第29回(R3年)柔道整復師国家試験 解説【午前21~25】

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問題21 大腿四頭筋肉離れが起こりやすいのはどれか。

1.大腿直筋
2.中間広筋
3.内側広筋
4.外側広筋

答え.1

解説

肉離れとは?

肉離れとは、筋肉が過度に引き伸ばされたり、筋肉が縮んだ状態から引き伸ばされた際に筋線維が切れることである。肉離れの予防として、①柔軟性の向上、②血行改善、③アイシング、④違和感があった際の中断が必要となる。

【好発部位】
大腿四頭筋:太ももの前側(大腿直筋)で起こりやすい。なぜなら、股関節と膝関節の二つの関節の動きに作用する二関節筋であるため。
ハムストリングス:大腿二頭筋(筋腱移行部)で起こりやすい。
下腿三頭筋:筋繊維の多くは筋腱移行部での部分損傷で、特に腓腹筋内側頭で起こりやすい。10代からみられ、各年齢層にまんべんなく発生する。受傷機序として、日常生活中やスポーツ現場では階段を下りた際や、ランニングやダッシュの途中などにふくらはぎに鋭い痛みが走り、その後の歩行が困難になるケースがよく見られる。足関節底屈の際、親指のほうが大きく力を発揮するのに適しており、親指側に力が入りやすいため、外側より内側のほうが受傷しやすい。

1.〇 正しい。大腿直筋は、大腿四頭筋肉離れが起こりやすい。
なぜなら、股関節と膝関節の二つの関節の動きに作用する二関節筋であるため。筋肉の負荷が大きくなりやすい。
【起始】下前腸骨棘および寛骨臼の上縁、【停止】膝蓋骨、脛骨粗面、【作用】膝関節伸展、股関節屈曲、【支配神経】大腿神経

2.× 中間広筋
単関節筋である。
【起始】大腿骨の前面と両側面、【停止】膝蓋骨、脛骨粗面、【作用】膝関節伸展、【支配神経】大腿神経

3.× 内側広筋
単関節筋である。
【起始】大腿骨転子間線の下部、大腿骨粗線の内側唇、【停止】膝蓋骨、脛骨粗面、【作用】膝関節伸展、【支配神経】大腿神経

4.× 外側広筋
単関節筋である。
【起始】大転子の基部、殿筋粗面、外側大腿筋間中隔、大腿骨粗線の外側唇、【停止】膝蓋骨、脛骨粗面、【作用】膝関節伸展、【支配神経】大腿神経

 

 

 

 

 

問題22 ハムストリングス肉離れの好発部位はどれか。

1.起始部
2.筋腹
3.筋腱移行部
4.停止部

答え.3

解説

ハムストリングスとは?

ハムストリングスとは、3つの筋肉(大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋)の総称を指す。

大腿二頭筋
【起始】長頭:坐骨結節、短頭:大腿骨体の粗線の外側唇、外側大腿筋間中隔、【停止】腓骨頭、【作用】股関節伸展、外旋、膝関節屈曲、【支配神経】長頭:坐骨神経の脛骨神経部、短頭:坐骨神経の総腓骨神経部

半膜様筋
【起始】坐骨結節、【停止】脛骨粗面、脛骨内側顆の後部、斜膝窩靭帯、膝窩筋筋膜、【作用】股関節伸展、内転、内旋、膝関節屈曲、【支配神経】坐骨神経の脛骨神経部

半腱様筋
【起始】坐骨結節(大腿二頭筋長頭の起始の内側でこれと融合)、【停止】脛骨粗面の内側(鵞足を形成)、【作用】股関節伸展、内転、内旋、膝関節屈曲、【支配神経】坐骨神経の脛骨神経部

1.2.4.× 起始部/筋腹/停止部
筋腱移行部が最も好発する。

3.〇 正しい。筋腱移行部は、ハムストリングス肉離れの好発部位である。
腱とは、骨格筋の両端にあって、筋肉を骨に付着させる仲介をしている強力な結合組織線維束である。筋腱移行部とは、徐々に筋肉が腱に変わっていく部分をいう。

肉離れとは?

肉離れとは、筋肉が過度に引き伸ばされたり、筋肉が縮んだ状態から引き伸ばされた際に筋線維が切れることである。肉離れの予防として、①柔軟性の向上、②血行改善、③アイシング、④違和感があった際の中断が必要となる。

【好発部位】
大腿四頭筋:太ももの前側(大腿直筋)で起こりやすい。なぜなら、股関節と膝関節の二つの関節の動きに作用する二関節筋であるため。
ハムストリングス:大腿二頭筋(筋腱移行部)で起こりやすい。
下腿三頭筋:筋繊維の多くは筋腱移行部での部分損傷で、特に腓腹筋内側頭で起こりやすい。10代からみられ、各年齢層にまんべんなく発生する。受傷機序として、日常生活中やスポーツ現場では階段を下りた際や、ランニングやダッシュの途中などにふくらはぎに鋭い痛みが走り、その後の歩行が困難になるケースがよく見られる。足関節底屈の際、親指のほうが大きく力を発揮するのに適しており、親指側に力が入りやすいため、外側より内側のほうが受傷しやすい。

 

 

 

 

 

問題23 ハムストリングス肉離れを評価するテストはどれか。

1.SLRテスト
2.トーマステスト
3.トンプソンテスト
4.ニュートンテスト

答え.1

解説
1.〇 正しい。SLRテストは、ハムストリングス肉離れを評価するテストである。
SLRテスト(下肢伸展挙上テスト)は、脊髄後根で圧迫を受ける疾患(坐骨神経痛、椎間板ヘルニアなど)の有無、ハムストリングス損傷や短縮をみる。背臥位で、下肢を挙上し痛みが生じたら陽性である。

2.× トーマステスト
トーマステスト(Thomas Test)は、股関節屈曲拘縮を検査する。背臥位で股関節・膝関節を屈曲する。反対側の膝が持ち上がると陽性である。

3.× トンプソンテスト
Thompsonテスト(トンプソンテスト)は、アキレス腱断裂を診るテストである。患者さんに立て膝をついてもらい、膝を90度曲げ、ふくらはぎを握る。足首より下の部分が動かなければ、陽性となる。

4.× ニュートンテスト
ニュートンテスト(Newton test)は、仙腸関節炎を検査する。腹臥位で仙腸関節部を上から押して、仙腸関節の圧痛を確認する。

肉離れとは?

