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問題111 正常吸気に関与するのはどれか。
1.肋骨挙筋
2.胸横筋
3.横隔膜
4.腹横筋
解答3
解説
①安静吸気:横隔膜・外肋間筋。
②安静呼気:呼気筋は関与しない。
③努力吸気:呼吸補助筋(僧帽筋、胸鎖乳突筋・斜角筋・大胸筋・小胸筋・肋骨挙筋など)が関与。
④努力呼気:内肋間筋・腹横筋・腹直筋が関与。
1.× 肋骨挙筋は、努力吸気に関与する。
2.4.× 胸横筋/腹横筋は、努力呼気に関与する。
3.〇 正しい。横隔膜は、正常吸気に関与する。
問題112 機能肢位で正しいのはどれか。
1.肘関節屈曲10度
2.手関節掌屈10度
3.股関節伸展10度
4.膝関節屈曲10度
解答4
解説
良肢位とは、機能肢位ともいい、身体が何らかの理由で麻痺しているなど、関節が上手く動かせない状態にある患者を、日常生活を送る上でより過ごしやすい・動きやすい状態に保たせておくことができる肢位のことをさす。関節の拘縮や変形が起こる可能性や麻痺がある場合に、その位置に固定することで、日常生活への支障を最小限にとどめられる体位である。
・肩関節:外転10~30度
・肘関節:屈曲90度
・前腕 : 回内・回外中間位
・手関節:背屈10~20度
・股関節:屈曲10度、内旋・外旋中間位、外転0~10度
・膝関節:屈曲10度
・足関節:底屈0~10度
1.× 肘関節は、「屈曲10度」ではなく屈曲90度である。
2.× 手関節は、「掌屈10度」ではなく背屈10~20度である。
3.× 股関節は、「伸展10度」ではなく屈曲10度である。
4.〇 正しい。膝関節屈曲10度は、機能肢位である。
問題113 歩行周期の中で歩行が速くなると増加するのはどれ。
1.1歩行周期の時間
2.両脚支持期/1歩行周期
3.遊脚期/1歩行周期
4.立脚期/1歩行周期
解答3
解説
【立脚期】
1. 初期接地(Initial Contact;以下,IC):観測肢の接地の瞬間
2. 荷重応答期(Lording Response;以下,LR):IC から対側爪先離地まで
3. 立脚中期(Mid Stance;以下,MSt):対側爪先離地から対側下腿下垂位まで
立脚中期前半:対側爪先離地から両下腿の交差まで
立脚中期後半:両下腿交差から対側下腿下垂位まで
4. 立脚終期(Terminal Stance;以下,TSt):対側下腿下垂位から対側 IC まで
5. 前遊脚期(Pre Swing;以下,PSw):対側 IC から観測肢爪先離地まで
【遊脚期】
6. 遊脚初期(Initial Swing;以下,ISw):観測肢爪先離地から両下腿の交差まで
7. 遊脚中期(Mid Swing;以下,MSw):両下腿交差から下腿下垂位まで
8. 遊脚終期(Terminal Swing;以下,TSw):下腿下垂位から IC まで
1.4.× 1歩行周期の時間/立脚期は、短くなる。なぜなら、歩行速度が速くなると、単純に足の回転が速くなるため。
2.× 1歩行周期あたりの両脚支持期は、短くなる。なぜなら、走行の場合、両脚支持期は無くなるのが特徴であるため。ちなみに、両脚支持期とは、両脚での支持期間のことである。歩行の場合、1歩行周期に2回あり、20~25%(70歩/分)を占めている。
3.〇 正しい。1歩行周期あたりの遊脚期は、歩行周期の中で歩行が速くなると増加する。なぜなら、走行の場合、立脚期は短く、両脚支持期は無くなり、その分が遊脚期の延長に寄与するため。
問題114 異常歩行と原因疾患の組み合わせで正しいのはどれか。
1.酩酊歩行-腰部脊柱管狭窄症
2.尖足歩行-パーキンソン(Parikinson)病
3.間欠性跛行-脳性麻痺
4.小刻み歩行-多発性ラクナ型脳梗塞
解答4
解説
1.× 酩酊歩行は、「腰部脊柱管狭窄症」ではなく小脳障害で起こりやすい。酩酊歩行(失調性歩行、ワイドベース、よろめき歩行)は、歩くときに両足を開き、 酔ったように体幹を揺らしながら不安定に歩く様子が観察できる。運動失調(小脳障害・前庭障害)によりみられる。
