第30回(R4年)柔道整復師国家試験 解説【午前6~10】

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問題6 鎖骨骨折の整復法で第1助手の役割はどれか。

1.胸鎖乳突筋の弛緩
2.短縮転位の除去
3.遠位骨片の挙上
4.体幹の把持

答え.

解説

鎖骨骨折の治療方法

【坐位整復法】
・患者:坐位または椅子に腰かけさせる(肘関節90度屈曲位)。
・第1助手:患者の後方に位置して背柱部に膝頭を当てがい両脇に手を入れて両肩を外後方へ引き、短縮転位を取り除く。
・第2助手:患肢の上腕および前腕を把握して上腕と肩甲骨を上外方に持ち上げて下方転位の遠位骨片を近位骨片に近づける。
・術者:術者は前方(やや患側)に位置し、骨折部を前下向へ圧迫し整復する。

1.3~4.× 胸鎖乳突筋の弛緩/遠位骨片の挙上/体幹の把持
鎖骨が折れると、近位側(体の中心に近い方)は胸鎖乳突筋の力で上方に引き上げられ、遠位側(肩に近い方)は腕や肩の重さによって下方に引っ張られるため、転位(折れた部分で骨がずれること)が起こる。

2.〇 正しい。短縮転位の除去は、鎖骨骨折の整復法で第1助手の役割である。第1助手は、患者の後方に位置して背柱部に膝頭を当てがい両脇に手を入れて両肩を外後方へ引き、短縮転位を取り除く。

 

 

 

 

 

問題7 デゾー包帯法で提肘を目的とするのはどれか。

1.第1帯
2.第2帯
3.第3帯
4.第4帯

答え.

解説

冠名包帯法(デゾー包帯)とは?

鎖骨骨折時の固定法である。腋→肩→肘の順番で包帯が巻かれる。
【目的】
第1帯:枕子の固定
第2帯:患肢の固定
第3帯:患部の固定・患肢の保持
第4帯:提肘

1.× 第1帯の目的は、枕子の固定である。

2.× 第2帯の目的は、患肢の固定である。

3.× 第3帯の目的は、患肢の保持である。

4.〇 正しい。第4帯は、デゾー包帯法で提肘を目的とする。

 

 

 

 

 

問題8 定型的鎖骨骨折の絆創膏固定の貼付位置で正しいのはどれか。

1.遠位骨片中央
2.遠位骨片端
3.近位骨片中央
4.近位骨片端

答え.

解説
通常、骨片転位は、近位骨片は胸鎖乳突筋の作用により後上方へ、遠位骨片は上肢の重量のため前下方へ転移する。短縮転位は大胸筋の緊張のため発生する。選択肢4.近位骨片端は、定型的鎖骨骨折の絆創膏固定の貼付位置である。なぜなら、骨折の安定化を図ることができるため。

 

 

 

 

 

問題9 上腕骨外科頸外転型骨折の整復で第1助手の牽引帯の牽引方向はどれか。

1.上方
2.下方
3.前外
4.外方

答え.

解説

上腕骨外科頸外転型骨折の整復

患者:背臥位、腋窩に手挙大より大きめの枕子を挿入しておく。
第1助手:帯などで上内方に牽引、固定させる。
第2助手:肘関節直角位で上腕下部及び前腕下部を把握する。末梢牽引させながら徐々に上腕を外転させ短縮転位を除去し両骨折端を離開させる。
術者:両手で遠位骨片近位端を把握する。
(対向牽引が遠位骨片骨軸方向に正しく行う)

1.〇 正しい。上方が上腕骨外科頸外転型骨折の整復で第1助手の牽引帯の牽引方向である。

2~4.× 下方/前外/外方は、 第1助手の牽引帯の牽引方向ではない。

 

 

 

 

 

問題10 上腕骨外科頸外転型骨折の整復で改善するのはどれか。

1.前内方凸変形
2.前外方凸変形
3.後方凸変形
4.後外方凸変形

答え.

解説

上腕骨外科頸外転型骨折の転位・変形

・近位骨片は軽度内転
・遠位骨片は軽度外転
・遠位骨折端は前内上方へ転位
・骨折部は前内方凸の変形

1.〇 正しい。前内方凸変形は、上腕骨外科頸外転型骨折の整復で改善する。
なぜなら、遠位骨折端は前内上方へ転位するため。ちなみに、骨頭は軽度内転して、肩峰と大結節の距離は拡大する。

2~4.× 前外方凸変形/後方凸変形/後外方凸変形
上腕骨外科頸外転型骨折の症状とはいえない。

 

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