第34回(R8年)柔道整復師国家試験 解説【午前91~95】

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問題91 胎盤から分泌されないのはどれか。

1.エストロゲン
2.プロゲステロン
3.卵胞刺激ホルモン
4.ヒト絨毛性ゴナドトロピン

解答

解説

胎盤から産生されるホルモン

【蛋白ホルモン】
①ヒト胎盤ラクトゲン(hPL):妊娠16週頃から妊娠末期に向けて急激に増加する。胎児への栄養供給を調整し、胎児の発育を促進される。
②ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG):妊娠初期の妊娠維持に寄与する。胎児精巣に作用男児の性分化を促進する。

【ステロイドホルモン】
③エストロゲン:妊娠の維持と分娩を準備する。
④プロゲステロン:子宮環境を維持し受精卵の着床を促す。

1.〇 エストロゲンは、胎盤から分泌される
・エストロゲンとは、女性らしさをつくるホルモンで、成長とともに分泌量が増え、生殖器官を発育・維持させる働きをもっている。女性らしい丸みのある体形をつくったり、肌を美しくしたりする作用もあるホルモンである。分泌量は、毎月の変動を繰り返しながら20代でピークを迎え、45~55歳の更年期になると急激に減る。

2.〇 プロゲステロンは、胎盤から分泌される
・プロゲステロン(黄体ホルモン)は、基礎体温を上げ、受精卵が着床しやすい状態にする作用を持つ。プロゲステロン(黄体ホルモン)は、性周期が規則的で健常な成人女性において、着床が起こる時期に血中濃度が最も高くなるホルモンである。

3.× 卵胞刺激ホルモンは、胎盤から分泌されない。なぜなら、卵胞刺激ホルモンは、下垂体前葉から分泌されるゴナドトロピンであり、胎盤ホルモンではないため。

4.〇 ヒト絨毛性ゴナドトロピンは、胎盤から分泌される
・ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG:human chorionic gonadotropin)とは、妊娠中にのみ測定可能量が著しく産生されるホルモンであり、妊娠の早期発見や自然流産や子宮外妊娠といった妊娠初期によくみられる異常妊娠の診断と管理のために使用される。主に絨毛組織において産生され、妊娠初期の卵巣黄体を刺激してプロゲステロン産生を高め、妊娠の維持に重要な働きをしている。また、胎児精巣に対する性分化作用や母体甲状腺刺激作用がある。絨毛性腫瘍の他に、子宮、卵巣、肺、消化管、膀胱の悪性腫瘍においても異所性発現している例もある。

 

 

 

 

 

問題92 血漿タンパク質と機能の組合せで正しいのはどれか。

1.アルブミン:膠質浸透圧の維持
2.βグロブリン:血液の凝固
3.yグロブリン:物質の運搬
4.フィブリノゲン:免疫の制御

解答

解説
1.〇 正しい。アルブミン:膠質浸透圧の維持
なぜなら、アルブミンは、血漿タンパク質の中で最も多く、血管内に水分を引きとどめる膠質浸透圧を保つ中心的役割をもつため。
・膠質浸透圧とは、血漿中のタンパク質が水を血管内に保とうとする力のことである。特に、アルブミンは量が多いため、この働きに最も強く関与する。ちなみに、アルブミンが低下すると、血管内に水分を保てなくなり、水分が組織へ漏れやすくなるため浮腫が起こる。

2.× βグロブリンは、「血液の凝固」ではなく物質の運搬である。
・βグロブリンとは、主に鉄や脂質などの物質運搬に関与する。

3.× yグロブリンは、「物質の運搬」ではなく免疫の制御である。
・γグロブリンとは、主として免疫グロブリン(抗体)からなり、生体防御(免疫の制御)を担う。

4.× フィブリノゲンは、「免疫の制御」ではなく血液の凝固である。
・フィブリノゲンとは、血漿タンパクの一つであり、凝固因子の活性化によってフィブリンとなり、血液を凝固させる働きを持つ。増加した場合、血漿の粘稠度が上昇し血栓形成傾向を示す。 一方、低値の場合、播種性血管内凝固症候群(DIC)と肝機能障害が疑われる。

 

 

 

 

 

問題93 血液凝固で外因系の起点となるのはどれか。

1.血小板
2.トロンビン
3.プラスミン
4.組織トロンボプラスチン

解答

解説

MEMO

血液凝固には①外因系と②内因系の2つの始まり方がある。
①外因系とは、傷ついた組織から出る組織因子(組織トロンボプラスチン)をきっかけに始まる経路である。
②内因系とは、血液が傷ついた血管壁や異物に触れることをきっかけに、血液中の凝固因子が順に活性化して始まる経路である。