2.× 尖足歩行は、「パーキンソン病」ではなく脳卒中片麻痺(痙性麻痺)で起こりやすい。尖足とは、つま先立ちの状態の足で、踵を地面に着けようとしても可動域がなく、歩行時に踵が床に付かない状態である。つまり、足関節の背屈制限がある歩行状態である。具体的疾患は、脳卒中などからくる下腿後面の筋肉の痙縮、小児麻痺でみられる下腿前面の筋肉の麻痺などが原因で起こる。
3.× 間欠性跛行は、「脳性麻痺」ではなく腰部脊柱管狭窄症で起こりやすい。間欠性跛行とは、歩行を続けると下肢の痛みと疲労感が強くなり、足を引きずるようになるが、休むと再び歩けるというものである。休むと改善する。一方、脳性麻痺とは、お腹の中にいる間から、生後4週間までの間に発生した脳への損傷によって引き起こされる運動機能の障害を指す。痙直型のほか、失調型やアテトーゼ型などのタイプがある。
4.〇 正しい。小刻み歩行は、「多発性ラクナ型脳梗塞」で起こりやすい。小刻み歩行とは、その名の通り、小刻みかつ足を引きずるような歩行である。Parkinson病でもみられる。
パーキンソン病とは、黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患である。4大症状として①安静時振戦、②筋強剛(筋固縮)、③無動・寡動、④姿勢反射障害を特徴とする。また、自律神経障害による便秘や起立性低血圧、排尿障害、レム睡眠行動障害などが起こる。レム睡眠行動障害とは、レム睡眠の時期に体が動き出してしまう睡眠障害の1つである。 睡眠時随伴症に分類される。
矛盾性運動(逆説的運動)とは、本来難易度が高いはずであるが、スムーズに足が出るといった現象である。すくみ足の症状があっても、床の上の横棒をまたぐことができること、リズムをとったり、視覚的な目標物を踏み越えさせたりすると、本来難易度が高いはずであるが、スムーズに足が出るといった現象である。ちなみに、階段昇降もこれに含まれ、平地歩行に比べて障害されにくい。階段昇降は、歩行の改善、下肢筋力強化の効果も期待される。
問題115 健常成人でみられるのはどれか。2つ選べ。
1.バランス反応
2.ガラント反射
3.パラシュート反応
4.非対称性緊張性頸反射
解答1,3
解説
立ち直り反射とは、姿勢反射の一つで、姿勢を保持するときに働く機能系である。例えば、①頸の立ち直り反射や②視性立ち直り反射などがあげられる。頸筋性や視覚性のほかにも、迷路性、体性があげられる。
①頸の立ち直り反応とは、背臥位の子どもの頭を一方に向けると、頸筋群の固有感覚受容器が刺激されて、肩・体幹・腰部がその方向に丸太様に全体的に回転する。4~6 ヵ月に出現し、5歳までに消失する。
②視性立ち直り反射とは、視覚刺激の誘発により、頭部の位置を正常に保持する反射のことで、例えば座位の場合、を座らせて左右に傾けると頭を垂直にしようとする。視性の刺激が立ち直りに関与する。腹臥位:3ヵ月、座位・立位:5~6ヵ月に出現し生涯継続する。
1.〇 正しい。バランス反応は、健常成人でみられる。バランス反応とは、姿勢の変化や外乱に対する立ち直り反応や平衡反応といった姿勢反応などである。
2.× ガラント反射とは、児を腹臥位に抱いた状態で、下部胸椎レベルで脊柱の脇を沿うようにこすり下ろすと体幹を同側に傾ける反射をいう。1~2か月頃に消失する。
3.〇 正しい。パラシュート反応は、健常成人でみられる。パラシュート反応とは、防御的に四肢を伸展して頭部を保護したり、支持して姿勢を安定させようと働く反応である。抱き上げた子どもの体を支えて下方に落下させる、もしくは座位で前方・側方・後方に倒すと、両手を伸ばし、手を開いて体を支える。下方:6ヵ月、前方:6~7ヵ月、側方:7~8ヵ月、後方:9~10ヵ月で発現し、生涯継続する。
4.× 非対称性緊張性頸反射とは、背臥位にした子どもの顔を他動的に一方に回すと、頸部筋の固有感覚受容器の反応により、顔面側の上下肢が伸展し、後頭側の上下肢が屈曲する。生後4~6か月には消失する。