第26回(H30年)柔道整復師国家試験 解説【午前96~100】

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問96 一定の家系内に発生する疾患はどれか。

1.ダウン(Down)症候群
2.先天性風疹症候群
3.ファロー(Fallot)四徴症
4.血友病A

答え.4

解説
1.× ダウン(Down)症候群とは、染色体異常が原因で知的障害が起こる病気である。常染色体異常疾患の中で最多である。Down症候群になりうる異常核型は、3種に大別される。①標準トリソミー型:21トリソミー(93%)、②転座型(5%)、③モザイク型(2%)である。発症率は、平均1/1000人である。しかし、35歳女性で1/300人、40歳女性1/100人、45歳女性1/30人と、出産年齢が上がるにつれて確率が高くなる。症状として、①特異な顔貌、②多発奇形、③筋緊張の低下、④成長障害、⑤発達遅滞を特徴とする。また、約半数は、先天性心疾患や消化管疾患などを合併する。特異顔貌として、眼瞼裂斜上・鼻根部平坦・内眼角贅皮・舌の突出などがみられる。

2.× 先天性風疹症候群とは、風しんウイルスの胎内感染(垂直感染)によって先天異常を起こす感染症である。 臨床的特徴として、先天異常の発生は妊娠週齢と明らかに相関し、妊娠12週までの妊娠初期の初感染に最も多くみられ、20週を過ぎるとほとんどなくなる。

3.× ファロー(Fallot)四徴症とは、4つの特徴(「心室中隔欠損」、「肺動脈狭窄」、「大動脈騎乗」、「右室肥大」)がある病気である。大動脈が太く、通常より前方に移動していることで肺動脈が細く狭くなり、「肺動脈狭窄」になる。ファロー四徴症は、先天性心疾患であり、症状としてチアノーゼ、頻脈、多呼吸、哺乳不良などの症状がみられる。したがって、原因は不明である。

4.〇 正しい。血友病Aは、一定の家系内に発生する疾患である。なぜなら、伴性劣性遺伝(男児に多い)であるため。伴性劣性遺伝の特徴として、1対の性染色体のうち、両方に異常がある場合のみ発病することである。

”血友病とは?”

血友病とは、血液を固めるのに必要な「血液凝固因子(第Ⅷ因子または第Ⅸ因子)が不足・活性低下する病気のことである。血友病の検査では、血が止まりにくいかどうかを調べるため、はじめに「血小板数」「プロトロンビン時間(PT)」「活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)」の3つを測定する。そこでAPTTだけが正常よりも延長している場合に血友病が疑われる。

【概念】
伴性劣性遺伝(男児に多い):生まれつき発症することがほとんどであるため、幼少期から①些細なことで出血する、②出血が止まりにくいといった症状が繰り返される。
血友病A:第Ⅷ凝固因子の活性低下
血友病B:第Ⅸ凝固因子の活性低下

【症状】関節内出血を繰り返し、疼痛、安静により関節拘縮を起こす。(筋肉内出血・血尿も引き起こす)肘・膝・足関節に多い。鼻出血、消化管出血、皮下出血等も起こす。

【治療】凝固因子製剤の投与、関節拘縮・筋力低下に対するリハビリテーション

(※参考:「血友病」Medical Note様HP)

 

 

 

 

 

問97 生物学的外因と疾患の組合せで誤っているのはどれか。

1.ウイルス:ハンセン(Hansen)病
2.スピロヘータ:梅毒
3.クラミジア:トラコーマ
4.リケッチ:ツツガムシ病

答え.1

解説
1.× ハンセン(Hansen)病は、「ウイルス」ではなくらい菌で起こる。ハンセン病とは、らい病とも呼ばれ、らい菌が体内に入り(感染)、引き起こされる(発症)病気である。痒みや痛みなどの自覚症状のない治りにくい皮疹で、白斑、紅斑、環状紅斑、結節など多彩である。成人の場合、日常生活の中で感染することはない。また感染したとしても発症は非常にまれである。

2.〇 正しい。梅毒は、「スピロヘータ」で起こる。梅毒とは、5類感染症の全数把握対象疾患であり、スピロヘータ(細菌)の一種である梅毒トロポネーマ感染により発症し、この梅毒トロポネーマが脳の実施まで至ると、進行性麻痺となる。性行為や胎盤を通じて感染する。梅毒に特徴的な症状として、陰茎・外陰部を中心に生じる無痛性の硬結(指で触れることのできる硬い丘疹)やバラ疹(全身にできる淡い紅斑)などがあり、進行すると神経系の病変を生じて死に至ることもある。

