筋(足関節背屈筋:深腓骨神経)を対象として治療できる。
足三里(※読み:あしさんり)は、下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方3寸に位置する。
下巨虚(※読み:げこきょ)は、下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方9寸に位置する。
問題129 次の文で示す症例に対する生活指導で最も適切なのはどれか。
「32歳の女性。頸は細く、なで肩。長時間のパソコン作業で肩こりに続き、持続性の鈍痛が後頭部に出現。仕事を休むほどではない。悪心・嘔吐、光過敏は伴わない。」
1.パソコン作業時は肘掛けの使用を控える。
2.後頸部の筋群の筋力トレーニングを行わせる。
3.入浴はシャワーのみで済ませる。
4.現在より高さのある枕を使用させる。
解答2
解説
・32歳の女性(頸は細く、なで肩)。
・長時間のパソコン作業で肩こりに続き、持続性の鈍痛が後頭部に出現。
・仕事を休むほどではない。
・悪心・嘔吐、光過敏は伴わない。
→本症例は、緊張型頭痛が疑われる。緊張型頭痛とは、一般的に頭痛のなかでもっとも頻度が高く、頭の周囲が締め付けられるように痛くなるタイプの頭痛である。一般的な頭痛といえる。原因はストレス、首や肩の筋肉の血行の悪さ、姿勢の悪さ、睡眠不足などさまざまである。したがって、生活指導は、血流の改善のため「温める」ことが有効である。具体的には、①お風呂に浸かって体を温める、②肩や首に蒸しタオルなどを当てて温める、③体を動かす、④ストレッチで首や肩を動かす、⑤適度な有酸素運動をする、⑥マッサージやツボ押しをするなどである。入浴、飲酒、運動やマッサージは血管を拡張させ、凝った部位の血流を改善すると共に精神的ストレスを解消して、この痛みの悪循環を断ち切る軽快因子となる。
1.× パソコン作業時は肘掛けの使用を控える必要はない。
なぜなら、緊張型頭痛の原因はストレス、首や肩の筋肉の血行の悪さ、姿勢の悪さ、睡眠不足などであるため。したがって、むしろ、肘掛けの使用は、首や肩の筋肉の緊張を和らげる効果が期待できるため推奨できる。
2.〇 正しい。後頸部の筋群の筋力トレーニングを行わせる。
①お風呂に浸かって体を温める、②肩や首に蒸しタオルなどを当てて温める、③体を動かす、④ストレッチで首や肩を動かす、⑤適度な有酸素運動をする、⑥マッサージやツボ押しをするなどである。
3.× 入浴は、「シャワーのみ」ではなく、お風呂で済ませる。
なぜなら、入浴、飲酒、運動やマッサージは血管を拡張させ、凝った部位の血流を改善する効果が期待できるため。また、共に精神的ストレスを解消して、この痛みの悪循環を断ち切る軽快因子となる。
4.× 現在より高さのある枕を使用させる必要はない。
なぜなら、現在使用している枕の高さが不明であるため。負担とならない枕の高さを設定する必要がある。
問題130 特発性三叉神経痛の好発部位に対する局所治療穴として最も適切なのはどれか。
1.陽白
2.四白
3.印堂
4.魚腰
解答2
解説
特発性三叉神経痛とは、三叉神経のうち、1つまたは複数の枝の領域におこる発作性電撃様疼痛である。40歳以上の中高年者に多くみられ、女性に多くみられる。発作の間隔は症状の進行とともに短縮する。痛みは片側性に発症し、正中を越えて反対側に広がることはない。好発部位は第Ⅱ枝、次に第Ⅲ枝である。
1.× 陽白は、三叉神経の第一枝(眼神経)の支配領域にある。
陽白(※読み:ようはく)は、頭部、眉の上方1寸、瞳孔線上に位置する。前頭筋の治療穴である。
2.〇 正しい。四白は、特発性三叉神経痛の好発部位に対する局所治療穴である。
四白(※読み:しはく)は、顔面部、眼窩下孔部に位置する。眼窩下神経の出る部にあたる。また、眼輪筋の治療穴である。
3.× 印堂は、三叉神経の第一枝(眼神経)の支配領域にある。
印堂(※読み:いんどう)は、顔面部、神庭(督)の下方、眉間中央陥凹部に取る。【主治】小児ひきつけ、鼻疾患、頭痛、眩量、不眠である。
4.× 魚腰は、三叉神経の第一枝(眼神経)の支配領域にある。
魚腰(※読み:ぎょよう)は、顔面部、瞳孔の直上、正視させ、眉毛の中央の陥中に取る。【主治】眼疾患、眼瞼下垂である。
(※図引用:「illustAC様」)
バレー(Valleix)氏圧痛点:三叉神経の各枝は、頭蓋底にある穴を通って顔面骨にある穴から出てそれぞれの支配領域に分布する。
①第Ⅰ枝の眼神経:眼窩上孔から
②第Ⅱ枝の上顎神経:眼窩下孔から
③第Ⅲ枝の下顎神経:オトガイ孔から出ており、その部分を皮膚の上から押すと痛みが起こす。