第32回(R6年)柔道整復師国家試験 解説【午前61~65】

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問題61 全身の静脈血が最初に通過するのはどれか。

1.大動脈弁
2.肺動脈弁
3.三尖弁
4.僧帽弁

解答

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.× 大動脈弁とは、左心室から大動脈への血流を制御するための弁である。

2.× 肺動脈弁とは、右心室と肺動脈の間にあり、3枚の弁で構成されている。

3.〇 正しい。三尖弁は、全身の静脈血が最初に通過する。三尖弁とは、右心房と右心室の間に位置し、血液の逆流を防ぐ役割を果たす弁である。ちなみに、静脈血とは、酸素が少なく二酸化炭素が多い血液である。一方、動脈血とは、酸素を豊富に含んだ血液である。

4.× 僧帽弁とは、左心房と左心室の間にある弁である。

 

 

 

 

 

問題62 平滑筋と横紋筋の両方からなるのはどれか。

1.食道
2.胃
3.回腸
4.結腸

解答

解説
1.〇 正しい。食道は、平滑筋と横紋筋の両方からなる。頸部食道は横紋筋、下がるにしたがって平滑筋が増え、胸部食道と腹部食道は平滑筋が主になる。食道の筋層は、上部が横紋筋、中部が横紋筋と平滑筋の混合、下部が平滑筋で構成されている。

2~4.× 胃/回腸/結腸は、平滑筋に構成されている。平滑筋とは、横紋筋とは違いサルコメア(筋節)のない筋肉のことで出産に耐えうる丈夫な筋肉でできている。一方、横紋筋とは、筋組織のひとつで筋線維(筋細胞)の集まった物で、体を動かす際に使われるため「骨格筋」とも呼ばれる。

 

 

 

 

 

問題63 十二指腸で正しいのはどれか。

1.胆嚢管が開口する。
2.腹膜後器官である。
3.腸間膜がある。
4.腹膜垂がある。

解答

解説

(※図引用:「胆嚢管」wikiより)

十二指腸とは?

十二指腸とは、小腸の一部で消化管の一つで胃の奥にある臓器で、壁の薄さは約2~3mmと薄く、長さは約25cmで、球部、下行部、水平部、上行部に分けられる。下行部には膵液、胆汁の出口であるファーター乳頭があり、それらの消化液は、食物の消化や吸収に役立つ。

1.× 「胆嚢管」ではなくファーター乳頭が開口する。総胆管は、膵管と合流して大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開口する。ファーター乳頭とは、十二指腸の中間あたりには、胆のうからつながる胆のう管と、すい臓からつながるすい管の開口部のことを指す。

2.〇 正しい。腹膜後器官である。腹膜後器官(後腹膜臓器)とは、後腹壁の壁側腹膜に接する領域に位置する器官のことである。腹膜後器官には、十二指腸、腎臓、副腎、膵臓、尿管、腹大動脈、下大静脈、胸管、乳び槽などがある。

3.× 腸間膜は「ない」。腸間膜とは、腸管を腹腔後壁に連絡する膜で、2重の腹膜からなる。小腸では空腸と回腸、大腸では横行結腸・S状結腸にある。

4.× 腹膜垂は「ない」。腹膜垂とは、結腸紐(特に大網紐、自由紐)に沿ってみられる奬膜に包まれた脂肪組織である。成人では3cm近い大きさになり、約100個あるとされている。 画像診断で正常の腹膜垂を同定することは困難だが、炎症や石灰化をきたせば同定できるようになる。

 

 

 

 

 

問題64 腹壁の模式図を示す。虫垂の基部を反映するのはどれか。

1.1
2.2
3.3
4.4

解答

解説

マックバーニー圧痛点とは?

McBurney圧痛点とは、盲腸炎(急性虫垂炎)の診断に役立つ、腹部の特定の点で感じる圧痛のことを指す。右下腹部(右上前腸骨棘と臍を結ぶ線を3等分し、右から3分の1)に位置する圧痛点である。盲腸炎の疑いがある場合、この点に圧力を加えると患者は痛みを感じる。医師は、この圧痛点に加えて他の診断方法を用いて盲腸炎の確定診断を行う。

ほかにも、急性虫垂炎には、ランツ点、キュンメル点、モンロー点という特徴的な圧痛点がある。モンロー圧痛点は右上前腸骨棘と臍を結ぶ線の中間点を指し、腹直筋の外縁と交叉する部位に相当する圧痛点のことを指す。

1.〇 正しい。1は、虫垂の基部を反映する。マックバーニー圧痛点である。McBurney圧痛点とは、盲腸炎(急性虫垂炎)の診断に役立つ、腹部の特定の点で感じる圧痛のことを指す。右下腹部(右上前腸骨棘と臍を結ぶ線を3等分し、右から3分の1)に位置する圧痛点である。盲腸炎の疑いがある場合、この点に圧力を加えると患者は痛みを感じる。医師は、この圧痛点に加えて他の診断方法を用いて盲腸炎の確定診断を行う。

2.× 2で評価できるものはない。ちなみに、モンロー圧痛点は右上前腸骨棘と臍を結ぶ線の中間点を指し、腹直筋の外縁と交叉する部位に相当する圧痛点のことを指す。

3.× 3は、ランツ点である。ランツ点とは、急性虫垂炎に認められ、圧迫した際に強い痛みを感じる部位(圧痛点)の一つである。 左上前腸骨棘と右上前腸骨棘を結ぶ線を3等分し、3等分したうち右から1つ目の点周辺に存在する。

4.× 4で評価できるものはない。

(※図引用:「消化器官の図2」より)

 

 

 

 

 

問題65 グリソン鞘を有するのはどれか。

1.咽頭
2.食道
3.肝臓
4.膵臓

解答

解説

(※図引用:「消化器官の図2」より)

1.× 咽頭とは、扁桃腺とその周りを指し、一般にノドと言われる部分である。空気と食べ物の通り道である。

2.× 食道とは、咽頭と胃の間をつなぐ管状の臓器である。

3.〇 正しい。肝臓は、グリソン鞘を有する。肝臓の実質(肝臓の約6割を占める肝細胞のこと)は、グリソン鞘により肝小葉に分けられる。グリソン鞘によって、肝に入る血管(門脈と肝動脈)、肝から胆汁を分泌する胆管の3つは結合織によって束ねられている。

4.× 膵臓とは、消化酵素を含む体液(膵液)を膵管から十二指腸に出す外分泌と、血糖などをコントロールするホルモンを血中に出す内分泌の両方の働きをもつ臓器である。

(※図引用:「看護師イラスト集」より)

 

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