1.× 血小板は、主に一次止血や、凝固因子が反応する足場の提供に関与する。

2.× トロンビンとは、血小板の凝集を増強するとともに、強固なフィブリン網を形成し、血栓を補強する(二次止血)。つまり、凝固因子の活性化の最後に活性化する因子である。血液凝固の最終過程では、トロンビンの作用でフィブリノーゲンがフィブリンに変化する。トロンビンの作用を阻害する抗凝固薬にヘパリンがある。

3.× プラスミンとは、線溶(線維素溶解系に働く物質)に重要な因子である。フィブリンを分解することで凝固した血液を溶かす。線維素溶解とは、血管から出血した際に一次止血→二次止血が終わり、血管の流れが元通りになると、血栓は血液が流れるのにジャマになるため、血栓を除去する作用が始まる。この現象を線維素溶解、略して「線溶」と呼ぶ。血栓ができると、血漿中に存在するプラスミノーゲンがプラスミノゲンアクチベーターにより活性化され、プラスミンという強力なたんぱく質分解酵素(線溶物質)になり、フィブリンを分解する。

4.〇 正しい。組織トロンボプラスチンは、血液凝固で外因系の起点となる。なぜなら、組織損傷により組織トロンボプラスチン(組織因子)が血液に触れ、第VII因子(プロコンバーチン)と結合して外因系が開始されるためである。

 

 

 

 

 

問題94 自然免疫はどれか。

1.貪食
2.免疫記憶
3.抗体産生
4.細胞性免疫

解答

解説

MEMO

自然免疫とは、生まれつき持っている防御機構である。病原体が体内に入ってきたときに、まず最初に働く免疫である。特定の病原体だけを狙うのではなく、共通した特徴を認識して反応する。

1.〇 正しい。貪食は、自然免疫である。なぜなら、貪食は、病原体を種類ごとに厳密に見分けるのではなく、異物を広く認識してすばやく取り込んで処理する、生まれつき備わった防御機構であるため。
・貪食とは、貪食作用、食作用、ファゴサイトーシスともいい、体内の細胞が不必要なものを取り込み、消化し、分解する作用である。 貪食する対象は、アポトーシス(プログラムされた細胞死)によって死滅した細胞、体内に侵入した異物や病原体、がん化した自己の細胞等である。

2.× 免疫記憶は、「自然免疫」ではなく獲得免疫である。なぜなら、免疫記憶とは、一度遭遇した抗原を記憶して、再び同じ抗原が入ったときにより速く強く反応する仕組みであり、特異性をもつ獲得免疫の性質であるため。

3.× 抗体産生は、「自然免疫」ではなく獲得免疫である。なぜなら、抗体とは、B細胞が抗原刺激を受けて形質細胞へ分化した後に産生するもので、特定の抗原に対して特異的に働く獲得免疫の仕組みであるため。

4.× 細胞性免疫は、「自然免疫」ではなく獲得免疫である。なぜなら、細胞性免疫とは、主にT細胞が中心となって働く、抗原特異的な免疫反応であるため。

細胞性免疫とは?

アレルギー反応の分類法としては、免疫反応による組織傷害の機序から分類したGellとCoombsの分類が使われることが多い。本分類はその反応に関与する抗体や細胞の違いにより分類されるが、現象的には皮膚反応出現にかかる時間と反応の性状により分けられる。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型は血清抗体が関与する体液性免疫(humoral immunity)、Ⅳ型は感作リンバ球による細胞性免疫(cellularimmunity)と大別される。

(※引用:「アレルギー総論」厚生労働省HPより)

 

 

 

 

 

問題95 骨端線で正しいのはどれか。

1.骨吸収に関与する。
2.一次骨化中心となる。
3.成人になると閉鎖する。
4.緻密骨の厚さに関与する。

解答

解説
1.× 「骨吸収」ではなく骨形成に関与する。なぜなら、骨端線は、骨の長軸方向の成長を担う成長軟骨であるため。

2.× 「一次」ではなく二次骨化中心となる。
・一次骨化中心とは、胎児期に軟骨の中で最初に骨へ変わり始める場所である。主に骨の中央部である骨幹にでき、長い骨の土台を作る出発点となる部分である。
・二次骨化中心とは、出生前後から骨の両端に近い骨端に現れる骨化の場所である。骨の端の形を作る役割を持ち、一次骨化中心との間には成長期に骨端線が残るのである。

3.〇 正しい。成人になると閉鎖する。成長期に骨の長軸方向の成長を担っていた骨端線は、成熟に伴って軟骨が骨へ置き換わり、最終的に消失する。

4.× 「皮質骨(緻密骨)」ではなく皮質骨の厚さに関与する。緻密骨の厚さの増加は、主に骨膜側の付加成長に関係する。
・骨には、①外側(皮質骨)と②内側(海綿骨)がある。海綿骨の表面は、皮質骨(緻密骨)で覆われ、その外層に骨膜が存在する。ちなみに、骨膜は、短軸方向の成長に関わり、骨端成長板は長軸方向の成長に関わる。また、骨膜の役割として、骨を保護し治癒する。

 

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