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問題26 内耳の前庭でみられるのはどれか。
1.ラセン器
2.蝸牛管
3.平衡斑
4.膨大部稜
解答3
解説
(※図引用:「耳の構造・説明図」illustAC様より)
1.× ラセン器
コルチ器とは、ラセン器ともいい、内耳にあり聴覚を司る蝸牛内を仕切る2つの膜のうち、基底膜の上に2種の有毛細胞を持つ感覚器官である。
2.× 蝸牛管
蝸牛管は、外リンパの流れが受容器の刺激となって、膜を通して内リンパに伝わり、基底板が振動し、蝸牛神経へと伝える働きを持つ。
3.〇 正しい。平衡斑は、内耳の前庭でみられる。
平衡斑は、体の動きに合わせて絶えずバランスを保ち、まっすぐに体を保てるように働き続ける役割を持つ。平衡斑とは、上から、耳石層、ゼラチン層、クプラ下層の3層構造からなっている。最下層(クプラ下層)に有毛細胞が並んでおり、その上をゼラチン状の物質が覆い、最上層に炭酸カルシウムの結晶が載っている。この炭酸カルシウムの結晶を平衡砂(または耳石)といい、ゼラチン状の物質は平衡砂膜(または耳石膜)と呼ばれている。
4.× 膨大部稜
膨大部稜とは、卵形嚢と3本の半規管の接合部をいう。
(※画像引用:やまだカイロプラクティック院様)
問題27 二酸化炭素運搬に関わる主要な血液成分はどれか。
1.アルブミン
2.ヘモグロビン
3.重炭酸イオン
4.水
解答3
解説
1.× アルブミン
アルブミンとは、肝臓で作られるたんぱく質で、肝臓や栄養状態の指標となる。血清総蛋白の60%程度を占め肝臓で生成される。アルブミンが低値の場合は、低栄養状態、がん、 肝硬変など、一方で高値の場合は、脱水により血管内の水分が減少し、濃縮効果によることが考えられる。
2.× ヘモグロビン
ヘモグロビンとは、酸素分子と結合する性質を持ち、肺から全身へと酸素を運搬する役割を担っている。ヘモグロビンの値が、男性は13g/dl以下、女性は11g/dl以下になると、「貧血」と診断される。
3.〇 正しい。重炭酸イオンは、二酸化炭素運搬に関わる主要な血液成分である。
約90%が血しょう中の重炭酸イオン(HCO3-)という形である。炭酸ガス輸送とは、代謝によって産生された生体組織中の二酸化炭素(炭酸ガス)が血液により肺に輸送される過程のことをさす。酸素は、ほとんど赤血球中のヘモグロビンによってのみ輸送される。一方、二酸化炭素は、血しょうと赤血球の両者により輸送される。その割合は、約90%が血しょう中の重炭酸イオン(HCO3-)という形で、約5%が血しょうおよび赤血球中に溶解した二酸化炭素の形、約5%がヘモグロビンあるいは血しょうタンパクのアミノ基と結合したカルバミノ化合物の形である。
4.× 水
血液とは、血球(赤血球と白血球)と血小板、そしてそれらを浮遊させている血漿からなり、この血漿成分のうち約90%を占めるのが水である。
問題28 心周期で心室内圧が動脈圧より高い時期はどれか。
1.等容性収縮期
2.駆出期
3.等容性弛緩期
4.充満期
解答2
解説
心周期とは、心臓の収縮と弛緩からなる、心臓ポンプの1回の心拍動のことである。心周期は5つに分けられる。
①心房収縮期(心房が収縮し、左右の房室弁が開くことで、心房内の血液が心室に送られる)
②等容性収縮期(心室の収縮が始まる段階。心室内圧は上昇し、すべての弁は閉じる。血液に動きはない。)
③駆出期(さらに心室が収縮し、心室内圧が動脈内圧を上まわる。動脈弁が開き、心室内の血液は動脈へと流れる。)
④等容性拡張期(心室筋が弛緩して拡張が始まる段階。血液が動脈へと流れ出た後、心室圧は低下する。心室圧が動脈圧を下回ると、すべての弁が閉じる。心房には血液が流れ込み始める。)
