第34回(R8年)柔道整復師国家試験 解説【午前81~85】

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問題81 ゴルジ装置の機能はどれか。

1.ATPの産生
2.老廃物の分解
3.分泌顆粒の生成
4.ステロイドホルモンの合成

解答

解説

ゴルジ装置とは?

ゴルジ装置とは、リボソームで合成され、小胞体を経由して送り込まれたタンパク質に対して、糖鎖修飾、リン酸化、硫酸化などの修飾を施し、濃縮・選別を行うことで、適切な場所へ輸送する機能を持つ細胞小器官である。

1.× ATPの産生を主に担うのはミトコンドリアである。
・ミトコンドリアとは、細胞内に存在する細胞内小器官で、 ATPの生成やアポトーシス(細胞死)において重要な働きを担っている。

2.× 老廃物の分解を主に担うのはリソソームである。
・リソソームとは、細胞質内代謝物の消化と貯蔵に関与する細胞小器官である。

3.〇 正しい。分泌顆粒の生成は、ゴルジ装置の機能である。
・分泌顆粒とは、細胞が作ったホルモンや酵素などの分泌物を膜で包み、細胞内に蓄えて必要時に細胞外へ放出するための小さな粒である。主にゴルジ装置で形成される。

4.× ステロイドホルモンの合成を主に担うのは滑面小胞体とミトコンドリアである。
・滑面小胞体とは、リボソームが付着していない小胞体の総称。コレステロールの合成や分解、脂質代謝、薬物の解毒、カルシウムの貯蔵などの機能を担っている。

 

 

 

 

 

問題82 筋原線維でミオシンフィラメントのみで構成されるのはどれか。

1.A帯
2.H帯
3.I帯
4.Z膜

解答

解説
1.× A帯は、太いフィラメントであるミオシンフィラメントの全長を含む帯であり、その両端ではアクチンフィラメントと重なっている。
・A帯とは、暗帯ともい、ミオシンフィラメントがある部分で、アクチンフィラメントと重なり合っている。ミオシンフィラメントとは、太さ百万分の12ミリというアクチンフィラメントよりやや太い糸で、ミオシンという「頭が2つになったマッチ棒」のような形のタンパク質が200本ほど束になったものである。

2.〇 正しい。H帯は、筋原線維でミオシンフィラメントのみで構成される。
・H帯とは、A帯中央の明るい部分(ミオシンのみからなる部分)である。

3.× I帯は、アクチンフィラメントのみで構成されている。
・I帯とは、明帯ともいい、筋収縮のメカニズム(滑り説)では、アクチンフィラメントがミオシンフィラメント側に滑り込むことで収縮が生じると説明しており、この際に短縮するのはアクチンフィラメントのみの部分であるI帯(明帯)である。

4.× Z膜は、サルコメアの境界をなす構造であり、アクチンフィラメントが付着する部位である。
・Z膜(Z線)は、隣り合うサルコメアの境目にあり、細いフィラメントであるアクチンを固定する役割を持つ。

 

 

 

 

 

問題83 神経伝導速度が最も遅いのはどれか。

1.侵害受容器からの求心性線維
2.温受容器からの求心性線維
3.筋紡錘からの求心性線維
4.骨格筋への遠心性線維

解答

解説


1.× 侵害受容器からの求心性線維(Aδ線維とC線維の両方)より遅いものが他にある。なぜなら、侵害受容器からの求心性線維には、Aδ線維とC線維の両方が含まれるため。侵害受容器は、組織損傷やその危険を感知する受容器である。いわゆる「痛み」の情報を中枢へ伝える。このうち、Aδ線維は、細いながらも有髄で、比較的速く伝導する。これは「鋭く、局在のはっきりした痛み(一次痛)」を伝える。一方、C線維は無髄で伝導が遅く、「鈍く、持続する痛み(二次痛)」を伝える。
・侵害受容器とは、痛みを起こす刺激(侵害刺激)の受容器で、熱刺激・機械刺激・化学刺激の受容器がこれにあたる。

2.〇 正しい。温受容器からの求心性線維(主にC線維)は、神経伝導速度が最も遅い。なぜなら、温覚を伝える線維は、主に無髄のC線維であるため。

3.× 筋紡錘からの求心性線維(Ia線維)より遅いものが他にある。なぜなら、筋紡錘からの求心性線維(Ia線維)は、太く有髄で伝導速度が非常に速いため。

4.× 骨格筋への遠心性線維(Aα線維)より遅いものが他にある。なぜなら、骨格筋を支配するα運動ニューロンの線維は太い有髄線維であるため。

 

 

 

 

 

問題84 ノルアドレナリンを分泌するのはどれか。

1.交感神経の節前線維
2.交感神経の節後線維
3.副交感神経の節前線維
4.副交感神経の節後線維

解答

解説
1.3.× 交感神経の節前線維/副交感神経の節前線維/副交感神経の節後線維が分泌するのはアセチルコリンである。
・アセチルコリンとは、代表的な神経伝達物質であり、①運動神経の神経筋接合部、②交感神経および副交感神経の節前線維の終末、副交感神経の節後線維の終末などのシナプスで放出される。アセチルコリンは、中枢神経で働く場合と末梢神経で働く場合で作用が異なる。①運動神経の神経筋接合部では、筋収縮に作用する。

2.〇 正しい。交感神経の節後線維は、ノルアドレナリンを分泌する。
・ノルアドレナリンとは、激しい感情や強い肉体作業などで人体がストレスを感じたときに、交感神経の情報伝達物質として放出されたり、副腎髄質からホルモンとして放出される物質である。ノルアドレナリンが交感神経の情報伝達物質として放出されると、交感神経の活動が高まり、その結果、血圧が上昇したり心拍数が上がったりして、体を活動に適した状態となる。副腎髄質ホルモンとして放出されると、主に血圧上昇と基礎代謝率の増加をもたらす。

 

 

 

 

 

問題85 知覚を統合し空間認知に関与するのはどれか。

1.前頭連合野
2.頭頂連合野
3.側頭連合野
4.後頭連合野

解答

解説

MEMO

「知覚を統合し空間認知に関与する」とは、視覚・触覚・体の位置感覚などの情報をまとめ、自分や物がどこにあり、どの向きで、どれくらい離れているかを理解する働きである。これを担うのが頭頂連合野である。

1.× 前頭連合野は、主に思考・判断・計画・人格・行動の制御に関与する。したがって、前頭連合野が障害されると、主に遂行機能障害、易疲労性、意欲・発動性の低下などがみられる。

2.〇 正しい。頭頂連合野は、知覚(体性感覚・視覚・前庭感覚など)を統合し空間認知に関与する。
・頭頂連合野とは、体性感覚・視覚・前庭感覚などを統合し、身体や周囲の空間的位置関係を把握する。ちなみに、優位半球の頭頂連合野(角回)が障害されると、Gerstmann症候群(ゲルストマン症候群)が起こる。症状として、①手指失認、②左右失認、③失算、④失書などである。

3.× 側頭連合野は、主に聴覚情報の高次処理、記憶、物体や言語の認知に関与する。したがって、側頭連合野の障害により、ウェルニッケ失語や記憶障害などをきたす。

4.× 後頭連合野は、主に視覚情報(視覚刺激の形・色・動きなど)の高次処理に関与する。したがって、後頭葉障害では、視野障害や視覚失認などをきたす。

 

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