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問題31 糖尿病性ケトアシドーシスによる昏睡でみられるのはどれか。
1.チェーン・ストークス呼吸
2.クスマウル呼吸
3.ビオー呼吸
4.奇異呼吸
解答2
解説
糖尿病性ケトアシドーシスは、糖尿病患者において起こる代謝異常の症状の総称である。これは、インスリンの欠乏や抵抗により、身体は脂質を燃焼してエネルギーを生み出す代わりに、脂肪酸を代謝産物のケトン体に変えるようになる。これによって、血中に過剰なケトン体が溜まり、酸性バランスが崩れる。症状には、嘔吐、下痢、渇き、呼吸困難、疲労、(特に小児で)腹痛がみられる。意識障害を起こす可能性が高い。
1.× チェーン・ストークス呼吸とは、数十秒間程度の無呼吸が続いた後、外呼吸を再開すると1回換気量が次第に増加し、極大に達すると今度は1回換気量が減少して、再び数十秒間の無呼吸に至るというサイクルが続く、異常な外呼吸の仕方である。呼吸中枢の低酸素症(脳出血、脳梗塞)、動脈血循環の不良、低酸素血症のいずれかが原因となる。
2.〇 正しい。クスマウル呼吸は、糖尿病性ケトアシドーシスによる昏睡でみられる。
・クスマウル呼吸とは、異常呼吸のひとつで、異常に深大な呼吸が連続し、規則正しく続く状態で深い呼吸が規則正しく続く。運動時にも同様の呼吸がみられることがある。 糖尿病性ケトアシドーシス、腎不全に伴う尿毒症、昏睡時などに認められる。
3.× ビオー呼吸とは、不規則に早く深い呼吸が突然中断され、無呼吸となり、また早く深い呼吸に戻る呼吸である。原因疾患は、①呼吸中枢の障害、②髄膜炎の末期に起こる。
4.× 奇異呼吸とは、胸郭運動が一部において連動していない状態である。一側性の気道閉塞や気胸などが要因となる。

(※図引用:「異常呼吸」日本臨床検査医学会様HPより)
問題32 深部感覚はどれか。
1.触覚
2.温度覚
3.振動覚
4.2点識別覚
解答3
解説
感覚の分類は主に3つに分けられる。
①表在感覚とは、皮触覚・痛覚・温度覚である。
②深部感覚とは、関節覚(位置覚、運動覚)・振動覚・及び深部痛覚である。
③複合感覚とは、立体覚、皮膚書字感覚、二点識別覚、部位覚、重量覚などである。
1~2.× 触覚/温度覚は、表在感覚である。
3.〇 正しい。振動覚は、深部感覚である。
・深部感覚とは、身体内部の感覚を意味する。固有感覚または自己受容感覚とも呼ばれ、筋受容器からの伸縮の情報により、身体部位の位置の情報が得られる。
4.× 2点識別覚は、複合感覚である。
・2点識別覚とは、複合感覚のひとつで、複合感覚は、二点識別感覚、皮膚書字覚、立体認知、二点同時刺激識別感覚といった知覚を含む高度な感覚である。刺激の局在部位を識別する感覚である。
問題33 食道静脈瘤をきたすのはどれか。
1.肝硬変
2.食道炎
3.食道癌
4.胃・十二指腸潰瘍
解答1
解説
食道静脈瘤とは、食道粘膜下を通る静脈が太く曲がりくねって、でこぼこと瘤(こぶ)のようになった状態のことである。主な原因は肝硬変である。初期症状として、自覚されにくいが、静脈瘤が大きくなって破裂すると出血を起こす。鮮血を口から吐いたり便が黒くなったりすることで気づくケースが多く、出血多量の場合には死に至る可能性もある。
1.〇 正しい。肝硬変は、食道静脈瘤をきたす。なぜなら、肝臓が線維化し、正常な血流が阻害される(門脈圧亢進される)ため。したがって、食道の静脈が拡張し、食道静脈瘤が形成される。
・肝硬変とは、B型・C型肝炎ウイルス感染、多量・長期の飲酒、過栄養、自己免疫などにより起こる慢性肝炎や肝障害が徐々に進行して肝臓が硬くなった状態をいう。慢性肝炎が起こると肝細胞が壊れ、壊れた部分を補うように線維質が蓄積して肝臓のなかに壁ができる。肝機能の低下によりアンモニア代謝能力が低下し、血中のアンモニアが高値となる
2.× 食道炎とは、食道粘膜の炎症である。例えば、逆流性食道炎とは、胃の内容物(主に胃酸)が食道に逆流することにより、食道に炎症を起こす病気である。胃酸が食道に逆流することによって引き起こされ、胸骨の後ろに焼けるような痛みや不快感(胸やけ)を感じる。
3.× 食道癌とは、食道に発生した上皮性腫瘍のことである。組織学的に約90%が扁平上皮癌である。好発部位は、胸部中部食道、胸部下部食道の順で、胸部中部食道が約50%を占める。喫煙のほか、アルコール、喫煙、熱い食事、Barrett食道、アカラシアなどが誘因である。
4.× 胃・十二指腸潰瘍とは、胃液という強い酸の刺激によって、胃・十二指腸の組織が剥がれ落ち、内部からえぐられた状態をいう。仕事、家庭などでの人間関係、過労や睡眠不足など、精神的・肉体的ストレスが自律神経を乱し、胃酸の分泌が過剰になることで、十二指腸潰瘍を引き起こす。
