第31回(R5年)柔道整復師国家試験 解説【午前56~60】

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問題56 歩行時に骨盤挙上に働く筋はどれか。

1.中殿筋
2.梨状筋
3.内閉鎖筋
4.大腿方形筋

答え.1

解説

(図引用:Eberhart,H. D. et al.:「Human Limbs and their Substitutes」Mc Graw Hill Book Co. Inc 1954より)

1.〇 正しい。中殿筋は、歩行時に骨盤挙上に働く筋である。中殿筋は、肩甲骨の外側縁から大腿骨の大粗隆起に至る筋肉で、歩行時に骨盤の挙上に働く筋の一つです。この筋肉は、骨盤を安定させ、立位や歩行中の体重移動を支える役割があります。

2.4.× 梨状筋/大腿方形筋(股関節外旋筋群)
歩行において、股関節外旋筋群が著明に役割を持って働くことは少ない。

3.× 内閉鎖筋(股関節内旋筋群)
股内転筋群は、①立脚初期と②立脚後期に筋活動がみられる。股関節外転筋と協力して、①立脚初期は股間セ鬱の安定に、②立脚後期は股関節屈曲の補助として働く。

歩行周期

【立脚期】

 1. 初期接地(Initial Contact;以下,IC):観測肢の接地の瞬間
 2. 荷重応答期(Lording Response;以下,LR):IC から対側爪先離地まで
 3. 立脚中期(Mid Stance;以下,MSt):対側爪先離地から対側下腿下垂位まで
   立脚中期前半:対側爪先離地から両下腿の交差まで
   立脚中期後半:両下腿交差から対側下腿下垂位まで
 4. 立脚終期(Terminal Stance;以下,TSt):対側下腿下垂位から対側 IC まで
 5. 前遊脚期(Pre Swing;以下,PSw):対側 IC から観測肢爪先離地まで

【遊脚期】

 6. 遊脚初期(Initial Swing;以下,ISw):観測肢爪先離地から両下腿の交差まで
 7. 遊脚中期(Mid Swing;以下,MSw):両下腿交差から下腿下垂位まで
 8. 遊脚終期(Terminal Swing;以下,TSw):下腿下垂位から IC まで

 

 

 

 

 

問題57 右寛骨を内側から見た図を示す。
 縫工筋の起始はどれか。

1.1
2.2
3.3
4.4

答え.1

解説

縫工筋

【起始】上前腸骨棘
【停止】脛骨粗面の内側(鵞足を形成)
【作用】股関節屈曲、外転、外旋、膝関節屈曲、内旋
【神経】大腿神経

1.〇 正しい。1が縫工筋の起始(上前腸骨棘)である。

2.× 2は、上後腸骨棘である。

3.× 3は、坐骨棘である。

4.× 4は、坐骨結節である。

 

 

 

 

 

問題58 房室結節があるのはどれか。

1.左心房
2.右心房
3.左心室
4.右心室

答え.2

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1,3~4.× 左心房/左心室/右心室
房室結節はない。

2.〇 正しい。右心房に房室結節がある。心臓の刺激伝導系は、洞房結節→房室結節→ヒス束→右脚・左脚→プルキンエ線維となる。房室結節は、心房収縮後に心室収縮を引き起こすタイミングを調整する重要な部分である。

 

 

 

 

 

問題59 胎児循環で最も低い酸素飽和度の血液が流れるのはどれか。

1.静脈管(アランチウス管)
2.動脈管(ボタロー管)
3.臍静脈
4.臍動脈

答え.4

解説

胎児循環とは?

胎児循環とは、胎児における血液の流れ方のことで、肺のかわりを胎盤が果たす胎盤循環が主体である。胎児の下腹部で大動脈から出た左右の臍動脈は、胎盤で母体の血液とガス交換および栄養分・老廃物交換を行った後、1本の臍静脈として胎児体内に戻る。その後肝臓を通じ、あるいは静脈管を通って下大静脈から右心房に入る。この血液と上大静脈から右心房に入った血液の大部分は、心房中隔にあいている卵円孔を通じて直接左心房に移り、左心室から大動脈に出る。一部の右心房から右心室に入った血液は、肺動脈に出るが、肺がまだ活動していないので、その主体は動脈管を通じて大動脈に流入する。

1.× 静脈管(アランチウス管)
臍静脈を下大静脈へつなぐ短い血管のことである。

2.× 動脈管(ボタロー管)
肺動脈と大動脈をつなぐ血管のことである。

3.× 臍静脈
臍静脈とは、胎児循環で胎盤から胎児に血液を送る血管である。胎盤で酸素と栄養を受け取った動脈血の約50%は、臍帯の臍静脈を経て胎児の体内に入り、胎児の静脈管を通過して下大静脈に合流する。つまり、胎児は胎盤で主にガス交換を行う。

4.〇 正しい。臍動脈は、胎児循環で最も低い酸素飽和度の血液が流れる。
臍動脈とは、胎児循環で胎児から胎盤に血液を送る血管のことである。したがって、胎児の体内で発生した二酸化炭素や老廃物を多く含む静脈血が流れる。

(※図引用:「看護師イラスト集」看護roo!)

 

 

 

 

 

問題60 胃の部位で一番高位にあるのはどれか。

1.噴門
2.胃体
3.胃底
4.幽門

答え.3

解説

(※図引用:「イラスト素材:胃」illustAC様より)

1.× 噴門
噴門とは、食道の下端、胃の入口の所である。ふだんは閉じており、食物が食道にはいると、反射的に開く。

2.× 胃体
胃体とは、胃の中心部分である。食物を一時的に蓄える役割がある。

3.〇 正しい。胃底は、胃の部位で一番高位にある。
胃底とは、胃の左側に位置し、噴門から水平に線を引いた上方に位置する部分をいう。 上方に向けて丸みを帯びているので、胃の中でガスが発生するとこの部分にたまる。

4.× 幽門
幽門とは、胃の出口であり、十二指腸にうつる部分である。

 

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