第22回(H26年)柔道整復師国家試験 解説【午前41~45】

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問題41.オッディの括約筋が存在する部位はどれか。

1.幽門部
2.十二指腸下行部
3.回腸末端部
4.肛門管

解答

解説
1.× 幽門部とは、十二指腸へつながる胃の出口である。

2.〇 正しい。十二指腸下行部は、オッディの括約筋が存在する部位である。
・オッディ括約筋とは、十二指腸下行部に開口する総胆管及び膵管の出口に当たる、大十二指腸乳頭周囲に存在する括約筋である。この筋肉は、胆汁や膵液の分泌量や流れをコントロールする役割がある。

3.× 回腸末端部(回腸と盲腸との移行部)には、回盲弁(バウヒン弁)がある。回盲弁は大腸内容物の小腸への逆流を防ぐ働きをする。

4.× 肛門管とは、肛門から直腸までの間である。肛門管には「内肛門括約筋・外肛門括約筋」がある。

 

 

 

 

 

問題42.胆道系で正しいのはどれか。

1.胆汁は肝臓でつくられる。
2.横隔膜下面には胆嚢窩がある。
3.総胆管にはラセンヒダがある。
4.総胆管は幽門括約筋部に開口する。

解答

解説

(図引用:「肝臓周辺臓器 名称」illustAC様HPより)

1.〇 正しい。胆汁は、肝臓でつくられる
・胆汁とは、肝臓で合成されるアルカリ性の物質で、胆嚢で濃縮されたうえ、貯蔵され、消化酵素の働きを助ける作用がある。胆汁酸の働きは、脂肪を乳化し、消化・吸収させやすい形に変化させ、脂肪を分解吸収しやすくする。 さらに水に溶けない脂溶性ビタミンの吸収を助ける。排出された胆汁の大部分は小腸から吸収されて、他の吸収された栄養分と一緒に血管を通って肝臓に戻り、再利用される。 これを腸肝循環という。

2.× 「横隔膜」ではなく肝臓の下面には、胆嚢窩がある。横隔膜下面には、肝臓が位置する。
・胆嚢窩とは、肝右葉前部のくぼみのことで、胆嚢がはまっている。

3.× 「総胆管」ではなく胆嚢管にはラセンヒダがある。
・総肝管と胆囊管が合流して、総胆管となる。 胆嚢管は、胆汁を流すことに支障を来たさないような螺旋弁を有している。
・ラセンヒダとは、胆嚢管の内壁にラセン状の粘膜ヒダが存在し、胆汁の流れを調節しているヒダである。

4.× 総胆管は、「幽門括約筋部」ではなく大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開口する。
・ファーター乳頭とは、十二指腸の中間あたりには、胆のうからつながる胆のう管と、すい臓からつながるすい管の開口部のことを指す。
・幽門括約筋は、胃内容物を十二指腸へ送り出す速度を調整する自律的(不随意)な括約機構をもつ。

 

 

 

 

 

問題43.最も大きい副鼻腔はどれか。

1.上顎洞
2.蝶形骨洞
3.前頭洞
4.篩骨洞

解答

解説

(※図引用:「illustAC様」)

1.〇 正しい。上顎洞は、最も大きい副鼻腔である。
・上顎洞とは、副鼻腔のなかで最大の空洞で鼻腔の外下方に位置する。

2.× 蝶形骨洞とは、蝶篩陥凹(鼻腔の後上方)に開口する副鼻腔である。

3.× 前頭洞とは、前頭骨内に存在する副鼻腔の一つである。

4.× 篩骨洞とは、篩骨内に存在する副鼻腔の一つである。多数の蜂巣状の小空洞が集まってできている。

 

 

 

 

 

問題44.喉頭で正しいのはどれか。

1.呼吸時は声門裂が閉じる。
2.甲状軟骨は1対ある。
3.嚥下時は喉頭口が開く。
4.声帯ヒダは反回神経に支配される。

解答

解説
1.× 呼吸時は、声門裂が「閉じる」のではなく開く。なぜなら、呼吸の際には空気の通り道を確保するため。声門裂が閉じるのは発声時や嚥下時であり、呼吸時では逆に開く。
・声門裂とは、呼吸の際のおいての空気の通り道である。

2.× 甲状軟骨は、「1対(2個)」ではなく単一(1個)である。甲状軟骨は、喉頭の最も大きな軟骨で、正中部では喉頭隆起を形成する。
・甲状軟骨とは、喉頭部の前面の軟骨で最大の部分を指す。

3.× 嚥下時は、喉頭口が「開く」のではなく閉じる。なぜなら、誤嚥を防ぐため。
・喉頭とは、発声や飲食物の飲み込むとき、気管や肺へ入らないように防止する役割をする。 喉頭蓋とは、飲食物を口にするとき、気管に入らないように蓋をする役目の突起物のことである。

4.〇 正しい。声帯ヒダは反回神経に支配される
・反回神経とは、胸腔内で迷走神経から分枝した神経で、右は鎖骨下動脈、左は大動脈弓(正確には動脈管索)を前方から後方へ回り、気管と食道の間の溝を通って喉頭へ行く。気管には気管枝、食道には食道枝を送る。
・声帯ヒダとは、喉頭内の発声に関わるひだである。声門に張り出した粘膜に包まれたひだで、口側から見て前庭ひだの奥に位置する。

 

 

 

 

 

問題45.泌尿器で正しいのはどれか。

1.腎門において腎動脈は腎静脈より前にある。
2.尿管は総腸骨動脈の後方を通る。
3.右腎は左腎に比べて低位にある。
4.女性の膀胱は子宮および膣の後方に位置する。

解答

解説

(※図引用:「イラストボックス様」より)

1.× 逆である。腎門において、「腎静脈」は、「腎動脈」より前にある。腎門部での並びは、前から順に「腎静脈 → 腎動脈 → 腎盂」である。
・腎門とは、腎臓の内側(くぼんだ中央部分)にある部位を指し、腎動脈、腎静脈、尿管、神経、リンパ管などが出入りする場所である。

2.× 尿管は、総腸骨動脈の「後方」ではなく前方を通る。
・尿管とは、腎臓(腎盂)から膀胱まで蠕動運動により尿を輸送する器官である。

3.〇 正しい。右腎は左腎に比べて低位にある。なぜなら、右側に肝臓があるため。

4.× 女性の膀胱は、子宮および膣の「後方」ではなく前方に位置する。
・女性骨盤内臓の前後関係は、前から順に「膀胱→子宮→直腸」となっている(※下図参照)。

(図引用:「女性器の解剖と整理」医学出版様より)

 

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