問題34 急性膵炎の原因とならないのはどれか。
1.自己免疫
2.胆嚢ポリープ
3.アルコール多飲
4.胆石・総胆管結石
解答2
解説
急性膵炎のもっとも多い成因はアルコール(33.5%)で、胆石(26.9%)がそれに続く。ただし、成因には男女差がみられ、男性ではアルコールが最大の成因であるが、女性では胆石が最も多い。また、原因不明の特発性が16.7%を占めている。そのほかの成因として、術後(2.3%)、内視鏡的逆行性胆管膵管造影後(1.9%)、高脂血症(1.8%)、薬剤(0.8%や)膵胆管合流異常(0.5%)があげられる。急性膵炎の成因には年代別の特徴がみられる。つまり、アルコール摂取の少ない10歳代には特発性が多く、20~50歳代にはアルコール性の頻度が高くなる。胆石性の頻度は加齢に伴い増加する。
(※引用:「重症急性膵炎」難治性膵疾患に関する調査研究より)
1.〇 自己免疫は、急性膵炎の原因となる。なぜなら、免疫が自分の膵組織や膵管を異物とみなして炎症を起こし、膵管の狭窄・閉塞や腺房細胞障害を生じるため。膵酵素が膵内で早期に活性化し、自分の膵臓を自己消化して急性炎症を起こす。
2.× 胆嚢ポリープは、急性膵炎の原因とならない。なぜなら、胆嚢ポリープは通常、無症状の良性病変であるため。
・胆嚢ポリープとは、胆嚢の粘膜に発生した、突起物のことで、大きさはほとんどが10mm以下、良性のものが多い。胆嚢ポリープの原因は不明であることが多い。
3.〇 アルコール多飲は、急性膵炎の原因となる。なぜなら、アルコールは、膵液分泌や膵管内環境に異常を起こし、膵の自己消化を引き起こすため。
4.〇 胆石・総胆管結石は、急性膵炎の原因となる。なぜなら、胆石や総胆管結石が、胆管・膵管の出口付近に詰まると、膵液の流れが障害され、膵に炎症が起こるため。
急性膵炎とは、膵臓の突然の炎症で、軽度のものから生命を脅かすものまであるが、通常は治まる。主な原因は、胆石とアルコール乱用である。男性では50歳代に多く、女性では70歳代に多い。症状として、飲酒・過食後に左上腹部痛・心窩部痛が発症する。悪心・嘔吐、悪寒、発熱、背部への放散痛もみられ、腹痛はアルコールや脂質の摂取で増悪する。
検査:膵臓の炎症・壊死により膵臓由来の消化酵素(アミラーゼとリパーゼの血中濃度)が上昇する。
【治療】
軽症例:保存療法(禁食、呼吸・循環管理、除痛 等)
重症例:集中治療[臓器不全対策、輸液管理、栄養管理(早期経腸栄養)、感染予防、腹部コンパートメント症候群対策]
(※参考:「急性膵炎」MSDマニュアル家庭版より)
問題35 慢性閉塞性肺疾患(COPD)で正しいのはどれか。
1.喫煙が原因となる。
2.漏斗胸を呈する。
3.吸気が延長する。
4.聴診で呼吸音が増強する。
解答1
解説
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の原因は喫煙であり、喫煙者の約20%がCOPDを発症する。慢性閉塞性肺疾患とは、以前には慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称である。他の特徴として、肺の過膨張、両側肺野の透過性亢進、横隔膜低位、横隔膜の平低化、滴状心などの特徴が認められる。進行性・不可逆性の閉塞性換気障害による症状が現れる。
増加:残気量・残気率・肺コンプライアンス・全肺気量・PaCO2
減少:一秒率・一秒量・肺活量・肺拡散能・PaO2
1.〇 正しい。喫煙が原因となる。なぜなら、有害物質(たばこの煙など)を長期間吸入することで、気道の慢性炎症と肺胞破壊が起こり、持続的な気流制限を生じる病気であるため。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の原因は喫煙であり、喫煙者の約20%がCOPDを発症する。
2.× 「漏斗胸」ではなく樽状胸を呈する。なぜなら、慢性閉塞性肺疾患は、肺の過膨張(空気が肺にたまりやすい状態)により胸郭の前後径が増大するため。
・漏斗胸とは、前胸壁が陥没し、あたかも漏斗のような外観を示す変形である。骨強度の減弱により生じる(例えば、マルファン症候群)。
3.× 「吸気」ではなく呼気が延長する。なぜなら、慢性閉塞性肺疾患は、気道が狭くなって空気を外へ出しにくくなる閉塞性換気障害であるため。
4.× 聴診で呼吸音が「増強」ではなく減弱する。なぜなら、慢性閉塞性肺疾患では、気流制限や肺の過膨張により空気の出入りが悪くなるため。

(※図引用:yakugaku lab様HP)
国試オタク 