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21.筋と付着部位について正しい組合せはどれか。
1.広背筋:上腕骨大結節
2.大胸筋:上腕骨小結節
3.大殿筋:大腿骨大転子
4.大腰筋:大腿骨小転子
解答4
解説
1.× 広背筋:上腕骨大結節
・広背筋の【起始】第6~8胸椎以下の棘突起、腰背腱膜、腸骨稜、第(9)10~12肋骨および肩甲骨下角、【停止】上腕骨の小結節稜、【作用】肩関節内転、伸展、多少内旋である。
2.× 大胸筋:上腕骨小結節
・大胸筋の【起始】鎖骨部:鎖骨内側1/2~2/3、胸肋部:胸骨前面と上5~7個の肋軟骨、腹部:腹直筋鞘前葉の表面、【停止】上腕骨の大結節稜、【作用】肩関節内転・内旋、鎖骨部:肩甲骨屈曲、腹部:肩関節下制である。
3.× 大殿筋:大腿骨大転子
・大殿筋の【起始】腸骨翼の外面で後殿筋線の後方、仙骨・尾骨の外側縁、仙結節靭帯、腰背筋膜、【停止】腸脛靭帯、大腿骨の殿筋粗面、【作用】股関節伸展、外旋、外転、上部:内転、下部:骨盤の下制である。
4.〇 正しい。大腰筋:大腿骨小転子
・大腰筋の【起始】第12腰椎~第4腰椎の椎体と椎間円板、すべての腰椎の肋骨突起、第12肋骨、【停止】大腿骨の小転子、【作用】股関節屈曲である。
22.気管支について正しい記述はどれか。
1.気管分岐部は第1胸椎の高さである。
2.気管支壁は肺動脈によって栄養される。
3.左気管支は3本の葉気管支に分かれる。
4.右気管支は左よりも垂直に近く傾斜する。
解答4
解説
(※図引用:「肺の解剖と機能について」信州大学様HPより)
1.× 気管分岐部は、「第1胸椎」ではなく第4~5胸椎の高さである。
2.× 気管支壁は、「肺動脈」ではなく気管支動脈によって栄養される。気管支壁とは、気管支を構成する軟骨や平滑筋、膜性壁などの組織である。ちなみに、肺動脈とは、 心臓から肺に血液を送るための血管である。肺動脈は、脱酸素化された血液を運ぶ唯一の動脈である。一方、肺静脈は、酸素化された血液を運ぶ唯一の静脈である。
3.× 「左」ではなく右気管支は、3本の葉気管支に分かれる。ちなみに、左気管支は、2本の葉気管支に分かれている。
4.〇 正しい。右気管支は左よりも垂直に近く傾斜する。つまり、気管支の分岐角は、右(25°)よりも左(45°)が大きい。そのため吸い込まれた異物は、右気管支に入りやすい。その結果として、誤嚥性肺炎は右側に多い。
23.膵臓について正しい記述はどれか。
1.第4・第5腰椎の高さにある。
2.後腹壁に付着している。
3.左端は十二指腸に接している。
4.膵液はランゲルハンス島から分泌される。
解答2
解説
(図引用:「肝臓周辺臓器 名称」illustAC様HPより)
1.× 「第4・第5腰椎」ではなく第1~2腰椎の高さにある。
2.〇 正しい。後腹壁に付着している。膵臓は後腹膜器官であり、後腹壁に接している。
後腹膜器官とは、後腹壁の壁側腹膜より後方に位置する臓器である。
・腹膜内臓器:胃、空腸、回腸、横行結腸、S状結腸、脾臓、卵巣、卵管、虫垂
・半腹膜内臓器:肝臓、膀胱、子宮、直腸、盲腸、上行結腸、下行結腸
・後腹膜器官:十二指腸、腎臓、副腎、尿管、腹部大動脈、下大静脈、交感神経幹。
3.× 左端は、「十二指腸」ではなく脾臓に接している。ちなみに、十二指腸に接しているのは膵臓の右側(頭部)である。
4.× 膵液は、「ランゲルハンス島」ではなく外分泌部(腺房細胞)から分泌される。
・ランゲルハンス島は、内分泌機能を持ち、インスリンやグルカゴンなどのホルモンを分泌する。
膵臓は、消化酵素を含む体液(膵液)を膵管から十二指腸に出す外分泌と、血糖などをコントロールするホルモンを血中に出す内分泌の両方の働きをもつ。
膵液とは、膵臓から十二指腸に分泌される消化液である。糖質を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなどの消化酵素、核酸の分解酵素を含んでいる。
膵臓のランゲルハンス島からは、①インスリン、②グルカゴン、③ソマトスタチンが分泌される。
①インスリンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖低下、②脂肪合成の作用がある。
②グルカゴンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるα細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖上昇、②脂肪分解の作用がある。
③ソマトスタチンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるδ細胞から分泌されるホルモンの一種で、成長ホルモン、インスリン、グルカゴン、ガストリン、セクレチンの分泌抑制の作用がある。
24.副腎について正しい記述はどれか。
1.髄質からアルドステロンが分泌される。
2.皮質は腹膜上皮に由来する。
3.副腎には間膜がある。
4.副腎からのホルモンは門脈に分泌される。
解答2
解説
副腎皮質から、コルチゾール・アルドステロン・アンドロゲン(男性ホルモン)などが分泌される。コルチゾールは、血糖値の上昇や脂質・蛋白質代謝の亢進、免疫抑制・抗炎症作用、血圧の調節など、さまざまな働きがあるが、過剰になるとクッシング症候群、不足するとアジソン病を引き起こす。
①球状帯:電解質コルチコイド(アルドステロン)を産生する。皮膜直下の薄い層で、皮質細胞が球状の塊を形成する。
②束状帯:糖質コルチコイド(コルチゾール)を産生する。最も厚い層で、細胞は縦に並び、細胞索を形成する。その間を洞様毛細血管が髄質に向かって走行する。
③網状帯:アンドロゲンを産生する。皮質の最深部で、網状をなす細胞索からなる。
1.× 「髄質」ではなく皮質からアルドステロンが分泌される。アンドロゲンとは、ステロイドの一種で、生体内で働いているステロイドホルモンのひとつである。アンドロゲンにはテストステロンとジヒドロテストステロン (dihydrotestosterone;DHT)があり、精巣の分化、機能、組織形成、さらに内性器・外性器の形成に重要な役割を果たす。
2.〇 正しい。皮質は、腹膜上皮に由来する。副腎皮質は、胚発生の際に中胚葉の腹膜上皮から分化して形成される。一方、副腎髄質は神経堤由来であり、交感神経節細胞に由来する。
3.× 副腎には間膜が「ない」。なぜなら、副腎は後腹膜器官であるため。ちなみに、後腹膜器官とは、後腹壁の壁側腹膜より後方に位置する臓器である。後腹膜器官は、十二指腸、腎臓、副腎、尿管、腹部大動脈、下大静脈、交感神経幹である。
4.× 副腎からのホルモンは、「門脈」ではなく全身の血流に直接に分泌される。門脈とは、だいたいの消化管から得られた栄養を肝臓へと運ぶ働きを持つ機能血管である。胃、腸、膵臓、脾臓、胆嚢の毛細管から静脈血を集める。
・単層扁平上皮:薄いので物質の交換などに向く。
(胸膜、腹膜、血管内皮、肺胞など)
・単層立方上皮:甲状腺の濾胞細胞など。
(甲状腺の濾胞上皮、尿細管など)
・単層円柱上皮:吸収と分泌を行う場所に向く。
消化器系(胃、小腸、大腸)、卵管・子宮など
・重層扁平上皮:摩擦など機械的刺激に強い。
皮膚、口腔~食道、肛門、膣など。
・多列線毛上皮:表面に線毛があり、杯細胞が豊富。線毛と粘液で塵や異物をからめとる。
鼻腔~気管・気管支(気道)
・移行上皮:伸び縮みすることができる。
腎杯腎~尿管~膀胱(尿路)
25.腹大動脈から起こる枝について正しい記述はどれか。
1.腹腔動脈は脾臓を養う。
2.腎動脈は第4腰椎の高さで起こる。
3.下腸間膜動脈は回腸を養う。
4.精巣動脈は鼡径靱帯の深層を通る。
解答1
解説
1.〇 正しい。腹腔動脈は、脾臓を養う。
腹腔動脈とは、腹部消化器系に分布する動脈である。左胃動脈、脾動脈、総肝動脈に分岐する。
・腹腔動脈:胃、十二指腸、脾臓、肝臓、胆嚢、膵臓に供給する。
・上腸間膜動脈:小腸(大部分)、大腸(前半部)に供給する。
・下腸間膜動脈:大腸(後半部~直腸)に供給する。
2.× 腎動脈は、「第4腰椎」ではなく第1~2腰椎の高さで起こる。
3.× 下腸間膜動脈は、「回腸」ではなく大腸の左側(下行結腸、S状結腸、直腸上部)を養う。ちなみに、回腸は、上腸間膜動脈の枝である腸動脈によって血液供給を受ける。
4.× 精巣動脈は、「鼡径靱帯の深層」ではなく鼠径管を通る。鼠径管とは、鼠径靭帯を底面として外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋でつくられたトンネルである。
鼠径管の中は、
・男性:精管・精巣動脈・精巣静脈を含む精索と精巣挙筋が通る。
・女性:子宮円索が通る。