第31回(R5年)柔道整復師国家試験 解説【午前51~55】

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問題51 骨の組織で正しいのはどれか。

1.ハバース管は海綿骨にある。
2.骨端部は主に緻密骨からなる。
3.骨端軟骨は骨膜で被われている。
4.フォルクマン管は血管の通路である。

答え.4

解説
1.× ハバース管は、「海綿骨」ではなく皮質骨にある。
骨には、①外側(皮質骨)と②内側(海綿骨)がある。Havers管とは、骨の長軸方向に伸びている血管が通る管をいう。ちなみに、海綿骨にはハバース管が存在しない。Havers管を中心に同心円状に層をなし、骨単位となっている。

2.× 骨端部は主に「緻密骨(皮質骨)」ではなく海綿骨からなる。
長管骨の骨幹には緻密骨で囲まれる髄腔がある。骨髄腔には骨髄が詰まっており、造血を行っている。海綿質骨は、網目状の構造を持ち、骨折の衝撃吸収や骨髄の収容に役立つ。

3.× 骨膜で被われているのは、「骨端軟骨」ではなく皮質骨表面である。
骨には、①外側(皮質骨)と②内側(海綿骨)がある。海綿骨の表面は、皮質骨(緻密骨)で覆われ、その外層に骨膜が存在する。ちなみに、骨膜は、短軸方向の成長に関わり、骨端成長板は長軸方向の成長に関わる。また、骨膜の役割として、骨を保護し治癒する。骨端軟骨は、成長期の骨の両端に位置し、成長を助ける役割を担う。

4.〇 正しい。フォルクマン管は血管の通路である
骨の長軸方向に平行に走るハバース管に対して、皮質骨にはもうひとつ、垂直方向に血管を通す「フォルクマン管(貫通管)」と呼ばれる管がある。骨の外部と内部を結ぶフォルクマン管を通って皮質骨に導入された血管や神経は枝分かれし、ハバース管を走行する。

 

 

 

 

 

問題52 生後、大泉門が閉鎖する時期はどれか。

1.3か月
2.6か月
3.1年
4.2年

答え.4

解説

(※図:「大泉門と小泉門のイラスト(上から)」いらすとやHPより改変)

大泉門とは?

大泉門とは、頭蓋骨にある冠状縫合、矢状縫合、前頭縫合が十字形に合する所にできる最も大きい泉門のことである。生後2年で閉鎖する。出生前後の児の頭は、成人とは異なり骨化が未完成で、結合部位が膜で覆われている。

したがって、選択肢4.2年は、生後、大泉門が閉鎖する時期である。ちなみに、小泉門は3か月程度で閉鎖する。

 

 

 

 

 

問題53 橈骨手根関節の構成に関与するのはどれか。

1.月状骨
2.有頭骨
3.有鈎骨
4.豆状骨

答え.1

解説

(※図:「手の骨」illustAC様HPより改変)

1.〇 正しい。月状骨は、橈骨手根関節の構成に関与する。橈骨手根関節を構成する骨は、橈骨、尺骨、舟状骨、月状骨、三角骨となる。

2~4.× 有頭骨/有鈎骨/豆状骨
橈骨手根関節の構成に関与しない。

 

 

 

 

 

問題54 上肢帯の筋はどれか。

1.大胸筋
2.棘上筋
3.広背筋
4.大菱形筋

答え.2

解説
1.× 大胸筋は、浅胸筋群に該当する。
【起始】鎖骨部:鎖骨内側1/2~2/3、胸肋部:胸骨前面と上5~7個の肋軟骨、腹部:腹直筋鞘前葉の表面、【停止】上腕骨の大結節稜、【作用】肩関節内転、内旋、鎖骨部:肩甲骨屈曲、腹部:肩関節下制、【神経】内側および外側胸筋神経

2.〇 正しい。棘上筋は、上肢帯の筋である。
【起始】肩甲骨の棘上窩、棘上筋膜の内側、【停止】上腕骨大結節の上部、【作用】肩関節外転、【神経】肩甲上神経

3.× 広背筋は、背部浅側の筋群に該当する。
【起始】第6~8胸椎以下の棘突起、腰背腱膜、腸骨稜、第(9)10~12肋骨および肩甲骨下角、【停止】上腕骨の小結節稜、【作用】肩関節内転、伸展、多少内旋、【神経】胸背神経

4.× 大菱形筋は、背部浅側の筋群に該当する。
【起始】第2~4胸椎の棘突起および棘上靭帯、【停止】肩甲骨内側縁(肩甲棘より下部)、【作用】肩甲骨を内上方に引く、【神経】肩甲背神経

 

 

 

 

 

問題55 骨盤の右正中断面を図に示す。真結合線はどれか。

1.1
2.2
3.3
4.4

答え.1

解説

選択肢1が、真結合線である。解剖学的真結合線とは、骨盤入口部の前後径(縦径)となる岬角中央と恥骨結合上縁中央を結ぶ線のことである。骨盤入口部の前後径には、この解剖学的真結合線と、産科的真結合線がある。真結合線は、骨盤の安定性を保ちながら、ある程度の可動性を持たせる役割を果たしている。特に、妊娠中や出産時には、骨盤の可動性が重要になる。妊娠中のホルモンの影響で、恥骨結合が緩んで柔軟性が増し、出産時には赤ちゃんの頭が通りやすくなる。

骨盤形態の特徴

正常骨盤の最大径は、入口部(にゅうこうぶ)では横径、濶部(かつぶ)では斜径、出口部では前後径である。分娩時、胎児は児頭の最大径である前後径がこの骨盤各平面の長径に一致するように回旋しながら下降する。また、各骨盤各面の前後径の中点を結んだ線を骨盤軸という。骨盤軸は骨盤誘導線ともよばれる(図1)。

図1 骨盤腔の断面

骨盤腔の断面

(一部文章・図引用:「骨盤形態の特徴」看護roo!様より)

 

2 COMMENTS

アバター 匿名

このサイトを作ってくださりありがとうございます!
今年受験なので、国試まで活用させていただきます。
科目別のランダム問題も作ってくださるととても助かります。
ご検討よろしくお願いいたします。

返信する
真菰 真菰

コメントありがとうございます。
科目別のランダム問題の作成も検討します。
とはいえ、今年の国家試験には間に合いそうにありませんので自作で作ってくだされば幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。

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