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問題41 出血性梗塞を最も起こしやすいのはどれか。
1.心臓
2.小腸
3.脾臓
4.腎臓
解答2
解説
出血性梗塞とは、脳梗塞が完成されているところに再び血流が流れ出し、血管が破け出血を生じた状態を指す。出血性梗塞の好発部位は、血管の二重支配を受ける臓器で起こりやすいため、例えば、①肺(肺動脈と気管支動脈)、②肝(肝動脈と門脈)、③小腸や大腸などの腸管(多数の腸間膜動脈枝が吻合している)などがその代表である。心原性脳塞栓症の治療に続いて起こり得る。心原性脳塞栓症とは、心臓内でできた血栓が脳の血管を閉塞して起こる脳梗塞である。 脳梗塞の中で 20~25%を占めており、他のタイプの脳梗塞と比較して前触れなく突然発症し、梗塞巣が広範囲で重症になりやすい。血栓ができる原因としては、心房細動が最も頻度が高く心原性脳塞栓症の約 7 割以上を占めており、その他には洞不全症候群、人工弁、発症4週間未満の急性心筋梗塞、心筋症などがある。
1.× 心臓とは、収縮と拡張を繰り返して、血液を循環させる働きを持つ器官である。
2.〇 正しい。小腸は、出血性梗塞を最も起こしやすい。出血性梗塞とは、脳梗塞が完成されているところに再び血流が流れ出し、血管が破け出血を生じた状態を指す。出血性梗塞の好発部位は、血管の二重支配を受ける臓器で起こりやすいため、例えば、①肺(肺動脈と気管支動脈)、②肝(肝動脈と門脈)、③小腸や大腸などの腸管(多数の腸間膜動脈枝が吻合している)などがその代表である。心原性脳塞栓症の治療に続いて起こり得る。心原性脳塞栓症とは、心臓内でできた血栓が脳の血管を閉塞して起こる脳梗塞である。 脳梗塞の中で 20~25%を占めており、他のタイプの脳梗塞と比較して前触れなく突然発症し、梗塞巣が広範囲で重症になりやすい。血栓ができる原因としては、心房細動が最も頻度が高く心原性脳塞栓症の約 7 割以上を占めており、その他には洞不全症候群、人工弁、発症4週間未満の急性心筋梗塞、心筋症などがある。
3.× 脾臓とは、左上腹部にあり、①古くなった血球(白血球、赤血球、血小板)の処理や、②感染に対する防御など免疫に関係する働きを担う。
4.× 腎臓とは、老廃物や余分な水分、塩分などを尿として排泄することで、体の中の水分量やナトリウムやカリウムといったイオンバランスを適正に保ったり、血液の酸性・アルカリ性を調節したり、体内を常に最適な環境にする機能がある。
問題42 分葉状の核をもつ細胞はどれか。
1.好中球
2.リンパ球
3.形質細胞
4.肥満細胞
解答1
解説
分葉状の核とは、好中球の一種である分葉核球の核を指す。分葉核球の核は、2~5個に分葉しており、分葉した核の間は核糸でつながっている。
1.〇 正しい。好中球は、分葉状の核をもつ細胞である。好中球とは、白血球の中で一番多く、細菌免疫の主役である。マクロファージが好中球に指令し、好中球は活性化・増殖する。末梢血白血球の40~70%を占め、生体内に細菌・真菌が侵入すると、まず好中球が感染部位に遊走し、菌を貧食する。細菌感染による急性炎症で最初に反応する。
2.× リンパ球とは、脊椎動物の免疫系における白血球のサブタイプの一つである。リンパ球には①ナチュラルキラー細胞、②T細胞、③B細胞がある。B細胞は体液性免疫を担当し、B細胞から活性化して形質細胞となり抗体を産生する。
3.× 形質細胞とは、B細胞が成熟したもので、抗体を作って自然免疫の働きを助ける。つまり、体に侵入したウイルスや細菌などの異物を排除する作用を持つ蛋白質(抗体)を産生する。ちなみに、メモリーB細胞とは、一度侵入した減病態の情報を記憶し、病気にかかりにくい状態を作る働きを持つ。
4.× 肥満細胞とは、マスト細胞ともいい、骨髄系細胞由来の細胞であり、末梢血の顆粒球の一種である好塩基球に類似した性質を持つ、免疫細胞の一種である。 肥満細胞の顆粒内には、ヒスタミン、ロイコトリエン、血症板活性化因子、セロトニン、ヘパリンなどのケミカルメディエーターと呼ばれる物質が含まれている。IgE抗体を結合し、Ⅰ型(即時型)アレルギー反応を引き起こす。
単球とは、白血球の一種で、最も大きなタイプの白血球である。マクロファージなどへ分化し、貧食・消化・殺菌などの機能を発揮する。単球は、末梢血白血球の2~9%を占める。ちなみに、マクロファージとは、単球から分化し、貧食能を有する。異物を貪食して抗原提示細胞になり、抗原情報がリンパ球に伝えられる。直径15~20μmの比較的大きな細胞で、全身の組織に広く分布しており、自然免疫(生まれつき持っている防御機構)において重要な役割を担っている。
問題43 GVH反応が最も起きやすい移植臓器はどれか。
1.角膜
