第22回(H26年)柔道整復師国家試験 解説【午前36~40】

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問題36.図中の矢印の部位を起始とする筋はどれか。

1.大腿二頭筋短頭
2.大腿直筋
3.縫工筋
4.半膜様筋

解答

解説

矢印の部分は、「坐骨結節」である。坐骨結節から付着する筋は、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋、下双子筋、大腿方形筋、大内転筋である。

1.× 大腿二頭筋の【起始】長頭:坐骨結節、短頭:大腿骨体の粗線の外側唇、外側大腿筋間中隔、【停止】腓骨頭、【作用】股関節伸展・外旋、膝関節屈曲である。

2.× 大腿直筋の【起始】下前腸骨棘および寛骨臼の上縁、【停止】膝蓋骨、脛骨粗面、【作用】膝関節伸展、股関節屈曲である。

3.× 縫工筋の【起始】上前腸骨棘、【停止】脛骨粗面の内側(鵞足を形成)、【作用】股関節屈曲、外転、外旋、膝関節屈曲、内旋である。

4.〇 正しい。半膜様筋は、図中の矢印の部位を起始とする筋である。
・半膜様筋の【起始】坐骨結節、【停止】脛骨粗面、脛骨内側顆の後部、斜膝窩靭帯、膝窩筋筋膜、【作用】股関節伸展、内転、内旋、膝関節屈曲である。

 

 

 

 

 

問題37.閉塞により梗塞をきたすのはどれか。

1.動脈叢
2.動静脈吻合
3.伴行静脈
4.終動脈

解答

解説

梗塞とは?

梗塞とは、血流が途絶えることで組織が壊死する状態である。

1.× 動脈叢は、梗塞をきたさない。なぜなら、豊富な側副血行(吻合)があるため。1本が閉塞しても他の動脈が代償的に血流を供給できる。
・動脈叢とは、多数の細い動脈が網の目状に結合し、吻合し合ってできた構造である(※読み:どうみゃくそう)。

2.× 動静脈吻合は、梗塞をきたさない。なぜなら、豊富な側副血行(吻合)があるため。1本が閉塞しても他の動脈が代償的に血流を供給できる。
・動静脈吻合とは、毛細血管を通さずに、大きな連絡管により動脈と静脈を結ぶ血管である。熱を皮膚表面へ 運び出し環境へ放散するために極めて重要な役割を担っている。からだのさまざまな箇所にあるが、とくに手掌、足底および指の皮膚、爪床、鼻、耳などに見られる。(※読み:どうじょうみゃくふんごう)

3.× 伴行静脈は、梗塞をきたさない。なぜなら、動脈の閉塞や梗塞とは関係がないため。伴行静脈は主に血液を心臓へ戻す役割を担い、動脈系とは逆方向の血流をもつため、閉塞しても動脈領域の酸欠(梗塞)を起こさない。

4.〇 正しい。終動脈は、閉塞により梗塞をきたす。なぜなら、終動脈は他の動脈と吻合を持たない(=側副血行がない)ため。したがって、閉塞すると組織が虚血・壊死する。
・終動脈とは、血管どうしのつながり(吻合)を持たない動脈のことである。脳・心臓・肺・脾臓・腎臓などにみられる。

 

 

 

 

 

問題38.洞房結節が存在するのはどれか。

1.右心房
2.左心房
3.右心室
4.左心室

解答

解説

(図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)

心臓の刺激伝導系

洞房結節→房室結節→ヒス束→右脚・左脚→プルキンエ線維となる。

1.〇 正しい。右心房は、洞房結節が存在する。
・洞房結節とは、心臓の興奮のペースメーカーの働きをする部位である。洞房結節は、右心房の上部に位置する。

2~4.× 左心房/右心室/左心室に洞房結節は存在しない

 

 

 

 

 

問題39.血管の走行部位で誤っているのはどれか。

1.大腿動脈は大腿三角を通る。
2.鎖骨下動脈は肋鎖間隙を通る。
3.上腕深動脈は上腕骨橈骨神経溝を通る。
4.上殿動脈は梨状筋下孔を通る。

解答

解説
1.〇 正しい。大腿動脈は、大腿三角を通る
・大腿三角とは、鼠径靭帯・縫工筋・長内転筋である。

2.〇 正しい。鎖骨下動脈は、肋鎖間隙を通る
・肋鎖間隙とは、鎖骨と第1肋骨の間の隙間である。

3.〇 正しい。上腕深動脈は、上腕骨橈骨神経溝を通る
・橈骨神経溝とは、上腕骨体後面を上内側から下外側に斜めに走る浅い溝である。橈骨神経や上腕深動脈が通る。他にも、上腕三頭筋外側頭の付着面と上腕三頭筋内側頭の付着面の境界である。

4.× 上殿動脈は、梨状筋「下孔」ではなく上孔を通る。
・梨状筋上孔:上殿動静脈、上殿神経が通過する。
・梨状筋下孔:下殿動静脈、下殿神経、内陰部動静脈、陰部神経、後大腿皮神経、坐骨神経が通過する。

 

 

 

 

 

問題40.内腸骨動脈の枝はどれか。

1.精巣動脈
2.下腹壁動脈
3.上直腸動脈
4.子宮動脈

解答

解説

内腸骨動脈の枝

①臓側枝:臍動脈、下膀胱動脈、精管動脈・子宮動脈、中直腸動脈、内陰部動脈。
②壁側枝:腸腰動脈、外側仙骨動脈、閉鎖動脈、上殿動脈、下殿動脈である。

1.× 精巣動脈は、腹部大動脈から直接分岐する。腹大動脈は、有対性の腎動脈、精巣/卵巣動脈、腰動脈、下横隔動脈と分岐する。

2.× 下腹壁動脈は、外腸骨動脈の枝である。外腸骨動脈から分岐し腹部を上行したのち、上腹壁動脈へと交通する動脈である。

3.× 上直腸動脈は、外腸骨動脈の枝である。
上直腸動脈とは、直腸に血液を供給するために骨盤内に下降する動脈である。直腸に分布する動脈は、上・中・下と3つの直腸動脈がある。
上直腸動脈:下腸間膜動脈の枝。
中直腸動脈:内腸骨動脈の枝。
下直腸動脈:内陰部動脈の枝。

4.〇 正しい。子宮動脈は、内腸骨動脈の枝である。
・子宮動脈は、内腸骨動脈から分岐して子宮頸管から子宮壁に入る動脈である。大動脈→総腸骨動脈→内腸骨動脈→子宮動脈へと分岐している。その後、子宮動脈下行枝と子宮動脈上行枝に分かれ栄養に関与する。この子宮動脈上行枝は、卵巣動脈と癒合している。

外腸骨動脈の枝

①下腹壁動脈
②深腸骨回旋動脈

 

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