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問題76 脳幹の背面から出ているのはどれか。
1.動眼神経
2.滑車神経
3.外転神経
4.顏面神経
答え.2
解説
脳幹は、中枢神経系を構成する部位が集まっている器官で、中脳、橋、延髄から構成されている。この脳幹は視床下部と通信をすることで覚醒と睡眠間の移行を制御する。
1.× 動眼神経は、中脳の腹側から出ている。
2.〇 正しい。滑車神経は、脳幹(中脳)の背面から出ている。
3~4.× 外転神経/顏面神経は、橋の腹外側から出ている。
(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)
問題77 脊髄神経で正しいのはどれか。
1.梨状筋上孔を通る神経は大殿筋を支配する。
2.鼡径靭帯下の筋裂孔を通る神経は大腿屈筋群を支配する。
3.足根管を通る神経は足背の筋を支配する。
4.前脛骨動脈に沿う神経は足関節背屈筋を支配する。
答え.4
解説
・梨状筋上孔:上殿動静脈、上殿神経が通過する。
・梨状筋下孔:下殿動静脈、下殿神経、内陰部動静脈、陰部神経、後大腿皮神経、坐骨神経が通過する。
1.× 梨状筋上孔を通る神経は、「大殿筋」ではなく中・小殿筋(大腿筋膜張筋)を支配する。
大殿筋の【起始】腸骨翼の外面で後殿筋線の後方、仙骨・尾骨の外側縁、仙結節靭帯、腰背筋膜、【停止】腸脛靭帯、大腿骨の殿筋粗面、【作用】股関節伸展、外旋、外転、上部:内転、下部:骨盤の下制、【支配神経】下殿神経である。一方、小殿筋の【起始】腸骨翼の外面で前および下殿筋線の間、【停止】大転子の前面、【作用】股関節外転、内旋、【支配神経】上殿神経である。
2.× 鼡径靭帯下の筋裂孔を通る神経は、「大腿屈筋群」ではなく大腿伸筋群を支配する。
大腿屈筋群は、①半腱様筋、②大腿二頭筋、③半膜様筋をさし、坐骨神経の枝が支配する。一方、大腿伸筋群は、大腿四頭筋などをさし、大腿神経が支配する。ちなみに、鼡径靭帯下の筋裂孔とは、鼠経靭帯と寛骨で形成される間隙で、腸恥筋膜弓によって分割された空間のことである。
①筋裂孔は、外側の空間を、②血管製孔内側の空間をとよぶ 。①筋裂孔を通過するものは、①腸腰筋、②大腿神経である。また、血管裂孔を通過するものは、①大腿動脈、②大腿静脈、③大腿管(リンパ管)、④陰部大腿神経の大腿枝である。
3.× 足根管を通る神経は、「足背の筋(背屈筋)」ではなく足底の筋(底屈筋)を支配する。
足根管を通るのは①後脛骨筋の腱、②長指屈筋の腱、③後脛骨動脈、脛骨神経、長母指屈筋の腱である。足背の筋を支配するのは腓骨神経である。
4.〇 正しい。前脛骨動脈に沿う神経は足関節背屈筋を支配する。
下腿深部を走行する膝窩動脈は、下腿の後上面で①前脛骨動脈と②後脛骨動脈に分かれる。前脛骨動脈はそのまま下腿の前面を下行し、足の甲に血液を供給する足背動脈となる。
問題78 尺骨神経の障害はどれか。
1.第1指と第2指で正円を作れない。
2.手関節の背屈ができない。
3.第4指MP関節が屈曲する。
4.骨間筋が萎縮する。
答え.4
解説
肘部管症候群は、尺骨神経が肘関節背面内側にある尺側骨手根屈筋下の肘部管を通過する際に生じる絞拒性障害である。尺骨神経麻痺を来し、指の開閉運動障害や鷲手変形を生じる。
1.× 第1指と第2指で正円を作れないのは、正中神経麻痺症状である。
正中神経麻痺で、tear drop sign(ティア ドロップ サイン)または、perfect O(パーフェクト Oテスト)や、Phalen(ファレンテスト)が陽性となる。
2.× 手関節の背屈ができないのは、橈骨神経麻痺症状である。
橈骨神経障害によって生じる下垂手とは、手関節・手指の伸筋群と、長母指外転筋・短母指伸筋の麻痺により、手関節背屈、示指から小指のMP関節伸展、母指伸展・外転が困難となった状態を指す。
3.× 第4指MP関節が屈曲するのは、正中神経麻痺症状である。
正中神経麻痺によって生じる祈祷手とは、正中神経の運動枝である前骨間神経の障害によって発生する。拳を握ろうとした時に環指と小指しか屈曲しない肢位のことをさす。
4.〇 正しい。骨間筋が萎縮する。
尺骨神経は骨間筋が萎縮するため、指の開閉運動障害に困難をきたす。
問題79 白内障の病変部位はどれか。
1.虹彩
2.水晶体
3.硝子体
4.視神経乳頭
答え.2
解説
(※図:「看護師イラスト集」看護roo!様HPより)
白内障とは、水晶体が年齢とともに白く濁って視力が低下する病気である。主な原因は加齢である。他にも、糖尿病や妊娠初期の風疹ウイルス感染などにより生じる。
1.× 虹彩
虹彩とは、瞳孔の大きさを調整し、網膜に入る光の量を調節する役割を持つ組織である。
2.〇 正しい。水晶体が、白内障の病変部位である。
水晶体とは、ほぼ透明で眼の中でレンズの役割を担う器官である。
3.× 硝子体
硝子体とは、眼球内圧を維持し、網膜の安定性維持に働く組織である。
4.× 視神経乳頭
視神経乳頭とは、視神経が網膜を貫通する部分である。ここには視覚受容器(錐体細胞と桿体細胞)が存在しない。したがって、視神経乳頭は盲点と呼ばれることがある。
問題80 手関節部の掌側尺側面で触れるのはどれか。
1.舟状骨
2.月状骨
3.有頭骨
4.豆状骨
答え.4
解説
(※引用:「イラスト素材:手の骨」illustAC様より)
1.× 舟状骨
手の橈側に位置する。タバコ窩で触知できる。
2.× 月状骨
手の背側から触知できる。なぜなら、掌側では小指球筋や母指球筋の筋腹が触診を妨げるため。
3.× 有頭骨
手首の中央部分に位置する骨である。
4.〇 正しい。豆状骨は、手関節部の掌側尺側面で触れる。
手背には長母指伸筋の腱、掌側には短母指伸筋の腱と長母指外転筋の腱が並んで走行している。ここを解剖学的嗅ぎタバコ窩という。手背の母指基部の専用のタバコ粉末を置いて匂いをかぐ楽しみの一つで使用されていた部位であることから、その名がつけられた。手背には長母指伸筋の腱、掌側には短母指伸筋の腱と長母指外転筋の腱が並んで走行している。ここから舟状骨も触知できる。