3.〇 正しい。トラコーマは、「クラミジア」で起こる。トラコーマとは、クラミジア・トラコマチス(微生物)が、主にハエなどに媒介され、感染した眼の分泌物などから、健常な眼に感染しておこる結膜炎である。繰り返し感染すると失明に至ることもある

4.〇 正しい。ツツガムシ病は、「リケッチ」で起こる。ツツガムシ病とは、病原体はつつが虫病リケッチア(細菌)で、つつが虫病リケッチアを保有するツツガムシに刺されて感染する感染症である。全身倦怠感、食欲不振とともに頭痛、悪寒、発熱などを伴って発症する。体温は段階的に上昇し数日で40℃にも達する。刺し口は皮膚の柔らかい隠れた部分に多い。刺し口の所属リンパ節は発熱する前頃から次第に腫脹する。第3~4病日より不定型の発疹が出現するが、発疹は顔面、体幹に多く四肢には少ない。テトラサイクリン系の有効な抗菌薬による治療が適切に行われると劇的に症状の改善がみられる。重症になると肺炎や脳炎症状を来す。北海道を除く全国で発生がみられる。

 

 

 

 

 

問98 結節性多発性動脈炎でみられるのはどれか。

1.アミロイド変性
2.空胞変性
3.脂肪変性
4.フィブリノイド変性

答え.4

解説

結節性多発性動脈炎とは?

結節性多発動脈炎とは、中型血管を主体として、血管壁に炎症を生じる疾患である。原因不明であるが、血管炎の組織には多くの免疫を担当する細胞が見られること、ステロイドや免疫抑制薬などによる免疫抑制療法が効果を示すことが多いことなどから、免疫異常が関与していると考えられている。38℃以上の高熱、体重減少、高血圧、紫斑や皮膚潰瘍、筋肉痛・関節痛、四肢のしびれ、脳出血・脳梗塞、胸膜炎、尿蛋白や尿潜血陽性、腎機能低下、腹痛・下血、狭心症・心筋梗塞など様々な症状がおきる。

1.× アミロイド変性とは、タンパク質が繊維状に凝集したアミロイド線維が体内のさまざまな組織や器官に蓄積し、臓器の機能を障害する病気の総称である。

2.× 空胞変性は、低酸素(特に肝細胞)やプリオン病でみられる病変である。細胞質内に少量のタンパク質を含んだ球状の空胞が見られる細胞障害の一種である。

3.× 脂肪変性は、アルコール性肝障害でみられる病変である。脂肪変性とは、脂肪化ともいい、細胞質内に形態学的に観察可能な脂肪滴が出現している状態である。脂肪変性は中性脂肪の異常蓄積により出現する。アルコール性肝障害の初期症状としてよく見られ、肝細胞内に異常に脂肪が蓄積することを指す。

4.〇 正しい。フィブリノイド変性は、結節性多発性動脈炎でみられる。フィブリノイド変性とは、血管壁などの結合組織に免疫グロブリン、補体成分、フィブリンなどが沈着した病変である。結節性多発動脈炎の場合、中型血管を主体として、血管壁に炎症を生じ、フィブリンや免疫複合体が沈着してフィブリノイド様の物質を形成する。

 

 

 

 

 

問99 壊死病変で誤っている組合せはどれか。

1.乾酪壊死:結核結節
2.融解壊死:脳軟化
3.湿性壊疽:心筋梗塞
4.乾性壊疽:ミイラ化

答え.3

解説
1.〇 正しい。結核結節の壊死病変は乾酪壊死である。結核結節とは、肺内の乾酪性肉芽腫ともいい、結核菌による感染症である結核症の病理像のひとつである。結核菌が肺胞に入り増殖すると、その周辺が炎症を起こし、好中球と肺胞のマクロファージによって死滅せずに結核菌が残った場合、マクロファージ内で増殖して滲出性の病巣となる。ちなみに、乾酪壊死(※読み:かんらくえし)とは、結核性滲出性病変でみられる壊死の一種で、壊死した細胞が白く固まってチーズ(乾酪)様の外観を呈す。原因はタンパク分解酵素を阻害する脂質が壊死巣に多く含まれることである。