⑤充満期(心房と心室がさらに拡張し、心室内圧が低下して房室弁が開き、心房の血液が心室に流れ込む。)
1.× 等容性収縮期
心室筋が弛緩して拡張が始まる段階。血液が動脈へと流れ出た後、心室圧は低下する。心室圧が動脈圧を下回ると、すべての弁が閉じる。心房には血液が流れ込み始める。
2.〇 正しい。駆出期は、心周期で心室内圧が動脈圧より高い時期である。
等容性収縮期から、さらに心室が収縮し、心室内圧が動脈内圧を上まわる。動脈弁が開き、心室内の血液は動脈へと流れる。
3.× 等容性弛緩期
心室筋が弛緩して拡張が始まる段階。血液が動脈へと流れ出た後、心室圧は低下する。心室圧が動脈圧を下回ると、すべての弁が閉じる。心房には血液が流れ込み始める。
4.× 充満期
心房と心室がさらに拡張し、心室内圧が低下して房室弁が開き、心房の血液が心室に流れ込む。
(図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)
問題29 呼吸運動を促進するのはどれか。
1.体温の低下
2.血中水素イオン濃度の減少
3.血中酸素分圧の増加
4.大動脈小体の興奮
解答4
解説
1.× 体温は、「低下」ではなく上昇により呼吸運動を促進する。
なぜなら、体温上昇により骨格筋の酸素消費量が増加して、血中の酸素分圧が低下し、二酸化炭素分圧が上昇するため。
2.× 血中水素イオン濃度は、「減少」ではなく上昇により呼吸運動を促進する。
延髄腹側の化学受容器は、脳脊髄液や脳組織中のpHを感知している。その変化を呼吸中枢に入力している。血中水素イオン濃度の上昇により延髄腹側の化学受容器が興奮する。
3.× 血中酸素分圧は、「増加」ではなく減少により呼吸運動を促進する。
なぜなら、呼吸によって酸素を取り入れようとするため。
4.〇 正しい。大動脈小体の興奮は、呼吸運動を促進する。
頚動脈小体(頚動脈球)とは、頚動脈の分岐部にある、米粒大の末梢化学受容器である。類似の末梢化学受容器としては他に大動脈小体がある。血中の酸素(O2)および二酸化炭素(CO2)の分圧(濃度)を検知し、またpHや温度の変化にも敏感で、呼吸調節システムの一部をなす。頚動脈小体の支配神経は頚動脈洞神経で、舌咽神経(IX)に入る求心性線維と迷走神経(Ⅹ)に由来する自律神経遠心性線維を含む。
問題30 嚥下について正しいのはどれか。
1.嚥下中枢は脊髄にある。
2.口腔相では舌を使って食塊を喉頭に送る。
3.咽頭相では咽頭から鼻腔への出口は閉鎖される。
4.食道相では随意運動によって食塊が輸送される。
解答3
解説
(※図引用:「illustAC様」)
①先行期・・・飲食物の形や量、質などを認識する。
②準備期・・・口への取り込み。飲食物を噛み砕き、飲み込みやすい形状にする。
③口腔期・・・飲食物を口腔から咽頭に送り込む。
④咽頭期・・・飲食物を咽頭から食道に送り込む。
⑤食道期・・・飲食物を食道から胃に送り込む。
1.× 嚥下中枢は、「脊髄」ではなく延髄にある。
嘔吐、嚥下、唾液、呼吸および循環、消化の中枢を含む。生命維持に不可欠な機能を担っていて自律神経の神経核である。
2.× 口腔相では舌を使って食塊を、「喉頭」ではなく口腔に送る。
喉頭とは、発声や飲食物の飲み込むとき、気管や肺へ入らないように防止する役割をする。
3.〇 正しい。咽頭相では咽頭から鼻腔への出口は閉鎖される。
なぜなら、咽頭期で喉頭蓋反転が起こるため。喉頭蓋反転とは、喉頭蓋が反転して気管への通路が喉頭を閉鎖することをいう。
4.× 食道相では、「随意運動」ではなく不随意運動(蠕動運動)によって食塊が輸送される。
蠕動運動とは、管腔臓器において中枢側(口側)が収縮し末梢側(肛門側)が弛緩することで、末梢側(肛門側)に尿や消化管内容物を押し出していく運動のことである。