肉離れとは、筋肉が過度に引き伸ばされたり、筋肉が縮んだ状態から引き伸ばされた際に筋線維が切れることである。肉離れの予防として、①柔軟性の向上、②血行改善、③アイシング、④違和感があった際の中断が必要となる。

【好発部位】
大腿四頭筋:太ももの前側(大腿直筋)で起こりやすい。なぜなら、股関節と膝関節の二つの関節の動きに作用する二関節筋であるため。
ハムストリングス:大腿二頭筋(筋腱移行部)で起こりやすい。
下腿三頭筋:筋繊維の多くは筋腱移行部での部分損傷で、特に腓腹筋内側頭で起こりやすい。10代からみられ、各年齢層にまんべんなく発生する。受傷機序として、日常生活中やスポーツ現場では階段を下りた際や、ランニングやダッシュの途中などにふくらはぎに鋭い痛みが走り、その後の歩行が困難になるケースがよく見られる。足関節底屈の際、親指のほうが大きく力を発揮するのに適しており、親指側に力が入りやすいため、外側より内側のほうが受傷しやすい。

 

 

 

 

 

問題24 膝内側側副靱帯単独損傷時の外反ストレステストの陽性所見はどれか。

1.握雪音
2.クリック
3.サグサイン
4.関節裂隙の開大

答え.4

解説

MEMO

外反ストレステストは、背臥位にて患側膝30°屈曲位と伸展位の両方で、検者は外反方向にゆっくりと強制する。側方動揺性や関節裂隙の開大が認められれば陽性と判断する。

1.× 握雪音
握雪音とは、呼吸異常音のひとつで、胸膜炎で胸膜面が粗くなったときに聴取できる靴底の軋む音、雪を握るような音(ギュギュ) のことである(※読み:あくせつおん)。

2.× クリック音
クリック音とは、半月板損傷で見られる音のひとつで、膝の中でコリッという音のことをいう。症状が進むと、膝に水(関節液)が溜まったり、切れた半月板が関節に引っかかって激痛を引き起こし、動かせなくなるロッキングを発症する。McMurrayテストの検査の際に観察する。①背臥位で膝を完全に屈曲させ片手で踵部を保持する。②下腿を外旋させながら膝を伸展させたときに痛みやクリックを感じれば内側半月の損傷、下腿を内旋させながら膝を伸展させたときに生じるならば外側半月の損傷を示唆する。

3.× サグサイン
サグサインとは、後十字靭帯損傷でみられる徴候のひとつで、脛骨の落ち込みのことをいう。グラビティーテスト(Gravity test )の際に観察する。グラビティーテスト(Gravity test )とは、両下肢を後方引き出しテストと同様の肢位とし、脛骨粗面の位置を側面から観察する。健側に比べ、患側の脛骨上端が後方に落ち込んでいる場合が陽性である。 

4.〇 正しい。関節裂隙の開大は、膝内側側副靱帯単独損傷時の外反ストレステストの陽性所見である。
外反ストレステストは、背臥位にて患側膝30°屈曲位と伸展位の両方で、検者は外反方向にゆっくりと強制する。側方動揺性や関節裂隙の開大が認められれば陽性と判断する。

 

 

 

 

 

問題25 前十字靭帯損傷で膝くずれの原因はどれか。

1.大腿筋膜張筋の筋力低下
2.関節支持性の低下
3.関節遊離体の存在
4.持続する疼痛

答え.2

解説
1.× 「大腿筋膜張筋」ではなく大腿四頭筋の筋力低下が膝崩れに関係する。
膝くずれとは、膝折れともいい、大腿四頭筋の筋力低下、足関節の可動域制限、半月板損傷などが疑われる。ちなみに、大腿筋膜張筋の【起始】上前腸骨棘と大腿筋膜の内側、【停止】腸脛靭帯、脛骨外側顆前面の粗面、【作用】股関節屈曲、内旋、外転。膝関節伸展、【支配神経】上殿神経である。

2.〇 正しい。関節支持性の低下は、前十字靭帯損傷で膝くずれの原因である。
前十字靭帯とは、膝関節の中で、大腿骨と脛骨をつないでいる強力な靭帯である。役割は、主に①大腿骨に対して脛骨が前へ移動しないような制御(前後への安定性)と、②捻った方向に対して動きすぎないような制御(回旋方向への安定性)である。

3.× 関節遊離体の存在は、膝ロッキングの原因となる。
関節遊離体とは、関節ねずみともいい、肘や膝などの関節部分にある骨や軟骨がはがれ落ち、関節内を動き回る物をいう。ロッキングは、膝が一定の角度で屈伸不能(特に完全伸展不能)になることである。原因として、半月板損傷後や関節遊離体などが断裂し、顆間窩に挟まれることによって生じる。

4.× 持続する疼痛より膝くずれに関係するものが他にある。
なぜなら、持続する疼痛がある症状にすべて膝くずれが起こるわけではないため。前十字靭帯の機能と関連しあって考える。

 

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