2.肝臓
3.腎臓
4.骨髄
解答4
解説
輸血後移植片対宿主(GVH反応)とは、輸血後に受血者の体内で供血者のリンパ球が生着し、受血者の組織を攻撃する病態である。つまり、輸血製剤中の供血者のリンパ球が増殖し、受血者の組織を攻撃する反応である。家族間の輸血で生じやすい。予防で最も効果が確実なのは、輸血用血液製剤に放射線照射を行い、血液製剤に含まれるリンパ球を排除することである。症状として、輸血後1~2週間で発熱・紅斑が出現し、肝障害・下痢・下血等の症状を伴うとともに、骨髄無形成・汎血球減少症、多臓器不全を呈して、ほとんどの症例で輸血から1カ月以内に致死的経過をたどる。
1.× 角膜とは、光の屈折・焦点距離の調節などの役割を持つ水晶体の外側に覆う薄い膜である。
2.× 肝臓とは、有害物質を無毒化し排泄する臓器である。ほかにも①代謝、②貯蔵、③胆汁の生成・排泄、④生体防御の働きを持つ。
3.× 腎臓とは、老廃物や余分な水分、塩分などを尿として排泄することで、体の中の水分量やナトリウムやカリウムといったイオンバランスを適正に保ったり、血液の酸性・アルカリ性を調節したり、体内を常に最適な環境にする機能がある。
4.〇 正しい。骨髄は、GVH反応が最も起きやすい移植臓器である。なぜなら、骨髄移植にはドナーのT細胞が含まれており、これらが移植された宿主の体内で宿主の細胞を「異物」と認識する可能性があるため。
T細胞とは、血液中を流れている白血球のうち、リンパ球と呼ばれる細胞の一種である。胸腺(thymus)でつくられるため、頭文字を取ってT細胞と名付けられた。T細胞は膠原特異的な免疫応答である獲得免疫に関与する。免疫応答を促進するヘルパーT細胞、逆に免疫反応を抑制するサプレッサーT細胞、病原体に感染した細胞や癌細胞を直接殺すキラーT細胞などに分類される。
問題44 上皮性腫瘍はどれか。
1.乳頭腫
2.線維腫
3.膠芽腫
4.白血病
解答1
解説
腫瘍には、 良性と②悪性、③上皮性と④非上皮性に分けられる。
①良性:主に転移しない腫瘍。
②悪性:主に転移する腫瘍。
③上皮性:体表(乳房)や管腔臓器(消化器、呼吸器、泌尿器)の覆う細胞。
④非上皮性:皮細胞以外の体の組織(筋肉、脂肪、血管など)を構成する細胞。
1.〇 正しい。乳頭腫は、上皮性腫瘍である。
上皮性腫瘍とは、皮膚の表皮のように、表面をおおう細胞(上皮)に発生する腫瘍をいう。乳房にできる上皮性腫瘍としては、乳管のなかにできる良性の乳管内乳頭腫や乳管に分泌液が溜まり袋状になった囊胞内にできる嚢胞内乳頭腫などがある。これらは、超音波画像診断などでは腫瘤性の病変として認識されるが、乳頭状型の非浸潤性乳管がんとの鑑別診断をすることは時に非常に難しいことがあり、針生検で乳管内乳頭腫とされた場合でも、画像診断で非浸潤性乳管がんを疑う場合には切開生検を行い、診断を確定する必要がある。
2.× 線維腫とは、結合組織から発生する非上皮性の良性腫瘍である。結合組織の繊維成分が増殖することで形成される。
3.× 膠芽腫とは、脳に発生する神経膠細胞由来の非上皮性の悪性腫瘍である。中枢神経系の支持組織から発生する。
4.× 白血病とは、血液や骨髄の造血組織由来の非上皮性の悪性腫瘍である。、血液細胞の異常増殖を特徴とし、血液のがんである。急性白血病とは、骨髄の中にある幼若な血液細胞が癌化して白血病細胞となり骨髄の中で急速に分裂して数を増やす疾患である。白血病細胞が骨髄の中で増えてくる結果、骨髄の本来の機能である造血能が著しく障害される。初期症状として、発熱・貧血・出血傾向・骨痛・倦怠感がみられる。
問題45 アキレス腱断裂の診察法はどれか。
1.トーマステスト
2.ラックマンテスト
3.トンプソン徴候
4.ドレーマン徴候
解答3
解説
1.× トーマステストとは、股関節屈曲拘縮を診るテストである。背臥位で股関節・膝関節を屈曲する。反対側の膝が持ち上がると陽性である。トレンデレンブルグ徴候は、中殿筋機能が低下して起こる。患肢で片脚立ちをしたとき、健肢側の骨盤が下がる現象である。エリーテストは、大腿直筋の短縮のテストである。短縮していた場合、腹臥位で膝関節を最大屈曲した際に、股関節が屈曲し、殿部が持ち上がる(尻上がり現象)。
2.× ラックマンテストとは、膝関節前十字靱帯損傷の検査である。背臥位で膝関節を20~30度屈曲させて、下腿部近位端を斜め前方へ引き出す。陽性の場合、脛骨は止まることなく前方に出てくる。
3.〇 正しい。トンプソン徴候は、アキレス腱断裂の診察法である。患者さんに立て膝をついてもらい、膝を90度曲げ、ふくらはぎを握る。足首より下の部分が動かなければ、陽性となる。
4.× ドレーマン徴候とは、大腿骨頭すべり症でみられ、股関節を他動的に屈曲すると外転・外旋がみられる徴候である。