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問題71 体温調節中枢の設定温度が上昇したときに生じるのはどれか。
1.解熱
2.発汗
3.ふるえ
4.皮膚血管の拡張
答え.3
解説
セットポイントとは、設定値と直訳でき、体温調節中枢には、体温を一定に保つ働きがあり、こうして設定された体温のことを指す。体温のセットポイント(設定値)が突然高く設定された場合(つまり、通常の体温が低く寒い)と認識するため、寒冷にさらされた場合と同様に体温を上昇させる反応が起こる。
1~2.4.× 解熱/発汗/皮膚血管の拡張は、体温調節中枢の設定温度が低下したときに生じる。
体温を下げるための体の反応である。皮膚血管が拡張すると、体表面に近い血流量が増え、放熱が促進される。
3.〇 正しい。ふるえは、体温調節中枢の設定温度が上昇したときに生じる。
体温が低いと筋肉を収縮させて熱を発生させる。この現象をふるえ熱産生という。小刻みな収縮:シバリングによって生体内で熱が産生される現象である。寒さによる「ふるえ」は骨格筋の不随意運動による筋収縮で発生するエネルギーが熱となるため、熱産生が増加する。
問題72 視床下部に存在するのはどれか。
1.嚥下中枢
2.言語中枢
3.呼吸中枢
4.摂食中枢
答え.4
解説
視床下部とは、間脳に位置し、内分泌や自律機能の調節を行う総合中枢である。 ヒトの場合は脳重量のわずか0.3%、4g程度の小さな組織であるが、多くの神経核から構成されており、体温調節やストレス応答、摂食行動や睡眠覚醒など多様な生理機能を協調して管理している。つまり、視床下部は自律神経の最高中枢である。
1.× 嚥下中枢は、延髄にある。
嘔吐、嚥下、唾液、呼吸および循環、消化の中枢を含む。延髄は、生命維持に不可欠な機能を担っていて自律神経の神経核である。
2.× 言語中枢は、前頭葉と側頭葉にある。
前頭葉には、運動性言語中枢(ブローカ野:44野)があり、大脳皮質にある言語活動をつかさどる中枢で、運動性言語中枢の役割は、主に言葉を話したり書いたりする。側頭葉には、ウェルニッケ野(感覚性言語中枢:22野)があり、大脳皮質にある言語活動をつかさどる中枢で、感覚性言語中枢の役割は、言葉を聞き取って理解したり字を読んだりする。
3.× 呼吸中枢は、脳幹(主に延髄と橋)にある。
呼吸中枢とは、呼吸運動の調節に働く中枢である。ヒトでは、脳幹の橋から延髄にかけての部分にある。呼気と吸気の交代とリズムの調節に関わるいくつかの機能を併せ持った複合的な中枢と考えられる。
4.〇 正しい。摂食中枢は、視床下部に存在する。
視床下部とは、間脳に位置し、内分泌や自律機能の調節を行う総合中枢である。 ヒトの場合は脳重量のわずか0.3%、4g程度の小さな組織であるが、多くの神経核から構成されており、体温調節やストレス応答、摂食行動や睡眠覚醒など多様な生理機能を協調して管理している。つまり、視床下部は自律神経の最高中枢である。
問題73 量の比較で正しいのはどれか。
1.糸球体ろ過量>腎血漿流量>尿量
2.糸球体ろ過量>尿量>腎血漿流量
3.腎血漿流量>糸球体ろ過量>尿量
4.腎血漿流量>尿量>糸球体ろ過量
答え.3
解説
腎血漿流量:約900リットル/日
(腎血漿流量とは、腎臓を流れる血漿量)
糸球体ろ過量:約150リットル/日
(腎臓のなかにある糸球体が、血液を濾過している量)
尿量:約1.5リットル/日
したがって、選択肢3.腎血漿流量>糸球体ろ過量>尿量が正しい。
問題74 成長ホルモンの分泌を増加させるのはどれか。2つ選べ。
1.運動
2.摂食
3.睡眠
4.飲水
答え.1・3
解説
成長ホルモンとは、下垂体前葉から合成・分泌されるホルモンで、成長促進作用や代謝作用などの作用がある。下垂体の前葉からは、副腎皮質刺激ホルモン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、乳汁分泌ホルモン、性腺刺激ホルモンが、下垂体の後葉からは抗利尿ホルモンが分泌される。
1.〇 正しい。運動は、成長ホルモンの分泌を増加させる。
なぜなら、成長ホルモンに代謝作用が含まれるため。運動によりエネルギー消費が増加し、これを補うために成長ホルモンの分泌が刺激される。したがって、筋肉の成長や修復が促進され、脂肪燃焼が高まる。
2.× 摂食/飲水は、成長ホルモンの分泌と直接関連しない。
摂食に関連するホルモンとして、血糖コントロールに関与するインスリンなどである。
3.〇 正しい。睡眠は、成長ホルモンの分泌を増加させる。
なぜなら、成長ホルモンに成長促進作用が含まれるため。十分な睡眠は体の成長や修復にとって重要である。
問題75 下垂体で合成されるホルモンはどれか。
1.アドレナリン
2.オキシトシン
3.甲状腺刺激ホルモン
4.コルチゾール
答え.3
解説
1.× アドレナリン
アドレナリンとは、腎臓の上にある副腎髄質で合成・分泌されるホルモンである。主な作用は、心拍数や血圧上昇などがある。自律神経の交感神経が興奮することによって分泌が高まる。
2.× オキシトシン
オキシトシンとは、視床下部で合成され、脳下垂体後葉から分泌される。乳汁射出、子宮収縮作用がある。また、分娩開始前後には分泌が亢進し、分娩時に子宮の収縮を促し、胎児が下界に出られるように働きかける。
3.〇 正しい。甲状腺刺激ホルモンは、下垂体で合成されるホルモンである。
甲状腺刺激ホルモンとは、下垂体前葉から分泌され、作用は、甲状腺に働きかけ甲状腺ホルモンの分泌を促進させる。ちなみに、甲状腺ホルモンは、カラダ全体の新陳代謝を促進する働きがある。したがって、甲状腺刺激ホルモンの過剰によって引き起こされるのは、バセドウ病である。症状は、眼球突出、頻脈、びまん性甲状腺腫が特徴的である。ちなみに、眼球突出・甲状腺腫・頻脈をメルゼブルグの三徴候という。
4.× コルチゾール
コルチゾールとは、副腎皮質で合成・分泌されるホルモンで、血糖値の上昇や脂質・蛋白質代謝の亢進、免疫抑制・抗炎症作用、血圧の調節など、さまざまな働きがあるが、過剰になるとクッシング症候群、不足するとアジソン病を引き起こす。