第21回(H25年)柔道整復師国家試験 解説【午後31~35】

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問題31.気管支喘息発作時にみられる呼吸はどれか。

1.チェーン・ストークス呼吸
2.起坐呼吸
3.クスマウル呼吸
4.ビオー呼吸

解答

解説
1.× チェーン・ストークス呼吸とは、数十秒間程度の無呼吸が続いた後、外呼吸を再開すると1回換気量が次第に増加し、極大に達すると今度は1回換気量が減少して、再び数十秒間の無呼吸に至るというサイクルが続く、異常な外呼吸の仕方である。呼吸中枢の低酸素症(脳出血、脳梗塞)、動脈血循環の不良、低酸素血症のいずれかが原因となる。

2.〇 正しい。起坐呼吸は、気管支喘息発作時にみられる呼吸である。気管支喘息発作時は、気道が狭窄して呼気が困難になり、さらに臥位になると腹部臓器が横隔膜を押し上げてさらに呼吸が苦しくなる。したがって、体を起こすこと(起坐呼吸)で、横隔膜の動きを助け、換気を改善できる。
・起坐呼吸とは、呼吸困難が臥位で増強し、起坐位(または半坐位)で軽減することをいう。起坐呼吸は、臥位をとると静脈還流が増え血液が肺にたまりやすくなり呼吸困難が増強するためみられる。

3.× クスマウル呼吸とは、異常に深大な呼吸が連続し、規則正しく続く状態である。 運動時にも同様の呼吸がみられることがある。 糖尿病性ケトアシドーシス、腎不全に伴う尿毒症、昏睡時などに認められる。

4.× ビオー呼吸とは、不規則に早く深い呼吸が突然中断され、無呼吸となり、また早く深い呼吸に戻る呼吸である。原因疾患は、①呼吸中枢の障害、②髄膜炎の末期に起こる。

(※図引用:「異常呼吸」日本臨床検査医学会様HPより)

 

 

 

 

 

問題32.深部感覚で正しいのはどれか。

1.位置覚は音叉を骨の突起部にあてて検査する。
2.ロンベルグ試験が有用な検査である。
3.深部痛覚は脊髄癆で過敏になる。
4.位置覚と振動覚はともに脊髄の側索を伝わる。

解答

解説

複合感覚とは?

感覚の分類は主に3つに分けられる。
①表在感覚とは、皮触覚・痛覚・温度覚である。
②深部感覚とは、関節覚(位置覚、運動覚)・振動覚・及び深部痛覚である。
③複合感覚とは、立体覚、皮膚書字感覚、二点識別覚、部位覚、重量覚などである。

1.× 音叉を骨の突起部にあてて検査するのは、「位置覚」ではなく振動覚である。
・音叉を用いた振動覚検査とは、振動している音叉の柄の部分を、被験者の内果に当て、「振動が感じられなくなった時点」を合図してもらい、振動が感じられなくなるまでの時間(秒)を測定する。

2.〇 正しい。ロンベルグ試験が有用な検査である
・Romberg試験は閉眼した状態で体幹の動揺が生じ転倒した時に陽性となる。深部感覚(脊髄後索)、末梢神経、前庭神経の障害でRomberg徴候陽性となる。

3.× 深部痛覚は脊髄癆で、「過敏」ではなく消失(または低下)になる。なぜなら、脊髄癆(脊髄性障害)は、後索と後根の変性による疾患であり、深部感覚(位置覚・振動覚・深部痛覚)が障害されるため。

4.× 位置覚と振動覚は、ともに脊髄の「側索」ではなく後索を伝わる。
・深部感覚と精密な触覚の伝導路は、「後根 ⇒ 後索(下肢からの線維は薄束を通って薄束核に終わり、上肢からの線維は楔状束を通って楔状束核に終わる) ⇒ 延髄(後索核) ⇒ 毛帯交叉 ⇒ 内側毛帯 ⇒ 視床後外側腹側核 ⇒ 感覚野」となる。

 

 

 

 

 

 

問題33.角膜反射の求心性神経はどれか。

1.視神経
2.動眼神経
3.三叉神経
4.顔面神経

解答

解説

角膜反射とは?

