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問題11 ミッデルドルフ副子固定の肢位で正しいのはどれか。
1.肘関節屈曲位、前腕中間位
2.肘関節伸展位、前腕回外位
3.肘関節屈曲位、前腕回内位
4.肘関節伸展位、前腕中間位
解答1
解説
ミッデルドルフ副子固定(ミッテルドルフ三角副子)とは、上腕骨骨幹部骨折時や、腱板断裂(棘上筋が断裂した時)などに用いる伝統的な固定法である。元になるのは、クランメル副子という金属でできた副子に新聞紙や包帯を巻きつけたものを組み合わせて作成することが多い。
上腕骨骨幹部骨折の固定は、三角筋付着部より遠位の場合は、枕子、厚紙副子、金属副子、ミッデルドルフ三角副子などを用い、肩関節外転70~80°、水平屈曲30~45°、軽度外旋位、肘関節直角位、前腕中間位で肩関節から手関節まで行う。ちなみに、三角筋付着部より近位の場合は、肩関節0~軽度外転位とし、安定と共に徐々に外転を強める。
1.〇 正しい。肘関節屈曲位、前腕中間位が、ミッデルドルフ副子固定の肢位である。ミッデルドルフ副子固定は、上腕骨骨幹部骨折の固定に用いられる。上腕骨骨幹部骨折の固定は、三角筋付着部より遠位の場合は、枕子、厚紙副子、金属副子、ミッデルドルフ三角副子などを用い、肩関節外転70~80°、水平屈曲30~45°、軽度外旋位、肘関節直角位、前腕中間位で肩関節から手関節まで行う。
2.× 肘関節伸展位、前腕回外位
3.× 肘関節屈曲位、前腕回内位
4.× 肘関節伸展位、前腕中間位
これらは、ミッデルドルフ副子固定の肢位ではない。
問題12 コーレス(Colles)骨折屈曲整復法で、弛緩を目的とするのはどれか。
1.方形回内筋
2.長母指伸筋
3.腕橈骨筋
4.円回内筋
解答3
解説
コーレス骨折(橈骨遠位端部伸展型骨折)は、橈骨遠位端骨折の1つである。 橈骨が手関節に近い部分で骨折し、遠位骨片が手背方向へ転位する特徴をもつ。合併症には、尺骨突き上げ症候群、手根管症候群(正中神経障害)、長母指伸筋腱断裂、複合性局所疼痛症候群 (CRPS)などがある。
1.× 方形回内筋の【起始】尺骨下部1/4前面で、【停止】橈骨下部1/4前面、【作用】前腕の回内である。
2.× 長母指伸筋の【起始】尺骨体中部背面、前腕骨間膜背面、【停止】母指の末節骨底の背側、【作用】母指の伸展、内転である。
3.〇 正しい。腕橈骨筋は、コーレス(Colles)骨折屈曲整復法で、弛緩を目的とする。なぜなら、腕橈骨筋が緊張している場合、骨片が離開し、治癒が遅延するだけでなく、整復を妨げることがあるため。ちなみに、腕橈骨筋の【起始】上腕骨外側縁の下部、外側上腕筋間中隔、【停止】橈骨遠位下端、茎状突起、【作用】肘関節屈曲、回内位での回外、回外位での回内である。
4.× 円回内筋の【起始】上腕頭:上腕骨内側上顆と内側上腕筋間中隔、尺骨頭:尺骨鈎状突起内側、【停止】橈骨外側面の中央部、【作用】肘関節回内、屈曲である。
・Smith骨折(スミス骨折):Colles骨折とは逆に骨片が掌側に転位する。
・Colles骨折(コーレス骨折):Smith骨折とは逆に骨片が背側に転位する。
・Barton骨折(バートン骨折):橈骨遠位部の関節内骨折である。遠位部骨片が手根管とともに背側もしくは掌側に転位しているものをいう。それぞれ背側Barton骨折・掌側Barton骨折という。
主な治療として、骨転位が軽度である場合はギプス固定をする保存療法、骨転位が重度である場合はプレート固定を行う手術療法である。
問題13 コーレス骨折(Colles)骨折固定後にまず確認するのはどれか。
1.肩関節は外転できるか。
2.筋皮神経領域に感覚異常はないか。
3.手関節部で橈骨動脈の拍動は触れるか。
4.MP関節の運動が制限されてないか。
解答4
解説
コーレス骨折(橈骨遠位端部伸展型骨折)は、橈骨遠位端骨折の1つである。 橈骨が手関節に近い部分で骨折し、遠位骨片が手背方向へ転位する特徴をもつ。合併症には、尺骨突き上げ症候群、手根管症候群(正中神経障害)、長母指伸筋腱断裂、複合性局所疼痛症候群 (CRPS)などがある。
1.× 肩関節は外転できるか確認する優先度が低い。なぜなら、コーレス骨折は、橈骨遠位端骨折の1つで、肘関節をまたぎ、肩関節までの影響は少ないため。
2.× 筋皮神経領域に感覚異常はないか確認する優先度が低い。なぜなら、コーレス骨折の合併症は、手根管症候群(正中神経障害)であるため。ちなみに、筋皮神経は、主に、上腕二頭筋と前腕外側の感覚を司る。