2.〇 正しい。脳軟化の壊死病変は融解壊死である。脳軟化とは、脳梗塞ともいわれ、脳の血管に障害が起こり、神経細胞に酸素や栄養分が行き渡らなくなり、神経細胞が死んで脳の中に空洞ができる状態である。ちなみに、融解壊死とは、壊死組織が液化してしまう状態である。脳梗塞後に特に見られる病変である。

3.× 心筋梗塞の壊死病変は「湿性壊疽」ではなく凝固壊死である。湿性壊疽とは、細菌感染によって壊死組織が湿潤し腐敗する状態で、糖尿病性足壊疽や腸管壊疽などでみられる。

4.〇 正しい。ミイラ化の壊死病変は乾性壊疽である。乾性壊疽とは、表在組織が壊死して体に取りついたまま、水分が蒸散して乾燥し、ミイラ化する皮膚病変である。壊死組織が黒く変色して革のような状態になり、感染は起こりにくいのが特徴である。

 

 

 

 

 

問100 血小板減少の原因となるのはどれか。

1.ビタミンCの不足
2.ビタミンKの不足
3.放射性の大量被曝
4.血液凝固因子の不足

答え.3

解説

血小板減少の原因

①骨髄不全による汎血球減少、②血小板破壊による血小板寿命の低下に起因する血小板減少、③血小板消費の亢進による血小板減少、④薬剤性血小板減少など(※参考:「血液造血器の病気:血小板減少症と血小板機能異常症」徳洲会グループ様HPより)

1.× ビタミンCの不足は、壊血病の原因となる。ビタミンCとは、抗酸化作用をもち、多くのホルモン合成や薬物代謝に関わる。ビタミンC欠乏は、壊血病を生じる。壊血病は、結合組織の異常から毛細血管が脆弱化して出血しやすくなる。

2.× ビタミンKの不足は、骨粗鬆症出血傾向の原因となる。ビタミンKとは、血液凝固のほかに骨形成(骨をつくる骨芽細胞の働き)を促進する作用と骨吸収(骨を壊す破骨細胞の働き)を抑制する作用がある。骨粗鬆症における骨量(骨の材料であるカルシウムとリンの量)の減少を抑えたり痛みを和らげる効果がある。

3.〇 正しい。放射性の大量被曝は、血小板減少の原因となる。なぜなら、放射線の大量被曝は骨髄抑制を引き起こし、造血幹細胞が破壊されるため。骨髄は、血小板を含むすべての血球を産生する場所であるため、放射線による損傷は血小板減少の直接的な原因となる。

4.× 血液凝固因子の不足は、血友病(出血傾向)の原因となる。血液凝固因子とは、Ⅰ:フェブリノーゲン、Ⅱ:プロトロンビン、Ⅲ:トロンボプラスチン、Ⅳ:カルシウムイオン、Ⅴ:プロアクセレリン、Ⅵ:(欠番)、Ⅶ:プロコンバーチン、Ⅷ:抗血友病因子、Ⅸ:クリスマス因子、Ⅹ:スチュアート因子、Ⅺ:PTA、Ⅻ:ハーゲマン因子、XIII:フェブリン安定化因子である。

”血友病とは?”

血友病とは、血液を固めるのに必要な「血液凝固因子(第Ⅷ因子または第Ⅸ因子)が不足・活性低下する病気のことである。血友病の検査では、血が止まりにくいかどうかを調べるため、はじめに「血小板数」「プロトロンビン時間(PT)」「活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)」の3つを測定する。そこでAPTTだけが正常よりも延長している場合に血友病が疑われる。

【概念】
伴性劣性遺伝(男児に多い):生まれつき発症することがほとんどであるため、幼少期から①些細なことで出血する、②出血が止まりにくいといった症状が繰り返される。
血友病A:第Ⅷ凝固因子の活性低下
血友病B:第Ⅸ凝固因子の活性低下

【症状】関節内出血を繰り返し、疼痛、安静により関節拘縮を起こす。(筋肉内出血・血尿も引き起こす)肘・膝・足関節に多い。鼻出血、消化管出血、皮下出血等も起こす。

【治療】凝固因子製剤の投与、関節拘縮・筋力低下に対するリハビリテーション

(※参考:「血友病」Medical Note様HP)

 

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