角膜反射とは、角膜にものが触れると眼を閉じる反射である。角膜への刺激は、両側の顔面神経核に伝わるため両目が閉じる。
【求心性神経】三叉神経
【遠心性神経】顔面神経

1.× 視神経とは、視覚を司る感覚神経である。
・視覚伝導路は、「視神経―視交叉―視索―外側膝状体―視放線―視覚野」である。

2.× 動眼神経とは、外側直筋と上斜筋以外の眼筋を支配する運動神経と、眼球内の瞳孔括約筋や毛様体筋を支配する副交感神経を含んでいる。

3.〇 正しい。三叉神経は、角膜反射の求心性神経である。なぜなら、角膜の感覚(触覚・痛覚)は、三叉神経の第1枝(眼神経)によって橋の感覚核へ伝えられるため。
・三叉神経とは、咀嚼運動にかかわる脳神経である。三叉神経は、主に咀嚼筋の咀嚼運動と顔面の皮膚感覚を司る。運動神経と感覚神経を含む。

4.× 顔面神経とは、表情筋の運動、涙腺や口蓋腺などの分泌作用制御の副交感神経、および味覚を司る感覚神経を含む混合神経である。したがって、顔面神経の障害により、顔面表情筋の障害、角膜反射低下、聴覚過敏、味覚低下(舌前2/3)、涙分泌低下、唾液分泌低下などが起こる。

 

 

 

 

 

問題34.足外果の後ろから下を回って足背外側をこすると出現する病的反射はどれか。

1.オッペンハイム反射
2.チャドック反射
3.バビンスキー反射
4.ゴードン反射

解答

解説

病的反射とは?

病的反射とは、原始的な反応への退行であり、大脳皮質からの抑制が消失していることを意味する。例えば、バビンスキー反射の出現などである。中枢側にある上位運動ニューロンが傷害され、その下位運動ニューロンに対する抑制が消失し、正常では認められないような反射である。

1.× オッペンハイム反射は、脛骨内縁を上方から下方へこすりおろす。

2.〇 正しい。チャドック反射は、足外果の後ろから下を回って足背外側をこすると出現する病的反射である。
・Chaddock反射(チャドック反射)の刺激部位は、腓骨の外果下部を後方から前方であり、陽性で母趾が背屈する。

3.× バビンスキー反射の刺激部位は、踵部から足底外側であり、陽性で母趾が背屈する。

4.× ゴードン反射の刺激部位は、ふくらはぎを指で強くつまむ。母指の背屈現象を起こす反射である。

 

 

 

 

 

問題35.急性虫垂炎の圧痛点で、右上前腸骨棘と臍を結ぶ線上で前者から約5cm内方に位置する点はどれか。

1.キュンメル点
2.ランツ点
3.マックバーネ点
4.ムンロー点

解答

解説
1.× キュンメル点とは、急性虫垂炎を示唆する圧痛点の一つで、臍より右下方1~2cmを指し、大網が虫垂の炎症のために引き寄せられた部位に相当する圧痛点のことを指す。

2.× ランツ点とは、急性虫垂炎を示唆する圧痛点の一つで、左上前腸骨棘と右上前腸骨棘を結ぶ線を3等分し、3等分したうち右から1つ目の点周辺に存在する。

3.〇 正しい。マックバーネ点は、急性虫垂炎の圧痛点で、右上前腸骨棘と臍を結ぶ線上で前者から約5cm内方に位置する点である。
・マックバーネー点とは、盲腸炎(急性虫垂炎)の診断に役立つ、腹部の特定の点で感じる圧痛のことを指す。右下腹部(右上前腸骨棘と臍を結ぶ線を3等分し、右から3分の1)に位置する圧痛点である。盲腸炎の疑いがある場合、この点に圧力を加えると患者は痛みを感じる。医師は、この圧痛点に加えて他の診断方法を用いて盲腸炎の確定診断を行う。

4.× ムンロー点とは、急性虫垂炎を示唆する圧痛点の一つで、右上前腸骨棘と臍を結ぶ線の中間点を指し、腹直筋の外縁と交叉する部位に相当する圧痛点のことを指す。

 

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