3.× あえて、「手関節部で橈骨動脈」の拍動は触れるか確認する優先度が低い。なぜなら、コーレス骨折は、橈骨遠位端骨折の1つであるため。つまり、手関節部が骨折部位となっているため、拍動を確認するために触れると、さらに痛みを助長したり、骨折の悪化につながりかねない。循環障害がみられる場合は、手指の色やパルスオキシメーターでの測定が望ましい。
4.〇 正しい。「MP関節の運動が制限されてないか」をコーレス骨折(Colles)骨折固定後にまず確認する。なぜなら、コーレス骨折の合併症でもある正中神経障害(場合によって尺骨・橈骨神経障害)がみられるため。
・Smith骨折(スミス骨折):Colles骨折とは逆に骨片が掌側に転位する。
・Colles骨折(コーレス骨折):Smith骨折とは逆に骨片が背側に転位する。
・Barton骨折(バートン骨折):橈骨遠位部の関節内骨折である。遠位部骨片が手根管とともに背側もしくは掌側に転位しているものをいう。それぞれ背側Barton骨折・掌側Barton骨折という。
主な治療として、骨転位が軽度である場合はギプス固定をする保存療法、骨転位が重度である場合はプレート固定を行う手術療法である。
問題14 第5中手骨頸部骨折で固定する関節と固定角度の組み合わせで正しいのはどれか。
1.手関節-軽度屈曲位
2.MP関節-90度屈曲位
3.PIP関節-完全伸展位
4.DIP関節-軽度屈曲位
解答4
解説
固定の主たる目的は、MP 関節を屈曲位として末梢骨片を安定させることである。固定は様々あるが、症状にあった固定を行なう必要がある。
◎ 固定時の留意点
1、指関節背側の皮膚は薄く、屈曲により皮膚血流が悪くなりやすい、したがって、皮膚潰瘍や壊死を起こしやすい。
2、ガーゼなどを使用することで、皮膚の保護に十分注意する必要がある。
3、高齢者で転位を避けるために PIP 関節の屈曲位を余儀なくされる場合、指の屈曲拘縮を起こしやすいので、可能な範囲で軽度屈曲位を目指す。
4、強度の固定は手指の巧緻運動を著しく障害し、長期にわたって機能障害を残すことになる(※引用:「中手骨頚部骨折」著:舘 利幸)。
【まとめ】手関節軽度伸展、MP関節40~70°屈曲、IP関節軽度屈曲位で、アルミ福子を掌側に当て隣接指と、前腕遠位~指尖まで約5~6週間。
1.× 手関節は、「軽度屈曲位」ではなく軽度伸展位である。
2.× MP関節は、「90度屈曲位」ではなく40~70°屈曲である。
3.× PIP関節は、「完全伸展位」ではなく軽度屈曲位である。
4.〇 正しい。DIP関節は、軽度屈曲位である。アルミ福子を掌側に当て隣接指と、前腕遠位~指尖まで約5~6週間
第5中手骨頸部骨折の骨折部は背外側偏位を呈する場合が多い。第5中手骨頸部骨折は末梢骨片が短く且つ中手指節関節に近い事から整復操作後も転位しやすく、観血的療法の適応となる事が少なくない。又、保存的療法の一般的な整復法はJhass法(中手指節関節及び近位指節間関節90度屈曲位にて中手骨骨頭を押し上げる)である。骨折部が最も安定した固定肢位はJhass法施行時の中手指節関節及び近位指節間関節90度屈曲位である。しかし、この肢位は近位指節問関節背側部の血行障害による皮膚壊死や支靱帯の短縮による近位指節問関節の屈曲拘縮をきたしやすく禁忌とされている。渡辺は幅2.5cmの非伸縮性粘着テープを用いて中手指節関節及び近位指節間関節90度屈曲位で固定し、良好な治療成績を挙げている。(※引用:「第5中手骨頸部骨折に対する整形理学療法」著:有川整形外科医院)
問題15 肋骨骨折に対する屋根瓦状絆創膏固定で正しいのはどれか。
1.側臥位で添付する。
2.最大吸気時に貼付する。
3.正中線を越えて貼付する。
4.上位から下位に貼付する。
解答3
解説
肋骨骨折の屋根瓦状絆創膏固定とは、絆創膏を貼付する範囲をアルコール綿で消毒し、呼気時に貼付していく固定方法である。その際、乳頭部はガーゼで保護し、肋骨弓下縁から上方に向かって少しずつ重ねながら貼付していく。絆創膏固定は3~4週間。
【肋骨骨折の屋根瓦状絆創膏固定】
①添付範囲を清拭する。②乳頭部をガーゼなどで保護する。③座位の呼気状態で呼気を停止させて行う。
→前後正中線を超え、健側に始まり健側に終わる。胸部全周に貼付しない。肋骨弓下縁から上方に向かって屋根瓦状に貼付する。水泡防止のため、貼り始めは牽引力を加えないように貼付する。緩みやかぶれの状態を確認して交換する。
1.× 「側臥位」ではなく座位で添付する。
2.× 「最大吸気時」ではなく呼気を停止させて貼付する。
3.〇 正しい。正中線を越えて貼付する。前後正中線を超え、健側に始まり健側に終わる。
4.× 「上位から下位」ではなく肋骨弓下縁から上方に貼付する。